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光輝く脂身を纏ったさばの醍醐味。
日本人よりも外国人が多かった狸小路は不気味なほど人影が疎らで、歩いているほうが危険なのか、と錯覚するほどだ。
怪しい集団や凶暴な獣が徘徊しているわけではない。
だからこそ、不安という人間の特権が大仰に頭をもたげ、どこもかしこも活気などあろうはずもなく、街がいっきに老け込んだかのようだ。
見えないものへの警戒心を抱きながら、狸小路商店街を歩み続けた。
ランチやテイクアウトの居酒屋が目につき始めていた。
さらに奥へ歩むと、魚の定食を謳う店のランチメニューに心惹かれた。
外食に依存する者にとって、昼時の定食スタイルは束の間の擬似家族の温もりを感じる貴重な機会だ。
店内は、まさに昼時にもかかわらず閑散としていた。
4種類のランチメニューの中でも、「さばがメインの日替り魚定食」は入店前から揺るぎない。
お店のスタッフと客の愚痴めいた会話に、心の中で肯いていると、大きな白い皿が運ばれてきた。
濃褐色の衣装を纏った大きなさばに息を飲んだ。
ご飯の量も大きなさばに歩調を合わせていた。
焼き魚と向かう作業に焦燥感は排除しなければならない。
頭の先の骨を揉み砕くように箸で突き、そこから丁寧に背骨を身から分離する。
そして、油で光った身と醤油の乗った大根おろしを交合させて噛み締める。
不思議だ。
噛み締めるほどに、不安も虚無も消えてゆく。
日を追う毎に、ひしひしと自らを粛清する奇妙な行事が可視化していくこの国の従順性と協調性は、おそらく世界でも稀かもしれない。
否、むしろ近代民主主義という機能は、歴史の堆積からすればほんの束の間の花火で、ウイルスよりも粛清に怯える新たな分断の断崖に立たされているのかもしれない。
だが、それに立ち向かう希望が、さばの身に乗っているではないか。
突き返された現実に弾き返されても、さばの名残りは小さな希望だ。
焼き魚を美しく食べ尽くす、その流儀も完了し食後のコーヒーをいただく。
困難な時ほど、辛苦の時ほど、美味を求めよ。
それは人生の中の、些細で偉大な醍醐味であることを教えてくれた。
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Geric
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「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら
店名 |
手料理 うみ野
|
---|---|
ジャンル | 日本料理、海鮮、居酒屋 |
予約・ お問い合わせ |
011-231-3368 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
大通駅から約徒歩5分・すすきの駅から約徒歩5分 資生館小学校前駅から180m |
営業時間 |
|
予算 |
¥2,000~¥2,999 ~¥999 |
予算(口コミ集計) |
¥3,000~¥3,999
~¥999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
サービス料・ チャージ |
お通し500円 |
席数 |
35席 (カウンター8席、テーブル27席) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
可 (20人以下可) |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可
2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり |
コース | 飲み放題 |
---|---|
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる |
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
オープン日 |
2011年4月2日 |
備考 |
ご予約は当日OK、但し4名様以上は前日までにご連絡ください。 |
お店のPR |
明るく楽しい店主のおもてなし。
店主自らが選んだこだわりの食材を贅沢に使い、一つひとつ丁寧に仕上げた手料理がリーズナブルに味わえます。お洒落な店内で幸せのひとときを。 アットホームな雰囲気も魅力の一つ。明るく楽しい店主がおもてなし致します。 |
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秋の深淵のほどに雪の憂鬱を想う。
突如として襲いかかる白い世界を目前に、何か北海道らしい美味を求めた。
長引く緊急事態宣言のせいで休業する店が広がる中で、北海道らしさに出逢えるのはジンギスカンばかりだった。
違う、違うと自らに言い聞かせる。
歩き慣れた街なのに、まるで漂泊者のようだ。
それも嫌いではないのだが、過ぎゆく時への焦燥に背中を押された。
赤いのぼりが微風に揺らめていた。
以前に訪れたことのある店がランチを告知していた。
4つのランチメニューが並ぶ看板の中で、「ほっけがメインの日替り魚定食」に心奪われた。
中に入ると、点在する客が穏やかに食事をしていた。
『こちらの席へどうぞ」
柔和な女性スタッフに誘導された。
メニュー表を確認することもなく、お茶が運ばれてくるなり「ほっけがメインの日替り魚定食」を口走ると、女性スタッフの「何にいたしますか?」という質問に被ってしまった。
おそらく、久方ぶりに出逢うホッケに何か別格の称号を与えてはいないだろうか?
これまでの食歴からして、北海道以外で食したホッケは、北海道で食するとホッケではなくなる。
一度でも北海道のホッケと向い合えば、その相違は瞭然なのだ。
皿からはみ出した巨大なホッケを凝視した。
別格の称号は、言わずもがな瞭然と主張する。
骨を一気に取り除き、顕になった身から揺蕩うあえかな湯気に魅せされた。
まずは身そのものを確かめた。
脂の乗りは申し分なく、ご飯を否応なく催促した。
ホッケは、骨以外は残さないことを信条している。
もっぱら身はそのまま食しつつ、皮は醤油をまぶした大根おろしでいただく。
骨と皮、頭部に残った身も見逃すまい。
ある種ホッケを食することは集中力を要する。
つまり格闘のようなものだ。
そうして、最後は身が残っていないかどうか全体を点呼するのだ。
完食後にお茶をお代わりした。
茶碗を持ち上げる指にホッケの身の薫りが染み込んでいることに気づくことも、常套のスタイルである。
紙ナプキンでしっかりと拭き取ると、ホッケとの格闘に終止符を打つことになる。
すると、ある感覚が襲いかかった。
満足のゆく食後感?
格闘の末の疲労感?
いずれにしても、この季節のホッケを自分の流儀で完了したことは揺るぎない…