エトワールさんが投稿したメゾン・ド・タカ芦屋(兵庫/芦屋(阪神))の口コミ詳細

エトワールの幸福な時間

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掲載保留メゾン・ド・タカ芦屋芦屋(阪神)/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.7

      • 料理・味 4.5
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2013/04 訪問

  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

春の光の中 思い出を彩る館で芦屋フレンチ ~気心の知れたお友達と芦屋めぐり♡ part2

今は昔・・・。

お勉強を一生懸命がんばった少女は その甲斐あって 大学に合格し
男の子にドライブに誘われるような 当時としては人並みな女子大生ライフを送るようになりました。

ときは、バブル期。
男子は車を持っていて 女のコをいいお店につれていかないとカッコがつかなかった時代。
少女にも、めでたく 国産ですが高級車を乗り回すボーイフレンドができました。

ボーイフレンドは医大生。
女のコとのデートのために男子どうしでのお店の下見も欠かさない、優男。

初めてのドライブデート。
神戸の異人館に行った、その帰り
「いいお店があるねん。」と連れてこられた芦屋川のほとりの石塀の館。


まず目に入ったのはそこここに停まっている 見たこともないような外車たち。
ギャレーサービスなんてもの 知るはずもない少女は、乗り捨てられた車に「あんなことしてていいの?」と内心ビクビク。
うやうやしいお辞儀とともに開けられた扉。
華やかな百合のステンドグラスに迎えられ 奥に進むと
そこは、まるで内から光を発しているかのようにきらびやかに輝く調度品に囲まれた 華麗な空間だったのです。

「食事」といっても コースが主体で、ピラフがたしか2000円とか。

カフェバーとかディスコとか一応デビューは果たしたものの
つい数か月前までは お勉強一色の生活だった、真面目ちゃんな少女は
ふいに訪れた異世界に ドキドキ、というか内心ビビりまくりながらも
その華やかな空気感に酔い ボーイフレンドと束の間の夢の時間を過ごしたのでした。

その館の名は、そう「プレイバッハ」。
バブルの頃 時代の仇花のように芦屋に咲いた、大輪の花。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


時は流れ・・・。

少女は結婚生活に 子育てに 仕事に追われ そんな華やかな時間が自分にあったことさえも忘れていたのですが

つい最近、あの思い出の館は 何度か名前が変わり 増築や内部の改装を経ながらも
その場所でレストランとして生き続けていることを知りました。

今の名は「メゾン・ド・ジル芦屋」。
ミシュランのひとつ☆にも輝いた グランメゾンでございます。


少女ももう夢見るお年頃ではなくなり いろんなお店もそれなりに経験し
お店の名前を聞いただけで あ~楽しみ~♪
なんてことも 少なくなってきましたが

それでも今回「メゾン・ド・ジル芦屋」を訪問できると知ったときには
甘美な感慨が おばちゃんとなった元少女の胸を一瞬、満たしたものでございました・・・。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ここで、やっと前のレビューからの続きとなります。

アンリシャルパンティエの楽しいひとときの後、
芦屋の街を 仲間どうしワイワイと散策・・・。
雑貨、アクセサリー、ガラスの器。
どのお店も芦屋という街の華やかさの中にも品のある空気をまとい キラキラ輝いているように見えました。


この日お昼をいただく メゾン・ド・ジル芦屋 は、阪神の芦屋駅から さらに南の芦屋川沿いにあります。
お店の対岸は松の茂る公園。
川の流れの向こうには 遠く海も臨めるロケーション。
阪神の線路の南側、とはいえ 芦屋川沿いのこのあたりは山側とはまた違った雰囲気の、上品な威容をたたえた街並みです。


国道から少し南に行くと 見覚えのある石塀が見えてきました。
門を入ると 建物の外観は少し変わっているようですが その空間が纏っている華やかさは昔のまま。
胸が昂まります。

お店の方はとてもやわらかな物腰。
予約の確認もスマートでした。

百合のステンドグラス 柱の神様の顔の彫刻に既視感をおぼえながら 
お店の奥の大きなお部屋に案内されます。

春の陽がやわらかに降り注ぐフロアの中央には  黄・紫・緑という大人な色あいの装花。
おのずと気分が華やぎます。


今日は、気心の知れたお友達どうしで集まった、特別な日。
ジルのスペシャリテが集められた7800円のコ―ス・ルーアンにしました。


グラスシャンパンは、ポル・ロシェ・レゼルヴ
繊細な泡。
グラスを近づけると花の香りが・・・。
明るくかわいい味わいの
これから始まる大切なお友達とのひとときの幕開けにふさわしいシャンパンです。


シェフからのご挨拶

鴨肉とフォアグラのテリーヌ
チーズのババロア
オニオンスープをかためたもの・・・


陶板の上に遅咲きの桜とともに配された、小品たち。
地味な外見からの予感を見事に裏切り、口の中で解き放たれる個性。
ひと口ひと口、変化が新鮮で これから奏でられるシェフのコンチェルトへの期待が一気に昂まりました。


カリフラワーのムース

カリフラワーの青くささと甘みが絶妙なバランスの、まん丸いムースが浸っているのは
無色透明な「トマトのしずく」。


とり貝、ほたて ブロッコリー 春野菜・・・のシャンパンゼリー寄せ

まず、色鮮やかで華やかな外見に魅了されます。
ひとつひとつの素材が「私を食べて!」と目いっぱいのポージングで主張しているかのようで。
「ビューティー・ページェント」。
まさにそんなことばがぴったりの、一品。

泡を抱いたガラスのお皿が、その潔い美しさを引き立たせています。

いただいてみると・・・。
「楽しい!」と思わずことばがこぼれました。
だって、ほんとに外見の華やかさそのままに ひとつひとつの素材の持ち味を濃厚に!濃厚に!感じるんですもの。
それをシャンパンのゼリーがうまくつながりを持たせて。
うどの苦みが素晴らしいアクセントで。
あ~!ぜっぴん!


