技術とともに光るセンス : Rooots Nakanoshima

大阪・中之島にあるイノベーティブフレンチ「Rooots Nakanoshima（ルーツ ナカノシマ）」

広島のモダンフレンチ「中土（NAKADO）」がつくったプレミアムレストラン。

広島では「The Tabelog Award 2024」Bronzeを受賞し、「食べログ フレンチ WEST 百名店」にも選ばれています。

オーナーシェフの中土征爾さんは、大阪の辻調理師専門学校を卒業後、さらに大学で栄養学を学び、和食やイタリアンを経て、フレンチの世界に入ったという異色の存在。

フランス、ブルゴーニュ地方の一つ星レストランで修業後、2014年に独立。2020年に自身の名前を冠した「中土（NAKADO）」をオープンしました。

広島の食材にこだわり「広島テロワールを感じられるレストラン」がコンセプト。

オープン1年目にして「ゴ･エ･ミヨ」に掲載されるなど、全国から訪れる人が絶えないレストランに。

「都会のハイグレードレストラン」を目指して、大阪に2023年12月1日、オープンしました。

大阪にて腕を振るわれるのは、イタリア歴11年の柿原健太シェフ。

「辻調理師専門学校(大阪校)」卒業後は大阪の都島にある【ダ・ウーゴ】にて修業、イタリアへ。帰国後は麻布十番【ピアット・スズキ】に7年ほど従事。その後は再びイタリアへ渡り、11年ほど研鑽を積まれ（イタリアラグーサの2つ星リストランテ「duomo」メイン料理長、クロアチア1つ星「Agli Amici Rovinj」スーシェフなど歴任）。
2024年7月から料理長に就任されました。

広島の食材はもちろんのこと、さらに、全国からの選りすぐりの旬の食材が使われます。

大阪に来たからには、優秀なレストランに行きたい、ですから、しっかり調べました。

友人とディナーにこちらへ。
「おまかせコース」メニューは、その季節に一番おいしい食材を使うお任せのコースのみ。

【乾杯】
「自家製柑橘スパークリングウォーター」
無農薬レモンなどを使った、爽やかなスパークリングウォーター。

【前菜】
「とうもろこしのムース、キャビア」
とうもろこしのムースにヨーグルトソース、キャビアをトッピング。とうもろこしの皮を使ったチュイールを添えて。
自然な甘さが、心地よい一皿です。

【前菜】
「おしゃれなたこ焼き」
デンマークのエーブルスキーバーという料理を模したもので、本来は甘いパンケーキ風の料理を大阪の「たこ焼き」をイメージした一品。ブイヤベースを使い生地を仕込み、炊いた蛸を中へ忍ばせています。上に乗せた赤いものはチョリソー（サラミ）のシート。
白いアイオリソース、青のりをイメージした「あおさ」をトッピング。
見たことあるような見た目に食べれば、絶品の楽しい一品。

【冷菜】
「冷製パスタ“カッペリーニ”」
冷製パスタ“カッペリーニに トマトのエキスのジュレ、秋田の蓴菜、ソミュール液でマリネした白エビ、芽葱をあしらって。
冷水できゅっと締めたコシのあるカッペリーニにトマトのジュレがぴったり。

【前菜】
「真鯒のマリネ」
マゴチはマリネにして、上に山葵の香りを移した泡をのせて。愛媛県産キャビアライムの果肉、広島の農家さんからの大葉のスプラウトを添えて。
涼し気なターコイズブルーのお皿に泳ぐようなマゴチ。ぷりっとした弾力のあるマゴチにしっかり山葵がきいた泡との絶妙な一体感。

【温菜】
「稚鮎のフリット」
稚鮎はさっくりとフリットにして。
２種類のソース・胡瓜のソース、鮎の塩辛のソースでいただきます。
広島からの春菊のスプラウトを添えて。
小さいながら、鮎の苦味や旨味たっぷり。

