至宝のイタリアンバル降臨@飯田橋 : Italian Kitchen VANSAN 飯田橋店

世の中はシルバーウィーク。誰もが浮かれている中、しゃもじ隊は真っ暗な部屋にロウソクの炎を灯し必殺のしゃもじを手に精神統一していた。

それもそのはず。今や雑誌やネットで話題になりまくりのイタリアンバル「ビオディナミ」がシルバーウィーク中に飯田橋店を出すっていうじゃない。ついこの間吉祥寺店のオープンで「しゃもじ持ってズサー」とかやってたと思ったが、もう次のニューオープン！？

なんという破竹の快進撃。進撃の巨人が小さく見えるレベルの破竹っぷり。が。しかしだ。さすがにこの驚異的なハイペース出店で果たして満足のいく店舗が出来上がっているのだろうか…

もしあらぬ事態になっていようものならいっそこのしゃもじで自決するしかないのか…無念だ…

と好き過ぎて完全営業妨害な妄想を繰り広げていたわけだが、刻は満ちた。

大いなる期待と緊張を胸にオープンと同時に後方伸身宙返り4回ひねりでしゃもじをねじ込んで入店！見ててくれ父さん。やるからには世界を超えてみせる。

しかし最近の飯田橋駅はずいぶんとオシャレになったもんだ。JR飯田橋駅西口を出て左手に歩いてくと通りの左手にすぐ見えてくる。

外観はライトアップされててカッコいい。この暗闇に突如現れた感じが好きだ。

中に入ると、天井たかっ！2階分はあろうかというこの吹き抜け感。そして左手には厨房が。そして…ん…？これって席はカウンターのみ…？これ5席くらいかしら。空間を贅沢に使ってるのはいいが、これじゃカウンターバーになってまうぞなもし…

と怪訝な顔をしていると地下にホールがあるとのこと。そういうことか。それは安心。しかしこの造りであえてホールが地下とはイカしてるねぇ。というかメチャカッコいいエントランスだけど、普通に作ったらもうちょっと席数作れるだろうに。そういう商売だけに走らない心意気はイイぜ。譲れないものがある感じで大好きだ。憎いぜこんちくしょうめ。

そしてなんとなんと。

今回は予約席として、中2階のような個室に案内してもらうことに。店の奥にある階段で上に登ります。着いた場所は第一印象「隠れ秘密基地ロフト」って感じ。暗めの空間に大きなアンティークランプがカッコいい。細長いテーブルに6人座りくらい。ところが完全に個室じゃなくて片方の壁からは見下ろすとさっきの1階のフロアが見える造り。

なのでお店の入口も見えるので遅れてきた友達なんかは上から「おーい！こっちこっち」なんて声をかけちゃったりできる感じ。説明むずいな…

とにかくこのプライベート感満載の居心地の良さ。しゃもじ隊は硬派がしゃもじ持って歩いてるペンギンなのでアレだが、合コンとかにはまさにドンピシャのシチュエーション。3対3とかだと多分完璧だ。これから毎晩この場所はシャレオツな男女がナイスミーチューで大人気なこと間違いなしだ。

ちなみに店員さんを呼ぶのは何と壁にかかったアンティーク公衆電話！内線10番で下の階につながる！完全に飾りかと思ってしまうこのアンティークさがカッコいいなー。

ひとしきりこの空間に盛り上がったところで着席。さぁ食べようではないか諸君！オーケストラの始まりだ。タクトの代わりにしゃもじを手にして美味しい料理を奏でていこうではないか。お前は食べるだけだ？うむ。その通り。

まずはお約束のスパークリングをば。今回はメニューの「プレミア ビオディナミ ワイン」のページにあるなんと完全無農薬のシャンパーニュ「ドラピエ」をボトルでいっちまいます。イエィ♫

店長さんらしき人が素敵なサーブでグラスに注いでくれます。B'zの稲葉さんを彷彿とさせるイケメンです。しゃもじ隊にイケメン担当として誘いたいくらい。注いだ瞬間に1眼レフ達に激しくバシャバシャされ記者会見みたくなるのはTeam Shamojiのお約束光景なのでご勘弁を…(｡-_-｡)

