美味い！ここが百名店に選ばれていないのは不思議 : 自家製うどん うどきち

うどんEAST百名店をコンプリートしたと言うと、「暇だなあ」と言われる人も多いと思います。
まあそれは半分当たっているかもしれませんね。
何しろEASTエリアですので、北は札幌から西は愛知、岐阜まで広範なエリアに点在しており、攻略に相当の時間を費やしたのは事実ですから。
いくつかのジャンルにあるTOKYO百名店と比べると攻略困難度の差は明らかです。

それでも、元来のうどん好きもあって、例えば富士吉田などの攻略困難エリアは早めにクリア出来ていたこともあり、何とか達成に至りました。

もちろんコンプリートしたからと言っても、本来のうどん好きが変わるわけではないので、引き続き、百名店以外でも良さそうなお店は今後も鋭意チャレンジしていきたいと思っています。

この日のターゲットとなった当店は、かなり早い時期からBMしていたお店だったのですが、やはり百名店攻略が優先していたため、なかなか足が向かなかったお店です。
西武池袋線沿線ですので、連食する気になれば百名店とのダブル攻略などもあり得たのだと思います。
ただ、連食そのものが、そのお店をしっかり楽しむという観点からすると邪道であってお店に失礼なような気がしますし、名古屋などの遠征時を除いては極力連食はしない方針にしているので、それも訪問が遅れた理由です。

当店は、うどん好きの方々の間では、ともすれば並の百名店あたりと比べてもよほど知名度の高いお店かもしれません。
と言うのも、店主のKさんのうどん作りにかける情熱は半端では無く、なにしろこれまで100種類以上の麺を作り、毎日の研究時間は15時間に及ぶそうですから凄いですよね。

当店は元々、2013年12月に所沢市和ヶ原1-41-8の和ヶ原ビル 1Fにオープンしました（自家製麺 うど吉 所沢店）。
同店は駐車場が小さかったため、駐車場確保のため移転することとなり、同店から100ｍほど離れた場所に移転したのが当店ということになります。
当店のオープンは2016年11月ですので、丁度丸6年を過ぎたところになりますね。

当店へのアプローチは、狭山ヶ丘駅西口から、駅前のセブンイレブンの裏手へ回って、そこから伸びる路地へ入ります。
因みにこの路地へ入ったところには「自家製手もみ麺 鈴ノ木」というラーメン店があるのですが、11時前だというのに行列が出来ていました。
路地は暫く進むと自然に「トコロード」という商店街に入りますが、商店は点在している感じで住宅地と商店街のハイブリッドみたいな感じの通りです。

左手にあるベーカリー「パン工房どんぐり」の手前、右手に「肉匠もりやす」のある三叉路を左折して100mほど進んだ右手にお店はあります。
2階建ての完全な民家の1階を改造したのが店舗で、入口は普通の民家の扉です。

少なくとも築30年程度以上は経過している民家に見えましたし、表札には店主さんの姓が書かれていましたので、当店の移転は、住まいの移転も兼ねていたのではないかと推測されます。

うどん屋さんにしてはゆっくりめの11時半オープンのお店ですが、11時10分過ぎに到着したところ、既に常連さんらしき男性客1名が待っていました。
お聞きすると、近くに住む常連さんらしく、10時40分頃から待っているとのこと。
世の中には暇な人がいるものだなあとは思いますが、まあ初投稿とやらを目指してローラーしている何を考えているか分からない暇人に比べれば目的が理解できる点で全然マシですw

その方は、週に最低3回は来ているとのことでしたが、当店は月曜、火曜、水曜休みの週4日営業ですので、ほぼ毎日来ているということになりますね・・
お店にとってはこれ以上無いお得意さんということになると思いますが、待っている間にその方から当店のことを色々と教えていただき、とても有意義でした。

お店は11時半きっかりにオープンしましたが、その時点で私の後ろに3組5名の人が並んでいました。
平日なので、待ちにはなっていませんが、件の常連さんによれば、土日は11時半に来たのではまず間違いなく待たされるとのことでした。

お店は入口で靴を脱いで自分で下足入れに入れてから入店します。
上り口の壁には目立つように「本日の麺」と銘打たれた5種類の麺が掲示されており、「うどきちでは麺が選べます」と書かれています。
これまで多くのうどん店を回ってきましたが、こんなタイプのお店は初めてです。

店内は椅子のあるカウンター席が3席ある他は座敷席で、向かい合わせの席が4席×2列と4人用テーブルが2卓あります。
計19席のキャパで、食べログ店舗情報の25席とは差がありますが、密防止でテーブル席を間引いているためと思われます。

私は件の常連さんと共にカウンター席に座ることにしました。

卓上にはメニューが置かれており、肉汁うどんを始めとした定番メニュー、季節メニュー、サイドメニュー、トッピングメニューなどがラインナップしています。
入口に掲示されていた麺の種類もメニューにあるので、注文時は、その選択も伝えます。
常連さんから硬い麺が好みならハナマンテン麺、柔らかい麺が好みならもち麺とのオススメがありましたので、硬い麺好きの私は迷わずにハナマンテン麺の肉汁うどんを注文し、トッピングメニューからおもちトッピング@170円を追加しました。
うどんは並盛りと小盛りから選べますので、並盛り@990円をチョイスしました。
〆て1,160円ですので、ややお値段は高めかなと感じます。

常連さん曰く当店で唯一残念なのは大盛りが無いことだとおっしゃってましたが、実は以前はやっていたんだそうです。
ところが、個人店で1日に打てる麺の量には限りがあるため、人気店になってからは、大盛りを頼む人が続出して早々と終了ということが多くなってきたので、多くの人に食べてもらうべく止む無く大盛りをやめたそうです。

麺の茹で時間は、選んだ麺の種類によって異なり、ハナマンテン麺は8〜9分となってましたが、ほぼその通りで、注文後10分ほどで注文の品が運ばれてきました。

茶褐色を帯びたハナマンテン麺は、長野県産の強力粉を使用しているそうですが、確かに強力な硬さです。
コシというより硬い麺ですね。
そして、噛み締めるほどに小麦の風味が染み出してきて実に美味いです。
私が美味い美味いと頷きながら食べていると、お隣の常連さんは我が意を得たりと微笑んでいるのが分かりました。

肉汁の具は豚バラ肉と油揚げ、ネギで、武蔵野うどんの肉汁としてはオーソドックスですが、これにおもちをトッピングして多少の変化を試みたわけです。
色は濃いつゆなのですが、味はどちらかと言うと薄味で、その分素材の味が良く生きており、うどんの風味を味合うのにも適しています。
そのあたりも含めて良く考えられているなと思いました。

店内には二番出汁が置かれているので、これでスープ割りが出来るのですが、このスープ割りが絶品ですね。
二番出汁の風味がとてもよく生きていました。

とても美味しいうどんで、ボリューム的にも見た目はやや少ないかなと感じたのですが、うどんが硬くて顎を使ったためか、思ったよりもお腹は満足しました。
これなら柔らかいもち麺も試したいと感じましたが、何分遠いので、なかなか実現は難しいかもしれません。

冒頭記した通り、うどん百名店はEASTエリアをコンプリートしたのですが、その中に入れても文句無くトップクラスにランクされるお店と言ってもいいのではないかと思われます。
この点は事前の予想がほぼ当たりました。

前記の通り大盛りが無いのとお値段がやや高めなのは減点材料にはなりますが、それ以外はケチのつけようの無いお店で、うどん好きの方なら一度は訪れて欲しい、まさに太鼓判を押せるお店ですよ。