【スープ】
「鱧と茄子のスープ」
鱧の骨のお出汁と鱧のミンチで煮詰めて仕上げた優しいお味のコンソメスープに、火入れした鱧、揚げ出しのような茄子のマリネを合わせて。
生姜の香りを移したオイル梅のパウダー、花穂紫蘇を添えて、色鮮やかに。

【パスタ】
「ニョッキ、ウインタートリュフ」
北海道キタアカリを使ったニョッキに、トリュフ入りのバターソースを合わせて。
上から、パルジャミーノチーズをかけて、さらにカウンターにてウインタートリュフ（産地は南半球なので今、冬）を大量に削って。
もちもちニョッキにバターソースの美味しさに、たっぷりのトリュフで美味しさ倍増。

【自家製パン】
「ハーブのパン」
ふんわり柔らかくもっちりとしたハーブの香り高いパン。
「ライ麦のパン」
ハード系のパン。

「発酵バター」

【魚料理】
「甘鯛の鱗焼き」
甘鯛は、カリッと鱗をたたせて火入れ。海老出汁のソースアメリケーヌを合わせて。下には、根セロリのピュレ、枝豆のソテー、ミントオイルを添えて。
ソースは、パンで拭って。

【お口直し】
「サラダ」
広島にある農家さん、“やまのまんなかだ”から届く、マイクロベビーリーフのサラダ。ビネグレットドレッシングの泡、オリーブオイルのパウダーをトッピング。

【お肉料理】
「広島県安芸高田産の鹿肉ロースの炭火焼き」
安芸高田からの鹿肉ロースを表面は香ばしく、中しっとりと炭火焼きにして。
ソースは鹿のジュを煮詰めたソース。
添えには、牛蒡の中をくり抜いて、そこに牛蒡のピュレを入れ、牛蒡のフリットを合わせて。辛子水菜を添えて。
鹿は、ハンター（認められた4人のみ）で仕留められた鹿。

塩は、肉専門用の塩を添えて。
高知の製塩職人、田野屋塩二郎さんによる、お料理別に作られた塩だとか。

【ご飯】
「生ハム、 蟹と、お米のサラダ」
蟹出汁で炊いた蟹肉入りご飯に、サマートリュフ、バルサミコを加えて、さっぱりとした酢飯風に仕上げて。
スライサー界のフェラーリと言われるベルケルで極薄にスライスしたふわふわ！生ハムを添えて。
イタリアのお米のサラダの再構築。

微温のお米に、口溶けの良い生ハムの脂が溶け出してより美味しく。

生ハムは、こだわりのハムの生産者さん、鹿児島南州農場さんから。

【アヴァンデセール】
「エルダーフラワーのアイスクリーム」
香り高いエルダーフラワーを加えた、さっぱりとしたアイスクリーム。

【デザート】
「メロンのデセール」
メロンの果肉にはメロンの種の甘いエキスを浸透させて。ブラマンジェ（ミルクのムース）、メロンのグラニテ、クランブル、ホワイトバルサミコのカプセル、フェンネルの花をあしらって。
甘さ控えめのひんやりと清涼感ある仕上がり。

【食後の飲み物】
「紅茶」

【ミニャルディーズ】
「抹茶のトリュフチョコレート」
「焼きチョコレート」
「ブルッティマブォーニ」
Brutti は醜いの意味。buoniは美味しい。醜いけど美味。ノワゼットを使ったフランス地方ラベのマカロンみたい。

楽しかった、美味しかった！！次に何が出てくるかワクワクしました。
しかも、シェフのしっかりとしたイタリアンの技術を持ち合わせていらっしゃるので、イノベーティブといえど、頭で分かりやすく、印象に残る料理ばかりでした。

お皿は兵庫県の丹波篠山の市野雅彦さんの器など、どれも素晴らしいお皿、器を使われて魅力です。

優雅で、ホスピタリティに満ちた居心地の良いレストラン、また伺いたいです。

ちなみにワインもグランヴァンや希少なコレクションなど500本以上をそろえており、大きなウォークインセラーで選ぶこともできます。