【医食同源・食文化の最先端ガストロノミー」環境と人と牛さんと食材に優しいフランス料理】 : Ysm

外苑前“イズム”・料理乳酸菌が日本の食文化に革新をもたらす・食の原点を大切にしたガストロノミー。がコンセプト。

オーナーが発見した特殊な乳酸菌“アンティ・ムッファ株”により育てられた【アンティ・ムッファ牛】は、ストレスフリーな環境で育てられている為、最も自然で健康体な牛。その牛を食す事は、健康につながる食を創る『医食同源』に通ずる「Ysm」ならではの“自然の恵み”を堪能できる。ということらしいです。
私もストレスフリーの環境でお仕事がしたい、生活がしたい。と思いました。

ランチは「おまかせランチコース」7品をお願いしました。～メインの乳酸菌飼料で育った健康な牛をはじめ、北海道の漁港から直送される魚介や、農家から届いた野菜たちに感謝と敬意をもって構築したコース～。

☆カトラリーが素敵、スイスのデザイナーによるメイドインジャパン“ソール”器はほとんど、有田焼“かまちの器”。ときどき“リモージュ”

【ドリンク】
「デュクドウモンタージュ・ノンアルコール」
葡萄の果汁をアルコール発酵せず、ジュースにしたもの。

【アミューズグール】
「透明なポテトチップス 透明なポテチ　小石」
お皿に敷き詰められた黒石の上、クリスタルガラスのような「ポテトチップ」、飴細工のような見た目ですが、セルヴールさんの解説では“ジャガイモのでんぷんを抽出して作ったスケルトンポテチ。上には「とんぶり」が載って食べてみると、ポテチの食感に、とんぶりの塩気がほんのりする食べ物です。そして。黒石に見せていたのは実は「ピーナッツ」、まわりを炭の生地をコーテイングして黒石に変身させた粋な演出。

【アミューズ前菜】
「かぼちゃのエスプーマ、セップ茸のヴルーテ・セップ茸　コンソメ　バターナッツ　カカオ」
器の中には底に“牛だしのコンソメジュレ”、真ん中に”甘いかぼちゃのエスプーマ”これにえ冷製ポタージュのような“フランス産セップ茸のヴルーテ”、トップに“はちみつの香りを付けたかぼちゃのピュレとカカオの粒をのせたパートブリック”。

なめらかなセップ茸の旨みが溶けたヴルーテとかぼちゃの甘味が合わさる絶妙なフレーバー。下に敷かれたコンソメゼリーには牛肉のジュを使っていてインパクトある濃厚さ。

【大地の恵み】
「クリュディテ・マルシェの有機野菜のティエド　リードヴォー　発酵ミルク」
１０種の有機野菜、冷えと熱さの間の生ぬるい感じ“テイエド”を意識した盛り合わせ。素材のエネルギーをダイレクトに感じるため、時間や温度など計算して調理。赤の水菜、ペンタスの花、セルフィーユ等のハーブをあしらって、レモンの香るタピオカからできた“マルトセック”というパウダーでデコレ。ソースはテーブルであとのせ、発酵ミルクのソース（チーズを発酵させる途中で止めたミルク）、味付けはとオリーブオイルと塩胡椒のみ。
お野菜をよけると隠れていた“乳のみ仔牛の胸腺リードヴォー”のフリット。

花畑のように色鮮やかなお野菜達は、素材の質が全て高いだけでなく、食感も味付けも異なり、手間暇をしっかりかけている事がわかります。

【パン】
「ブリオッシュ」
珍しい。ブリオッシュの甘いやさしさに、牛乳パンのような深みが加わった美味しさ。
『ライ麦のカンパーニュ』
酸味が強くないタイプ。ライ麦が芳ばしくふっかふか。薄いクラストも軽快。
表参道のパン屋さんに特別焼いてもらっているものだとか。二人で「あそこかしら？」「あそこかもよ」の大論争。

