【あべの・天王寺】懐かしのハヤシライスが美味い店

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】懐かしのハヤシライスが美味い店

空前のカレーブームの陰に隠れ、急速に各店のメニューから失われているハヤシライス。あべの・天王寺周辺で、ハヤシライスを用意しているお店を紹介します。ノスタルジックで優しい味わいのハヤシライス、久し振りに味わってみませんか?

更新日:2023/09/16 (2019/01/03作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる696の口コミを参考にまとめました。

絶滅危惧種?

 薄切り牛肉とタマネギをドミグラスソースとともに煮詰めてご飯に掛けたものがハヤシライス。西洋料理をもとに日本で変化した「洋食」のひとつで、洋食店やカレーショップでいただくことができます。
 「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス」といった名前が略され「ハッシ・ライス」や「ハイシ・ライス」となり、それが転化して「ハヤシライス」となったとされており、関西の古い洋食店では今も「ハイシライス」と表記されているところがあります。
 洋食店では軽食メニューのひとつとして、カレーショップでは辛い物が苦手な方の救済メニューとして用意している扱いで、陰の薄い存在であることは否めない。急速に各店のメニューから失われているような状況です。
 あべの・天王寺周辺で、このところ貴重な存在になってきたハヤシライスを用意しているお店を紹介します。ノスタルジックで優しい味わいのハヤシライス、久し振りに味わってみませんか?

カレーハウススパイシー アポロ店

カレーハウススパイシー アポロ店

 各線・天王寺駅、および近鉄南大阪線・大阪阿部野橋駅のすぐ近く。あべのアポロの地下、地下連絡通路からアポロビルに入ってすぐのところにあるカレーショップです。
 店内はカウンターが10数席と、申し訳のように据えられたテーブル席が1卓の合わせて20席足らずの狭小店です。

できれば定番にしてほしい復刻ハヤシライス

カレーハウススパイシー アポロ店

 期間限定で復刻されている「復刻ハヤシライス」(790円)は、丸い平皿の奥側にライスが盛られ、ハヤシソースが横掛けされています。
 ひと匙口に運ぶと、酸味は抑制的で甘みを強調した風合い。ソースにはたっぷりの牛肉が煮込まれていて、肉質は硬めだがお肉の旨みが充分。形の残る玉葱は適度な食感を残しているのがいい。

カレーハウススパイシー アポロ店

 ライスは結構硬めの炊きあがりだが、もちもちした食感で甘みがある。これはカレーやハヤシには最良です。ポットの福神漬けを添えればリッチな味わいになります。

プチ グリル マルヨシ 天王寺MIOプラザ店

プチ グリル マルヨシ 天王寺MIOプラザ店

 JR・天王寺駅の直上の複合ビル、天王寺ミオ・プラザ館の4階にある、阿倍野の洋食の老舗、グリルマルヨシの支店です。
 横長の店内にテーブル席が並ぶなか、レジ後ろに3席だけのカウンター席があり、合わせて20席ほど。

オムライス風のハヤシライス

プチ グリル マルヨシ 天王寺MIOプラザ店

 女性人気No.1という「たまハヤシ」(1,180円)ライスの上にトロトロ状の薄焼き玉子が被せられ、その横にたっぷりのハヤシソースが掛けられています。まずそのヴィジュアルに魅了される。
 ハヤシソースは濃厚なフォン・ド・ヴォーが織り成す重層的な味わい。酸味はあまり感じず、甘みを立たせた仕上がりで、添えられてるマスタードを混ぜ合わせると、キリっと味が締まります。

プチ グリル マルヨシ 天王寺MIOプラザ店

 玉子に隠れたライスは白ご飯。なのでこれはオムライスではなくてハヤシライスですね。両者のいいとこ取りといった感じです。
 このシンプルながらも奥深い味わいのハヤシソース…老舗洋食屋の実力を見せつけてくれます。