まずはカンパーイ！うん！美味しい！

冷やし過ぎずにちょうど良い温度でスバラシィスタート。

よし。料理の吟味にまいる。メニューメニュー。

しゃもじ隊はビオディナミ黒帯の段位取得者なので、普段からビオディナミのメニューを1ページづつ映像で記憶する修行を欠かさない。

大学受験で予備校の先生に「受かりたければ参考書は文字の暗記じゃなくてページを映像で覚えろ」といわれたことをまさに20年以上経った今になって役に立てているわけだ。人生無駄なことなんて無いね。

ということでナゼにメニューを見るかといえば、もちろん新作の確認だ。今まで味わっていない料理を見つけたら脳内映像を即上書き！そして妄想！つまり美味い予感！となったらもちろんオーダーです。

といってもそんなにしょっちゅうお店に行けるわけでもないし、大体ニューオープンの時には新作メニューをぶっこんでくることが多いことは先刻承知。おっとヨダレヨダレ…

ということで御多分に洩れず今回もたくさんの初めて料理がリストアップ。

何度も行ったことのあるお店って、定番の料理で「やっぱり美味しい」の安心感と、新たな料理で「コレ美味しい大正解」の驚きの両方が味わえるから幸せなのだと思う。よっ。しゃもじ隊いいこと言う！

ということで本日のオーダーは、
⚫︎キヌアとアサリの有機ワイン蒸し
⚫︎オニオンリングタワー
⚫︎本日の牡蠣
⚫︎スーパーフードカルパッチョ
⚫︎天然酵母のバゲット

この辺を前菜としつつ。改めてメニューを見るといわゆるスーパーフードの多さに驚愕。何せ名前が凄いぜスーパーフード。日本語だと「超食料」。サイヤ人とスーパーサイヤ人の強さの違いを考えてもスーパーフードの凄さは相当に明白。もうね。メニュー見ただけで5歳は若返った気がする。

さらにビオディナミといえば無農薬野菜！野菜がとにかく美味しい。生野菜で美味しさを感じるならバーニャカウダがオススメ。

が今回はスーパーフードを実食したく、炙りサーモンハラミにスーパーフードを散りばめたカルパッチョでオーダー。何を隠そうしゃもじ隊はもう何が何パッチョかわからない位にカルパッチョが好きなのでこの料理の登場は大歓迎！

しかし日々進化し続けるメニューだなぁと感心しつつ、どんどん女子力の高いメニュー構成になっていくので、しゃもじ隊も女子力アップに向けて頑張らねばなるまい。まずは朝からスムージーでも飲めばいいのか？ん？

さぁ来たー！ビオディナミ名物！
お通しの生ハム〜！！（≧∇≦）

この生ハムのお通しは、最初の盛り上がりポイントなのはもちろんだが、本当に乾杯のスパークリングによく合うのよ。クセになるわー。これだけを楽しんで帰ってもいいレベル。え？帰らねえでオーダーしろ？はい、その通りです。すいません。

とここでスーパーフード★カルパッチョ登場。長いお皿にサーモンさんが整然と並んでいます。その上にスプラウトとスーパーフードがたっぷり乗ってます。おっと。トッピングがお皿の左半分と右半分で違うというまさかの2種類構成。こういう小技が大好きだぜ。

うっ。サーモン美味しい。脂乗っててソースと合ってる。正直いって「この超絶美味なスーパーフードに感動！」みたいな味わいを楽しむものではないのだが、野菜とサーモンと一緒にスーパーフード食べちゃってこれで健康優良児まっしぐら。

さらにオニオンリングタワー・キヌアとアサリの有機ワイン蒸しが登場。

オニオンリングタワーは知っての通り、 シェフが趣味で始めた輪投げがどうにも止まらなくて厨房でも輪投げしまくった結果…みたいな風貌のオリオンリングがこれでもかと積まれまくりの一品です。これが何とも美味しいし、テーブルにおかれた姿はとにかく絵になる。