この頃には最初にいただいたシャンパンがなくなりましたが
これから先の予定も考えて お水をいただくことにしました。

神戸ウオーター
いにしえの船乗りたちが神戸に寄港した折には こぞって汲みに行ったという云われある名水。

それを、お店の女性
「私たち総出で、朝から汲みに行ってきたんです」なんて 真顔でおっしゃるものだから
お友達、一瞬まじめに信じちゃったじゃないですか。

でも、お店の方お一人おひとりが
そんなお茶目な 懐にそっと入り込んでくるような親しげな雰囲気で接してくださるものだから
私たちの気分もいっそう楽しく・・・盛り上がって・・・


そして続く前菜は ロワールのホワイトアスパラガスに、オマール

繊維ののびやかな食感を感じる大きなアスパラガス。
あまくて、にがい。
そしてそれとは別物のあまみを抱いた、オマール。

ふたりの奏でるデュエットは
酸味のソースのさわやかさと コリアンダーの刺激的な でもかすかな余韻を伴奏に
まるでラヴェルのボレロのように
ふわりと豊かに 官能的に 響いていきます。


そして、めばるのポワレ
たけのこ こごみ ぜんまい ふき そらまめ

皮のパリッとした毅然さとうらはらに 
中の身の ああ もう少しで・・・!という一歩手前の あやうくも絶妙な身のほころび方に ただただ感動!

そして、もう盛りを迎えようとしている春がもたらした 輝かんばかりの生命力を、そのままいただく幸せ。


運ばれてきた次のお皿は
黒の和の香りのする陶皿にスタイリッシュな盛り付けの、黒毛和牛のランプ肉
外見は渋くて慎み深い印象なのに
いざ、食べてみると お肉の旨みが奔放に! 華やかに! 広がって・・・まさに、メインにふさわしい味わいでした。


お口直しの一品は、マンゴーとびわ マンゴーのムース ミントの軽い泡 が3つの層になっていました。
濃厚なマンゴーと、軽やかな軽やかな ミントの泡
味の、舌ざわりの、対比が楽しいです♪

ん?
立ち昇る気泡が印象的な、この細いガラスの器。
見たことがある!
そう、さっき芦屋の街を巡っていたときに見つけた、「スガハラ」のワイングラス?

お店の方に尋ねると、当たり!でした。

なんてうれしい偶然!
お~っ!と盛り上がる、私たち。


その盛り上がる気持ちを包み込むかのような味わいの
ジルのスペシャリテだという ミルフィーユ バニラ風味
ほの温かく 素朴で 優しい。

ミルフィーユは食べにくいから 親しくなっていない相手とのデートにはご法度、とはよく聞く話だけど
気心が知れたお友達とはそんなことも笑い話のネタになる。
楽しい 楽しい ひととき。


そして最後の飲み物と、小菓子
飲み物はコーヒー派とハーブティー派に分かれました。

小菓子は ガラスの板皿の上に。
カヌレ、ゼリー、マカロン、そしてフルーツほおずき

飲み物は白い器。
ハーブティーはカモミールとレモングラス。
消化促進の効能もあり、とのこと。
はい、おなかに「もうお終いですよ。」と優しく告げられて 宴は終わりとなりました。


明るい春の光の中
シェフからのご挨拶 から 幕引きまで まるでガラコンサートのように
ひとつひとつ、趣の 個性の違うお料理が続きました。

こちらのお店はフランスのお店の支店だということだけど
お料理にも 器にも 日本的なエッセンスをかなり感じます。
それはまさに「芦屋フレンチ」。
この街に この館に似合う、華やかで そして気品のあるフレンチでした。


そして、何よりもすばらしかったのが、おもてなし!
料理のサーブや説明のタイミングが秀逸なのはもちろんのこと
私たちが盛り上がってどんな話題を振っても しなやかにあたたかく返してくださって。

心地よい距離感。
そして、包容力。
気心が知れた大切なお友達との まさしく一期一会の想いで逢ったひとときを、
あたたかくささえていただきました。


ありがとう・・・!
いにしえの記憶同様、
この館に彩られた思い出を 
私はずっと忘れないでしょう。

  • シャンパンゼリー寄せ とり貝 ほたて 春野菜

  • グラスシャンパンはポル・ロシェ・レゼルヴ

  • シェフからのご挨拶

  • カリフラワーのムース トマトのしずくと共に

  • パン

  • 神戸ウォーター

  • ロワールのホワイトアスパラガスにオマール

  • めばるのポワレ 春野菜

  • 黒毛和牛のランプ肉

  • マンゴーとびわ  マンゴー ミントの軽い泡 スガハラのシャンパングラスで♪

  • メゾン・ド・ジルのスペシャリテ 温かいミルフィーユバニラ風味

  • エスプレッソ

  • ハーブティー

  • 小菓子 いちばん奥はフルーツほおずき

  • なんて粋な配色の装花

  • あの頃と変わらぬ石塀

2013/07/12 更新

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