札幌にこんなレベルの高い讃岐うどんがあったとは驚き！ : 手打ちうどん寺屋

札幌に来たのがいつ以来かということを紐解くには、食べログの「行ったお店」の検索機能が便利です。
私は、訪問日については、行ったことがあることの記録を目的にした「思い出しレビュー」として簡素なレビューに留めているお店を除いて正確に記録していますので、指定したエリアで検索されたお店をいつ訪問したががはっきり分かります。
もちろん、手帳にも記録がありますが、今回、調べてみたところ、前回の札幌訪問は、2019年(令和元年)7月中旬であることが分かりました。
節目の還暦を迎える直前の時期ということになります。
その時は、まだ前の職場で働いており、その時利用した飲食店のレビューを見ると、札幌での外部会議への出席が目的の出張と書いてあります。
因みにその出張の時は、札幌の後、帯広まで移動して帯広での仕事も組み込まれており、2泊3日の出張だったみたいです。
レビューを読むと、その時の背景事業等も分かって懐かしいですね。
こういうのも私なりの食べログとの付き合い方なんだろうと思いますので、私のレビューを見て食べ物の話し以外を書くなと思われる方もいるかもしれませんが、そこは是非寛大に見ていただければと思います。

今回の3年3か月振りの札幌は、出張ではなく完全プライベートですので、気が楽です。
その第一の目的としたのがうどんEAST百名店巡りで、札幌市内には該当店が2店舗あるので、その両方を攻略する計画としました。

その大きなハードルとなって立ちはだかるのは、うどん百名店は個店が多いが故に営業が不安定なこと。
これは札幌に限らず全体に言えることですが、わざわざ札幌まで出掛けて休業では目も当てられませんからね。
とは言え、割安の航空券を確保しようと思うと、早い段階で日程は確定しなければならないので、そこはある程度運を天に任せる必要があります。

それでも、日程を決めて、その日が近づいた段階で訪問予定の2店は事前に電話連絡して営業状況を確認しました。
すると、当初初日に訪れようと考えていた西18丁目の「かれーうどん 椿」が当該日を含む数日間臨時休業であることが判明。
まさに転ばぬ先の杖が機能した瞬間です。
幸い、翌日の営業は確認できたので、当初の予定をひっくり返して、当初2日目に予定していた当店が初日のターゲットとなりました。

当店は、2002年に札幌市東区にオープンしたお店ですので、今年は創業20年のキリの良い年になりますが、2008年12月に現在地に移転していますので、こちらの場所では間もなく丸14年ということになります。

店主の寺井嘉朗さんは、元々香川県東香川市のご出身です。
大学卒業後は、東京・恵比寿の有名和食店「吉住」での修業を経て、地元へ戻り、高松市のうどん名店「手打うどん はりや」のほか2店でうどん作りを徹底的に学び、その経験を踏まえて前記の通り2002年に奥さんの実家に近い札幌での独立に至りました。

2017年にはミシュラン・ビブグルマンにも選ばれており、食べログうどん百名店も2017から連続して選ばれています。

当店の場所は札幌市営地下鉄・琴似駅から一本道で1kmちょっと。
徒歩で15分程度の場所にあります。
この日は昼過ぎに札幌入りしてすぐに当店を目指しましたが、到着したのは13時半近くになっていました。
さすがに店頭に行列などはありませんでしたが、かなり遅いランチタイムだったにも関わらず店内レジ横に置かれているウェイティングリストには待ちの客がおり、よく見ると店内の待ち椅子に6名くらいが待っていました。
私も名前を書いて後に続きます。
店員さんがメニューを持ってきてくれますので、それを見ながら待つことにします。
メニューは洗練された讃岐うどんという感じで、基本は讃岐うどんのメニューを踏襲しつつも、つけめんやカレーうどんなどの人気メニューを取り入れるなど、アレンジ気質も垣間見えますね。
ただ、お値段は、讃岐うどんを念頭に置くとかなり高い感じは否めません。
暫くして店員さんが注文を取りにきましたので、かき揚げうどん@950円を注文しました。

ちょうど客の回転の良い時期に当たっていたみたいで、注文を終えたら2分かからずに席に誘導してくれました。
客席はカウンター席が6席とテーブル席が16席の計22席で、私はカウンター席へ案内されました。

カウンター向こうが厨房になっているので、調理の様子がよく見えますが、うどんは生麺から茹で上げて、温かいうどんでも1回冷水で締めています。
なので、提供まで結構時間を要し、着席してから注文の品が運ばれてくるまで14分ほど要しました。

かき揚げうどんは、いわゆる素うどんとかき揚げが別皿で提供されます。
まず驚いたのはかき揚げがとてもデカいこと。
そして、見た目の大きさもさることながら、海老もたっぷり入っているとても充実したかき揚げです。
もちろん揚げたてのサクサク感もあってとても美味しいです。

うどんもさすが讃岐の数店で修業されただけのことはあって、滑りけのある食感、絶妙のコシとモチモチ感など、讃岐うどんの長所を存分に味わうことの出来る麺です。
いりこ出汁のしっかり効いているダシも美味しかったですし、全体にとてもレベルの高い讃岐うどんに仕上がっています。

お値段はかなり強気と思ったのですが、クオリティを伴っているので、食べた後はそれほど割高感は感じませんでした。

正直、札幌でこのレベルの讃岐うどんに出会えるとは思っていなかったので感動が大きいですね。
この日は14時近くまで在店したのですが、最後まで客足は途絶えることなく絶えず待ち客がいましたので、大繁盛店と言ってもいいでしょう。

今回の札幌1泊2日の食べ歩きの旅も絶好のスタートとなりました。