ヤッソ800をやってみました。
ヤッソ800とはアメリカで生まれた変則インターバル走。
トレーニング効果のみならず、ある大きな利点があります。
それは、「フルマラソン完走タイム」が推定できること!
これがヤッソ800最大の特徴で、日本の雑誌に紹介された2010年くらいには
ランナーに大流行りしたようです。
ヤッソ800を使ったフルマラソン完走タイムの算出方法は簡単です。
フルマラソン目標タイムが3時間ちょうどなら、
800mを3分、続く400mを3分。
これを1セットとして10セット。合計12キロを1時間で走れればOK。
ちなみに800m3分は1キロ3分45秒、400m3分は同7分30秒ペースです。
インターバル走と考えると設定タイムはそこまで早くないですが、トータルの距離がかなりあるので成功可能性はギリギリな感じです。
スポーツクラブのトレッドミル(すごく早く動く歩道)で実践しました。
トレッドミルはタイムを設定でき、一周400mのトラックモードがあるので、ヤッソ800をするにはこれ以上ない環境でした。
アップをかねて緩走の400mから始めます。
・1本目 3:00
ベルトから落ちた恥ずかしさでランニングを辞める程の疲れを10とすると、
6程度の疲れ。序盤から思ったより辛いです。しかし、困ったことが。
緩走がゆっくり長くて、超気持ちいい!!
普通のインターバルよりもかなり長い距離を、ゆっくり走れます。
ダッシュの後の緩走で強制的に体力が回復してしまうんです。
ダッシュ直後は息も絶え絶えだったのが、緩走直後には昼飯後くらいの気分になってしまう。
女王様の飴と鞭、というヤツですね。
・2~5本目 3:00
ダッシュ800のうち後半の400は息が上がりますが、緩走での「強制回復」のため、辞めたくなる程辛くはありません。疲れは6から6.5にあがった程度。これは行けるかな、と思い始めます。
・6,7本目 3:00
足よりも心臓よりも、腰が痛くなってきます。体を支えるのが面倒くさい感じで、気分的に相当落ち込んで来ます。辞める理由を探している感じ。これを成功して日記のネタにしよう、という目標がなかったら、スピードダウンボタンを押していたでしょう。
・8,9本目 3:00
腰に加えて、足の裏、上腕が重くなります。さすがに緩走の「強制回復」をもってしても呼吸が整いません。しかし、キロ3分45秒は小学2年生の50m走程度。そこまで早くないので、無理すればなんとかいけそう。心拍数は190で気分は最悪ですが、僅かに余裕はありました。
・10本目
ラスト50mをなかったことにして、達成!
周りのランナーやインストラクターさんに聞こえるよう大袈裟に奇声をあげ、ガッツポーズをし、とどめにジムの自動ドアに一礼してルームを去りました。疲れは8.5程でしょうか。
◆まとめ
・ヤッソ800の主観的強度は、サブ3を目指した他の練習と比較すると、
5キロ全力>2キロインターバル×3>>10-15キロビルドアップ>ヤッソ
という感じ。一人でできない程辛い、という感じではないので、周回コース、トラック、そしてスポーツクラブが利用できる方にはよさそうです。他方、皇居や光が丘など一周が長くて混雑している人気のコースでやるのは危なそうですね。
・今の実力では平地での達成は絶対無理。トレミだからできただけ。平地と同じ強度になる傾斜数%をつけたトレミでも、絶対達成不可能。
・ビルドアップや全力走に比べ、できるだけ疲れない様に、できるだけ回復できるように自分の限界をコントロールするある種の「RPGゲーム感覚」があるので、辛かった印象よりも、面白かった印象が残る。腐ったパン一かけしかないトルネコになったつもりで頑張れる。全力を出し切る系の練習が苦手な自分には相性が良いと思った。