Mr.ぴぃさんが投稿した宮わき(東京/四谷三丁目)の口コミ詳細

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移転宮わき四谷三丁目、曙橋、四ツ谷/日本料理

1

  • 夜の点数:4.2

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2018/06 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

その奥の闇は動かず夏のれん

西の空から夕焼けの名残の赤さが失われて藍色の空が広がる頃、街灯が点り始めると、通りに妖しげな表情が浮かび上がる。嘗ての花街、三業地の面影を残す四谷荒木町。
昭和な頃なら、顔の識別が付かなくなる頃になると、誰彼無しに「お晩です」と挨拶を交わし、余所者を区分することが奨励された。挨拶は、範囲が限られた社会にあって、安全を確保する手段でもあったのだ。この挨拶を「誰ぞ彼」と云い、此れが転じて黄昏と云う言葉が産まれることになる。
酔っ払いと云う魑魅魍魎が集うことからも、四谷荒木町は逢魔が刻が似合う街なのかもしれない。

荒木町内には、小ぢんまりとした街にあって車力門通りと杉大門通りと云う比較的大きな通りがある。其の間に柳新道通りというやや細い道があり、彼の店は其の道添いにある。
カウンタ―の雰囲気は恵比寿、料理の表情は荒木町、元居た店の名残が其処は彼と漂ってきたりする。

予約を入れて訪問。コースが希望なら、原則前日迄(料理によっては3日前)に連絡が必要だが、此方の店の感じなら、個人的には小料理屋として其の日の気分で摘まむのが良いように思う。
個別の話をしておくと、鼈は浜名湖の養殖物ではあるが、冬眠を経験させており、其の辺の区別が付く方なら良心的な値段に心が揺れるのではないだろうか。和食で肉を食べなくてもとは思うほうだが、此方は島根のかつべ牛を使っていたりするので、そんな話を聞いちゃうと、おいおいと思う方もいらっしゃるだろうから、横道逸れではあるんだけど、記録に残しておくね(笑)
そんなこんなで、奥のテーブル席で今宵の宴は始まるのである。

取敢えず、瓶ビールを頼み、食べたいと思うものを好きに任せて註文していくことにした。
ビールと一緒に運ばれてきたのは、玉蒟蒻。季節もあるが、此方に来て外したくないのは、新玉葱のすり流しと鱧、そして鼈かな。
そうか、今日は岡山の天然青鰻があるのか。で、甘鯛と喉黒で悩まなあかんって云う寸法ね(笑)
川蝦、白魚の唐揚げもビールには良いんだけど、え? 出汁酢トマトは今日ない…うーん。

刺身を所望なら冬だろうが、今の季節なら煮付けや壺焼きだよな。楊枝でひょいと引き出して、肝と一緒に食べると、やっぱり幸せ、白バイ貝旨煮。
茄子と油は好相性ってことで、勿論、定番の茄子揚げ浸しを、ホコホコ云いながら口の中に放り込んで、グビグビとビールを流し込むのだ。夏ならではの馳走であることは云う迄も無く、小料理然とした店では嬉しいんだよな、此れが亦。
此処で登場、新玉葱すり流し。見た目良し、食べ口良し、そして、身も心も涼やかになって、軽やかになっていく料理は此の季節には大層有り難い。
鱧を骨切して、湯引きして、水で〆て、器に美しく花を咲かせて、酸味を身に纏って、嗚呼、夏なのね、鱧落とし。

此方の日本酒、澤屋まつもとの品揃えが存外に充実しているのだが、行く度に銘柄が違うので、ナカナカ困りもの。
辛いのをお願いで任せっ放しで良いと云えば良いのだけど、きゅうっと喉が鳴ってしまうのがね(笑)

甘鯛と云えば、鱗が旨い魚で知られている。だから、若狭焼きでより一層香ばしくして食べるのが宜しい。鱗とは相反、身はしっとりと練り絹のような味わいで、ひと塩もの、って勝手に思っているだけかもしれないけど、でも、甘鯛だからそんなこんなな想いと一緒に食べてしまうのである。
魚の前に食べたかったのが本音だけど、生とうもろこし掻き揚げが登場し、場を和ませる。甘く、ちょっぴり切なさを連れて来てくれる掻き揚げで、辛口の猪口の箸休めには有難いんだけど、でも、順番がね(笑)
少し腹持ちをするものが良いねってことで、焼ポテトサラダ。馬鈴薯、玉葱、人参を使ったポテトサラダの隠し味がなんとカレー味。表面が焼き上げられており、物足りないなって時には重宝なひと皿。勿論、がっつり迄は良いんだけどと云う時の切り札的位置付け料理なのだが、ま、変化技な位置付けの料理でもあるので、そう云うのが好きな方用(笑)
丸鍋を食べる程胃の腑に空きがあるわけではないのだけど、鼈の味わいは身体に残しておきたいなってことで、鼈雑炊を註文。ハフハフ云うて食べて、なんとのう元気になって帰る。最後の一杯にはお漬もんを上手い具合に散らして、ほんのちょっぴりパリポリさせて食べ切って、お茶でしんみり云わせて、嗚呼、美味しかった。

呑んだ具合で悪鬼羅刹か、将又、魚籃観音になって、街灯りの中を彷徨うのか、其の辺はよう知らんけど、店出てからが四谷荒木町は風情があって宜しおますなぁ(笑)

肩肘張らんと、気楽に手軽に知己と語らいながら料理を愉しむ店。佳店。

2018/07/22 更新

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