またラーメンに関してなんだが、よく「コクが足りない」「深みがある」などと表現していますが、
そもそも”コク””深み”ってのは何だ?と・・・。
俺はこう考えている。
まず、コクに関して。
コクは、味そのものの深みを言っています。
極端に考えると分り易いので、例を挙げましょう。
例えば、見た目が同じスープが用意されたとする。
片方は素材を吟味し、下処理を怠らず、ダシを丁寧に抽出し、仕上げも繊細にこなしたスープ。
もう片方は、全てを雑にこなして、見た目だけ同じようにしたスープ。
これを飲み比べるとする。
前者の味はキッチリ舌に訴えかける骨太な味が感じられたとしよう。
すると、後者の味は薄っぺらく、全く舌にも印象にも残らない。
これが前者の方がコクがあると表現する根拠です。
味付けが濃いだけのスープは、確かに舌に訴えるインパクトは大きいが、それはコクがあるとは
言えない。
コクがあるスープは後を引くものです。
植物に例えると、”根”のようなもので、軽く引いただけで抜ける根っこの浅い草と、強く引っ張ってもなかなか抜けない根っこの張った草。
同じ”草”だが、明らかに根の張った草の方がしっかりしていますよね?
そういう味の根底・幹・基礎のようなものをコクと表現しております。
言葉で語ると難しいものですが、なんとなく伝わるかなぁ?ww
そして深みとは、料理としての味の階層度を言います。
これはコクと似て否なる全く別物です。
俺はウマイスープには多重に折り重なる味の階層があると思っています。
例えば豚骨スープにおいて、第1階層として豚骨の味を感じますね。
第2階層に、味付けに使った醤油などの調味料を感じます。
本題はここからです。
それ以外に、何やら分らないが上述の2つ以外の味を感じる。
野菜ダシか?魚介ダシか?味の素か?牛乳か?
単純に使用しているスープ素材に、豚骨意外のものを使ったら第3階層にも到達することが多いものですが、問題はそれだけじゃない。
第1階層と第2階層が融合する事で、第3階層を作り出すこともあるのです。
そうなれば深みは増すばかり。
第1~3階層が融合する事で、更に発展する事さえある。
こうなったら倍率ドン!更に倍!的状態ですwww
まだある。
飲み込んだ後に感じる味もあるのだ。
所謂”後口”であるが、これが口に含んでいる状態の味と違う事がある。
これも階層の一種である。
俺は、「うまいスープは、第5階層まで深みがある」という持論を持っている。
当然スープは1つなので、口に含んだ瞬間に一気に味は爆発するのだが、よく味わうと自分の味覚を通り過ぎていく色々な味が分る筈である。
それらの味が渾然一体となって出来上がったスープ。
そのスープを掘り下げていって辿り着く深度。
それを深みと表現しているのである。
なので、深みはあるがコクがないスープってのも存在するし、逆も然り。
大体伝わったかなぁ?
但し、このコクと深みっては判断が難しい部類の味なので、下手に語ると笑われる諸刃の剣。
素人にはお勧めできないwww