佐世保の老舗デパートのソウルフード : ラビアンローズ

以前『秘密のケンミンSHOW』で取り上げられてた佐世保市の老舗デパート『玉屋』さんのサンドイッチ、ご覧になられた方々、特に昭和世代なら

〝うわーっ、食べてみたいなあ〟

なんて、少なからず想われたはず。

かつてレビューも何件か上げとりますように、拙宅から佐世保って行けなくもないんだけど、遠いっちゃ遠いし、例えば『ハウステンボス』まで下道で行くと言ったら、誰も付き合ってくれないぐらい時間が掛かりますからね。

って、その『秘密のケンミンSHOW』の前か後かは失念しましたが、そんな佐世保市『玉屋』さんのサンドイッチの支店が、福岡市内にあるんだそう。

となると話は早い、そこに行けばいいだけの話なんだけど、なんせ場所が、

〝ゲっ！ 浄水通やん〟

と、他県の方、特に本州の方はご存知ないかもしれませんが、福岡市屈指の高級住宅地、浄水通 ⁉︎

東京で言うなら田園調布や成城、関西で言うなら芦屋六麓荘かな？

いや、さすがにあすこまでの高級さはないけれど、そんな浄水通の一等地、その名を冠する交差点がある所。

〝職務質問されるんやなかろうか？〟

ご存知『警察24時』じゃないけど、新人警官がベテランに急にパトカーを停めるよう言われ、街に似つかわしくない車と風体のワタシなんか、職質の格好の餌食になるんじゃないか？と。

単なる風邪薬を麻薬だと間違えられ、挙動不審で一晩ブタ箱にブチ込まれるんじゃなかろうか？と。

って、別にワタシだって善良な一市民なんだけど、誰だって痛くもない腹を探られたくはないですからね。

それに、もちろんワタシだって何回も行ったことはあるんだけど、行く度に自分が居る場所じゃない、少なくとも似つかわしくない高級住宅地なことは既知してるから、できることなら行きたくない。

若いんならともかく、ある程度の歳をとると、人って自分が手に取るように分かってくるから、居心地のいい場所が分かりはじめ、いずれ高級住宅地に住みたいなんて想わなくなり、ワタシなんて例え宝くじに当たろうとも今の住み処、あるいは似た地域、福博なら美野島ぐらいがちょうどいい（って、美野島ご在住の皆さん、同じ穴の狢にして面目ない）

あるいは井尻、雑餉隈とか（重ねて、とにかく皆さんに謝っときます）

浄水通によくある高い壁に囲まれた、あの『ビッグモーター』の社長の邸宅ばかりの街って、ただ居るだけで息が詰まっちゃうんです。

それよりは年に一度ぐらい通称『な？おじさん』が、女子高生の黄色い声を浴びてる街の方が、まだマシなんですよね？

って、そうは言っても行かなきゃ事は始まらないから、思いきって行くと、まさに浄水通交差点カド、山荘方面へ下りる方に曲がってすぐの側道に専用駐車場もあり、やはり奥には『ビッグモーター』社長宅みたいな豪邸もありましたが、同店があるのは何軒か共同テナントがある、有りがちな建物ですから、そこまで構えなくてもいい感じでした。

とはいえ、建物の造りは多少コダワリがあり、街並みに合ってるところは、さすが浄水通って感じがしましたけどね。

〝ガーン！？〟

そうして、ようやく暖簾をくぐろうとしたら、写真にあるように出入口に、

》 博多阪急出店の為、休業とさせて頂きます

との貼り紙が？

もしかしたらインスタに書いてあったのかもしれないけど、相変わらず思い立ったらのワタシだし、博多阪急まで行っても良かったものの、まあ、また来りゃいいやとなりました。

って、同じ轍を踏まないよう皆さんは予めチェックされてから行かれた方が無難でしょう、イベント出店など多いようですからね。

で、１ヶ月半後ぐらいに再訪、むろん今度は事前にインスタもチェックしておきました。

店内は古い洋菓子店っぽい雰囲気で、またもや、そこまで構える必要もないような気もしましたね。

サンプルだけショーケース内に並べておられるのか、それで全てなのか定かではなかったものの、いくぶん寂しい見栄えだったのも事実です。

むろん目的は『玉屋のサンドイッチ』だったんで買いましたが、スウィートポテトも美味しそうだったんで、追加購入しちゃいました。

① 玉屋のサンドイッチ ￥800

② スウィートポテト（さつま芋＆紅芋） ￥290

①は、とにかく入ってるマヨネーズが美味い ♡

甘いというか、甘酸っぱい、なんとも説明しがたい味わいで、このマヨなら何でも美味くなるんじゃないのかって思わせてくれるほど。

甘いんだけど、決してシツコくなく、優しい、ユルい感じでしょうか？

パン生地は１㎝にも満たないぐらいなペナッペナな薄さなんだけど、だからこそ厭味がなく、ペロっと一口で食べられるでしょう。

具材はハム、トマト、レタスとシンプルすぎるぐらいシンプルな、あくまで昭和なメンツなものの、各々ペナペナな薄さで主張してこないから、一体化して喉もとを滑り落ちてゆくはず。

ですから軽い食感で、まるでお茶うけみたいにパクパク食べられ、気付けばあっという間になくなってたりする。

ってまあ、あくまで昭和なイニシエ系のサンドイッチですが、ちょっと有りそうで無い味だから、唯一無二の味として、佐世保のソウルフード的な座に君臨してるんでしょう。

あえて悪く言えば、マヨネーズが勝ちすぎてることと、やっぱお値段かな？

とはいえ、やはり絶品だと思います。

②は、スウィート・ポテトとクッキーの中間ぐらいの香ばしさですが、その代わり甘さは控えめ。

逆に、品がいいとも言えるでしょう。

紅芋の方が深い甘さだけど、一般的な甘さで言えば、さつま芋の方が上かもしれません。

それだけ、凝縮された甘さなんです。

たまにジョリっとしたカタさがあり、芋が擦り潰されてないプリミティブな食感かと思いきや、皮の端っこの部分の香ばしさに過ぎませんでした。

紅芋の方はなかったんで、やはり芋の種類だけで、そんなとこまで違うのかと、ちょっと驚きましたけどね。

このスウィート・ポテトも、サンドと同様お茶うけなんで、言うまでもなくお持たせにもピッタリでしょう。

ですが、浄水通の邸宅にお招ばれしたときには、もっとゴージャスな手土産じゃないと足もと見られちゃうのかもしれませんね？

って、このサンドを嘲笑する輩とは、いくら金持ちでも仲良くなりたいとは思いませんけど。

いや、その前に向こうからドブ育ちのワタシなんてお断りなんでしょうが。


● 個人的 食べログ 評価点・・・4.2