サンマルコ 近鉄あべのハルカス店

サンマルコ 近鉄あべのハルカス店

 近鉄大阪あべの橋駅直結、各線天王寺駅直近。あべのハルカス近鉄本店のウイング館B2F、いわゆるデパ地下・総菜売り場にあるカレー・ハヤシのテイクアウトのお店です。

デパ地下でテイクアウトできるハヤシライス

サンマルコ 近鉄あべのハルカス店

 サンマルコのカレーやハヤシのソースは紙パックに入っており、蓋を取って電子レンジで5分ほど温めると出来上がり。

サンマルコ 近鉄あべのハルカス店

 平皿にご飯を盛ってハヤシソースを横掛けしてみる。酸味の少ないソースで、ビーフの旨みと玉ねぎの甘味が主体の仕上がり…手堅い味わいです。
 思いのほかビーフもたっぷり入っていて、上質の風合い。お店でイートインができないのが残念なところです。
 ハルカスの南隣・岸本ビルにある「KYKかつ&カレー」に行けば、広いお店でゆったりと食べることができるのだが、ここではハヤシライスがメニューから落ちています。

グリル梵

グリル梵

 通天閣の足元からまっすぐ伸びる通天閣本通り少し進み、右側の路地を入ったところにある洋食店です。
 実にレトロな店内は、テーブル席が3卓と、4席ばかりのカウンター席があるだけの狭さ。実にレトロな味のある雰囲気です。

グリル梵

 ここの「ハイシビーフ」(1,890円)はハヤシライスのこと。10日間ほどじっくり煮込んだドミグラスソースは甘くて酸っぱい独特の風味。
 柔らかい薄切り牛ヒレ肉とシャキシャキ感の残る玉ねぎが絶妙な組み合わせです。

グリル梵

 ここの名物は「ヒレ・ビフカツサンド」(1,800円)です。
 カツの断面は美しいローズピンクになっている。若干の焼き目のついたパンはサクッとした歯ざわりで、中のカツは実に柔らかい。そして噛み締めると肉汁が溢れてくる。この店に来たならぜひ食べていただきたい逸品です。

日松亭

和洋食 日松亭

 地下鉄・動物園前駅、およびJR新今宮駅から南方向。飛田本通商店街(動物園前一番街商店街)をまっすぐ進み、新開筋商店街と交差する手前にある食堂です。
 昭和の面影が漂う店内は、テーブル席ばかりの30席ほど。マガジンラックには新聞や雑誌、テーブルに灰皿が置いてあるのも昭和です。

和洋食 日松亭

 「ハイシライス」(600円)は、楕円形のアルミ皿の片側にライスが盛られ、ハヤシソースが横掛けされています。ソースにグリーンピースが散らされているのがクラシカルですね。
 ソースには形の残る玉葱がたっぷりで、薄切り牛肉も少し顔を出しています。ひと匙口に運ぶとデミグラスソースの濃厚な風味が広がってきます。

和洋食 日松亭

 酸味は極めて抑制的で、コクを強調した風合い。お肉の量は少ないがそれは値段相応。玉葱は適度な食感を残し、グリーンピースは風味と食感のアクセントとなっています。
 昭和の時代から味も姿もそのまま残しているこの「ハイシライス」、スプーンが紙ナプキンで巻かれているのも昭和のスタイルです。「ハヤシ」ではなく「ハイシ」と称しているのは関西らしいところです。

ヤドカリー あべのHoop店

ヤドカリー あべのHoop店

 「あべのHOOP」の地下1階フードコート「Hoop Dining Court」にある、本格スパイスカレーと自家製クラフトコーラを主題にしたお店です。
 ここは全部で400席を持つ大規模なフードコートながら、この店専用のカウンター席が5席ほどあり、ひとりでも落ち着いて食事を楽しむことができます。

スパイシーなハヤシライス

ヤドカリー あべのHoop店

 「ハヤシライス」(930円)は、丸い平皿にドライのハーブが散らされたライスが平らに盛られ、ハヤシソースが横掛けされています。立ち上がってくる香りはなんだかスパイシーです。
 ひと匙を口に運ぶとその香りに反してトマトの酸味とともに甘さが広がりました。これは玉ねぎの甘みかな?ソースはややシャバシャバな風合いで、スパイスのシードが混ぜ込まれていて、プチプチとした食感が楽しめます。

ヤドカリー あべのHoop店

 ソースにはたっぷりのシメジが混ぜ込まれていて、その独特の食感が楽しい。また、大きなバラ肉がゴロンと転がっていて、柔らかく煮込まれていて味わい深いですね。
 添えられてる薬味は福神漬と搾菜をピクルスにしたものです。

※本記事は、2023/09/16に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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