Restaurant name |
掲載保留Ichiriki(Ichiriki)
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Categories | Ramen |
Address |
東京都台東区谷中7-18-13 |
Transportation |
260 meters from Nippori. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted |
Number of seats |
13 Seats ( カウンター5席、テーブル2卓×4席) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
Smoking establishment Please check with the restaurant before visiting as the law regarding passive smoking countermeasures (revised Health Promotion Law) has been in effect since April 1, 2020 and may differ from the latest information. |
Parking lot |
not allowed |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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The opening day |
.. |
あの感動をもう一度、と、十数年ぶりにここの扉を開いた。
その当時はいくつかの麺メニューがあったが、現在はラーメンと餃子のみ。
おじちゃんも4年前に他界したといい、おばちゃんが一人。
たまたま先客もなく、おばちゃんはホールの椅子に座っていた。
コートを脱ぎつつ、ラーメンと餃子をオーダーする。
カウンター席に腰をおろすと目の前に撮影禁止のマークが貼ってある。
以前来た時にはなかったと思うが、『インターネットなんて私は分からないんだけどお客さんに色々勝手なこと書かれてるみたいでアタマに来るのよね。だからそうしてるの。』とおばちゃん。
というわけで今回写真は外観のみなのだが、このレビューとておばちゃんにしてみたらその”勝手なこと”に他ならないので申し訳ないとは思うけれども、これはこのお店に対する私の愛だと、魅力を伝えたいんだと、自分勝手な解釈で書くことにした。おばちゃん、ゴメン。
おばちゃんはスムーズに手を動かしながらも色々と話しかけてくれ、お客を飽きさせない。
お喋りしながらでも殆ど待たずにラーメンが出てくる。
透き通ったキレイなスープを見ただけで力があるのが分かる。
他のお客さんに玉子くらいトッピングしてよ、と言われたりもしたらしいが、『私はキレイなスープをお出ししたいのよ。玉子入れたらスープが濁るからイヤなの。』と。
亡くなられたご主人の意志を継いでいらっしゃるのであろう。
そう仰られるのを裏付ける透明なスープがホントに美しい。
勿論実際に飲んでも美しくもありながら暴力的とも言える凄みのある旨味で思わず顔がほころぶ。
『やっぱりサイコーに旨いよ、おばちゃん!』と伝えると、『そう言ってもらえるとやってて良かったって思うわ~』と相好を崩す。その笑顔が堪らなく魅力的だ。
もっちもちの中太麺もピタリと合う。この凄みのあるスープに負けない存在感がある。
一杯としての完成度は驚くほど高い。
創業して52年にもなるが、ラーメン百花繚乱の現在に於いても全く色褪せてない、唯一無二の至高の一杯に昇華されている。
個人的な話しだが、餃子は私の母親が作るそれに似ている。
ニラが効いた餡がたっぷりで、私にとっては郷愁の味。
食後、少しのあいだゆっくりとおばちゃんとの会話を楽しんだのだが、こちらからは話しを振ってはいないが、自ら一条流がんこの家元が最初にここに訪れたときのお話しをされていた。
『このあたりのラーメンを何軒か食べてまわって最後にウチに来たのよねぇ。他のラーメンが自分には合わなかったからここで口直ししたいって言ってね。』
本当に家元にはここのラーメンがまさに口直しの美味しい一杯だったことからここに通うようになったと。
『つい去年の十月くらいにも見えてね、ほら、あの人しょっぱいのが好きでしょ?昔は醤油ダレ二杯とか三杯とか入れてくれって言ってたから、そのときもしょっぱくする?って聞いたら、いやね、オレももう歳だからさ、あんまりしょっぱいのは食えなくてね、普通でいいよ、って言ってね。』
このお店にとっては家元に気に入ってもらえたことが余程嬉しかったらしく、その後も彼のエピソードをたくさん話してくれた。
ラーメンの味もさることながら、おばちゃんとの寂れた空間での逢瀬のひと時も最高のスパイスとなる。