ありがとう、ばりこて : 博多ラーメンばりこて 都立家政店

わが町が誇る都内屈指、最強の博多豚骨が3末で閉店と掲示された。
その掲示を通勤途中に発見してからはその日は最早仕事が手につかない程の落ち込みようであった。（嘘）
一献傾けた後の締めに。
昼飯で。
晩御飯にと。
様々なシチュエーションでいつも楽しませてくれていたばりこての閉店がいと悲しく。
沼袋のごたるも無くなり、少し寂しくなってきたこの界隈。
新たなる業態での再出発を期待しての校了としたい。

最後に「今までありがとう、ばりこて」
と、この一言を添えて。

水道橋のサロンでの勤務を終えた18時30分。
飯田橋駅から東西線に乗って目指したのが何と新秋津駅。
この駅は同じ会社の先輩であるM氏の自宅最寄駅。
駅前にあるもつ焼き屋で久々に飲もうとなって馳せ参じる事となった。
自宅を遥かに通りすぎ、なんで埼玉くんだりまで。。
なぞと思いながらも19時50分、到着。
しばし、どうでも良いような話しをしつつ飲食を共にし22時近くに散会となった。
最寄駅の都立家政駅商店街に存する博多豚骨のばりこてにそれこそ吸い込まれるかのように入店。
いつものネギラーメンに中瓶をば。
滑らかで喉越し良き細麺はカタにて。
クリーミーな豚骨スープに激辛注意の高菜、すり潰されていない白胡麻に紅生姜を搭載して最強な博多豚骨が完成する。
本場の博多が霞んで見えそうな程の本場感は相変わらず。
抜群に旨い行列の出来ない有難き名店がばりこてなんだ。

野方の「野方まきまき」でのひと時。
「飲んだ後ってコッテリ系のラーメンが食べたくなるよねー」と娘。
「野方」、「コッテリ」
この２つのキーワードから思い起こされたのは、そう、二代目武道家大将の菊地輝のことだが彼が野方で独立開業するのはまだ少し先の話である。（絶賛工事中）
しばし娘とそぞろ歩き。
お隣の都立家政駅方面へ歩いていくと見えてきたのが東京屈指の豚骨らーめん、「ばりこて」
チェーンや資本系の豚骨らーめんの味わいしか知らない娘は一口すするやいなや、びっくりした顔でこう言い放つ。

「ヤベーマジウマスギ！」

食べログ3.58、本場博多の仲間を連れて行ったら
その旨さに腰を抜かした（大袈裟）都立家政のばりこてでネギラーメンをばりかたで。
入れすぎ注意の激辛の高菜、紅生姜に白胡麻を乗せたら最高潮。
博多葱の爽やか極まりない風味と髄まで煮込んだ豚骨スープの旨味が複層的に重なりあって抜群の味わいだ。
さあさあ豚骨野郎共、馳せ参じるべし！

都立家政の奇跡。
七彩の目の前にあるのも凄いが、超絶旨いのに並びなしで味わえる本物の極上なる豚骨。
「ばりこて」で基本メニューの博多ラーメンをばりかただ。
提供速度の迅速さには毎度驚かされる。
濃密な豚骨の円やかな旨味とそこはかとなく漂う獣系の香りが博多のそれを脳裏に浮かばせるスープ。
極細の小麦香るストレート麺。
薄切りされたスープと麺に絡むチャーシュー。
小口切りされた青葱と卓上の激辛注意な辛子高菜に紅生姜を放り込んだら丼から感じるのは幸福の二文字だけである。

この店や花道、すぎ本などのキラ星たる名店達が自宅から徒歩圏内にあるのは臼井にとっての僥倖なんだ。

90歳で天に召された大好きだった祖父。
広島県大竹市に居住していた国鉄職員だった祖父が良くこのように言っていた。
祖父と夏休みにチチヤスプールにいくと祖父は海パンでなく赤ふんで悠然と平泳ぎをかましてた。
そんな良き時代。(^^)
そしてその祖父はこう言っていた。
「修ちゃん、博多の豚骨ラーメンは本当に旨いんやけえ」と。
夏休みにその祖父に遭うべく乗り込む東海道新幹線の車体。
行き先には常に博多と掲示され、私の博多豚骨へのオマージュは沸点に達していた。
あれから幾星霜。
都立家政駅から程ないマンションに住んでいる修ちゃん46歳は、ミシュランを獲得する綺羅星の如きラーメン店が居並ぶこの地で健やかに過ごしている。
西にラーメンの鬼、故佐野実の直弟子が供する至高の淡麗醤油のすぎ本、東にはミシュラン唯一の味噌、花道。
そして此処で開陳する博多豚骨の名舗、ばりこての真正面にあるのが稲庭手打ち麺でまさに最高峰の一杯を注文後に麺から打ち始めることで評価の高すぎな七彩あり。
その全ての名店への誘惑を断ち切り、ばりこての暖簾をスルリと潜る。
店内を覆い尽くすのは豚骨の濃厚な香り。
少し獣感を感じる本場の中洲の屋台のような店内。
シンプルな博多豚骨をバリカタで。
1分かからずに超速で茹であげられた純白の細麺で供される抜群の博多。
最早、本場超えしてそうな程にバランスの良い豚骨。
この旨さ、他店では感じ得ない本場、本物。