程よい量の惣菜朝食 : 紫翠亭

席に就くとご飯と味噌汁の他はセティングされていました。

・小鉢群…ひじき煮、切干大根煮、松前漬け風、昆布じゃこふりかけ。
これらのみでご飯二膳はいただけそうです。寝起きは唾液の分泌が滞るので潤いのある煮物は有難いものです。そうは言ってもお櫃のご飯を食べ尽くす勢いは無いので、もったいぶらずにこれのみを口に運んで最小公倍数を目指します。ふりかけは売店にて販売していそうな品です。

・温玉
出汁が利いて美味です。それにしてもコロナ禍以降どちら様に於いても生卵は目にしていないような気がします。

・焼き鮭
甘塩です。ご飯の友が他にたくさんあるので切身の薄さは助かります。冷めてもおいしいしゃけです。

・サラダ
ポテトサラダを伴いパプリカやロマネスコを含む彩り豊かなサラダです。和風ドレッシングなのでさっぱりといただけます。

・舞茸バター焼きレモン塩
舞茸は根(軸)が旨いのです。そのことを踏まえてらっしゃるこちら様の提供です。仲居さんからときどき返してくださいとの指南があります。白舞茸は陶板の浸らないところへ置きます。黒舞茸からは黒い汁が染み出ます。それは吸収と蒸発を繰り返して茸に戻ります。汁気が無くなった頃合いが食べ頃です。レモン塩がとてもよく合います。傘より軸にウマミがあるのです。舞茸に開眼させてくれる素晴らしい一品です。エクセレントです！

・味噌けんちん汁
具だくさんの根菜汁です。ほぼけんちんながら味噌仕立てなので寝起きに効きます。量は見た目ほどには感じられません。軽くお腹に収まります。

・ご飯
無論おいしいです。お櫃での提供です。

・沢庵 調味梅干し 野沢菜
過ぎた量販品ではなく安心していただきました。

・ヨーグルトジャムグラノーラ
シリアルはふやけさせたい派ですので、そのようなグラノーラに違和はありません。


総合☆２．７
ご馳走様です。美味しゅう御座いました。

コロナ禍に麻痺しつつある世相とはいえ、
個室での提供は安心出来て本当に有難いことです。

・先付
　胡麻豆腐　特性胡麻クリーム 土筆 百合根
粘って美味な胡麻豆腐です。胡麻クリームが濃厚でさらに脇をかためます。

・前菜　春の彩り前菜
筍木の芽和え 芹浸し節 梅水晶 蛍烏賊沖漬け
木の芽の和え衣は穏やかです。沖漬けにクセはありません。芹はもう少し香りが欲しいところです。梅水晶？なのでしょうか？軟骨がとろけてコリコリでは無くねっとりとした面白い食感です。

・造り
　鮪 サーモン 帆立 甘海老 妻一式
はまぼうふう 芽紫蘇
限りなく生サーモンを感じました。そのような物はあり得無いので冷凍なのですがとても美味です。鮪もまた中とろと赤身です。厚切りで食べ応えがあり贅沢な味わいです。ドリップも筋もありません。帆立はレモンスライスで軽く〆られます。ご飯と併せてミニ海鮮丼にしたいほど程充実していたのは特筆したいと思います。

・焼物　鰆西京焼き 焼き野菜
　じゃがいも 南瓜 ミモザ卵
この陶板焼きは着席時に出来上がっていました。身割れしやすい鰆を西京漬けにするのは定石です。水分が抜けて締まった食感です。とは言えミモザソース(勝手に命名)の主張が強くて鰆の存在感は希薄なのが残念です。

・煮物
　湯葉包み煮 海老 花びら真薯
フィリングはもち米のように感じました。遅れて出てきた凌ぎと言った印象です。

・台物　上州牛しゃぶ鍋
　白菜 長葱 水菜 葛切り えのき しめじ
野菜と肉のバランスが良いですね。煮立ったら野菜をすべて入れてくださいと案内されたものの、固形燃料は最小限に抑えたいので煮立つ前に野菜を入れました。その後煮立ててしゃぶしゃぶは十分堪能しました。この上州牛は赤身でしたのでぽん酢がおいしく感じられます。

・酢物
　もずく酢 落とし芋
ここで酢の物とはまるで洋食のグラニテの如くです。日本海のもずくではありませんでした。

・お椀　赤出汁
　桜海老 あおさ海苔 湯葉
春らしい椀です。

・食事　利根町産こしひかり
寄らば大樹の陰、今は沼田市ながら当地は元利根町です。アイデンティティを手放しませんよう応援したいと思います。

・香の物　旬の漬物三種
牛蒡 柴漬け 小茄子

デザート
　焙じ茶プリン りんごのワイン煮 苺 豆羹 さつまいも茶巾


チェックインの際に、夕食での飲み物の希望を訊かれました。
事前に申し出ると滞らない旨の説明を受けました。たしかに着席してから注文した飲み物提供にはだいぶタイムラグがあります。そのことは指摘するまでもありません。フレンドリー且つ丁重な対応の仲居さんには感謝の気持ちを贈ります。


総合☆２．７
ご馳走様です。
美味しゅうございました。