【メイン・魚】
「江戸前カマスのポアレ・カマスのポワレ　レンコン　ネギ　フロマージュブルー」
皮目を意識して焼き上げたカマス、トップには食感のコントラストとして“レンコンのフリットとネギのフリット”、周りには“絵具”のイメージで“菜の花のピュレと菜の花のパウダー”、ゆり根、をあしらっています。
ソースは“ブルーチーズのソース”エシャロット、白ワイン、ベルガモットを煮詰め、クリームを入れてパセリのオイルをにじませ、ふんわりとトッピング。

江戸前カマスは皮目をしっかりと焼き切って香ばしくぱりぱりとした食感。身の部分は柔らかく、しっとりです。上に葱のフリットが目を見張るビジュアル、食感の対比を感じさせつつ、それ以上にインパクトのある味のブルーチーズ入りのソースとパセリのオイル。ヘビー級濃厚ブルーチーズの独特の香りとまろやか味わいが、白身のお魚に合います。

【メイン・肉】
「牛スネ肉の煮込み・アンティムッファ牛すね肉　じゃが芋　トリュフ」
乳酸菌「アンティムッファ株」乳酸発酵させた安心な餌・飼料を食べて、ストレスのない広い環境で育った健康な牛のすね肉の煮込み。下には、出来立てなめらかなじゃがいものピューレ、ソースは牛肉のエキス、マデラ酒にトリュフ、フォンドヴォーを加えたもの。

火を入れては休ませて、を繰り返し時間をかけることで、重厚感のある味わいに。ラギオールもいらない！ほどホロリとした柔らかな食感にして、普段料理からまったく隔絶した料理に。甘味、酸味、苦み、コクのバランスが取れていて絶品のソースは、“１０日間以上煮込まれた”手間暇かかっています。褐色の超リッチな味わいのソースにホロホロの牛すね肉は思わず笑顔がこぼれます。

【デザート】
「フレッシュいちごとクレームパティシエール・苺　パティシエール　ショコラブラン　ヴァンショー」
季節の素材を使った苺のデザート。苺とヨーグルトのソルベ。上には２種「ココナッツ」「ベリー」のステイック状のメレンゲ。周りには「ラズベリーとタピオカとホワイトショコラのクランブル」が散りばめられていました。
ソースは冷たいクレームパティシエールと、アツアツの「ホットワインのカクテル“ばんしょう”にシナモンやスターアニスを加えたもの」の二層。合わさると見事なマーブル模様に変化。

ソースを目の前でかけてくれて、ゆっくりマーブル状に溶けて行くのを見るのも楽しい。ホワイトチョコのフレークに甘い香りの苺のピンク色の色合いも綺麗。香りの苺。メレンゲも空気の含ませ方が素晴らしくとても軽く、クレームパティシエールは軽め緩めでアングレーズソースのよう。濃厚なヨーグルトソルベと組み合わせる事で、リッチな味わい。冷えたソースと温かいホットワインのコントラストを愉しめるデザートは、このお店の象徴的な一品なような気がしました。

【コーヒー又は紅茶、ハーブテイ、または静岡の番茶】
「珈琲」
淹れたて、苦みがなくおいしかった。

【ミニャルディーズ】
『かぼちゃとレモンのマドレーヌ』
生地にはアーモンドの代わりにかぼちゃのパウダーを使用し、刻んだレモンの皮と一緒に焼いています。ブランデーシロップが効いているのが一番の特長。一晩しみこませて寝かせ、しっとりしています。ほのかに広がっていく香りに、うっとり。


“食の安全と喜び”というワークショップのようなご説明とお料理の数々、オーナーさんの思いが伝わってきました。これは真面目な楽し美味しいイベントでした。
オーナーの内藤善夫氏が追求した「乳酸菌発酵飼料」で育つ牛肉をはじめ、生産者や料理人の想いが詰まった食材、こだわりの野菜を使った独創性と才気あふれるお料理。うっとりするほど美しい盛り付け。さらには、プレゼンテーションとセルヴールさんのホスピタリティに感動させてくれるお店でした。