それからアサリの白ワイン蒸しはあると大抵頼んでしまう好物のひとつだが、そこにもスーパーフードのキヌアを差し込んでくるこの抜かりなさ。

つまりマトリックスでいうところのネオ。それはキアヌ。HUNTER×HUNTERにおける伝説の殺し屋一家でゴンの友達。それはキルア。えっとえっとえっと、 アンデス山脈辺りで古来から食されている擬似穀物のことのようです。

うーん、頑張った前フリは華麗に無視でアサリ蒸し美味しいなぁ〜。スープもパンチ効いてていいわ〜。そうだバゲットバゲット！浸していただくこと矢の如し。はーシアワセ…キヌアのプチプチ感が面白くていい感じ。

とここで本日の牡蠣がお目見え。本日の牡蠣。それは昨日の牡蠣でも明日の牡蠣でもありません。まさに一期一会。しかもこちらの牡蠣はメニューの解説によると、ノロウイルス除去システムによりウイルスを取り除き「牡蠣は食べたいけど、もし当たったらと思うと怖くて頼めない乙女心2015」みたいな悩みも一瞬で解決してくれます。近未来だね。

おぉ、かなりのボリューム。んープリッとしてて美味。そして安心。シャンパーニュにも合うっ。
こりゃどうにもサイコーだね(￣ー￣)v

とここまで堪能してきたが、まだ前菜しか食べてないぜ。こりゃうっかりさん。

ということでメインを…とメニューに改めて目を落としたところ「オーガニックサーロインステーキ」なる料理が！ちょっとアンタこれ新メニューじゃない！

しかし待てよ。オーガニックって野菜とセットで語られることはあるがステーキ…？オーガニック野菜たらふく食べさせた牛さんってことか？メニューの説明に目をこらすと『農薬・成長ホルモン・殺虫剤等を一切使用せず、人工飼料も一切与えていないストレスのかかっていないビーフ』のことらしい。

なるほど！牛社会にもストレスがそこら中にあるってわけだ。「今度来た新人なんだけどちょっとウチに合わないっていうかさぁ。父方がオーストラリアらしいんだけどさ。何か顔がオージーって感じしない？そうそう、わかるー。みたいな？」とかそんなやり取りが日々行われているに違いない。そりゃストレス溜まるよね。辛いよね。美味しくなんてなれないよね。許してなんて言えないよね。王蟲！そっちじゃないの！(ぁ

とまぁそんなストレスフリーなビーフ。食べてみたいじゃない。後はイベリコベーコン串もオーダー。後はパスタだ。

毎回ビオディナミのパスタはどれにするか悩んでしまうのだが、アラビアータって食べたことない気がするのでそれを。あと外せない「生ハムとスプラウトのクリームパスタ」を。

まずはイベリコベーコン串。メニューの説明にも書かれているがイベリコベーコンと粒マスタードは最強。マジで最強コンビ。これ1串に4つベーコンが刺さってるんだが、なんせ分厚いもんで食べ応え満点。脂身も美味しくて表面カリッとしてて。まさにベーコンは正義だ。

してオーガニックサーロインステーキがご到着のようです。おいでになりました。

ちょ(￣◇￣;)

あれコレ何人前だ？1人前？だよね？なんじゃこのジャンボサイズー！980円よ？しかもフライドポテト添えちゃってたりしてー。

さすがに売り切れ御免と書いてあるだけのことはある。それにしてもこのステーキ。見るからに美味しそう。たまらずガブッと。

(@￣ρ￣@)ぉぅ

あー肉だけでそのまんまでウマイ。なんかギュッとしてる。肉の味するわー。ソースとマスタードついてるけど要らないかも。肉だけで味しっかりする。あえて加えるなら岩塩とかで食べたい感じ？

これにオーガニック赤ワインを頼んで合わせたら、その瞬間にもう完全にミスターオーガニック。こりゃサイモン＆ガーファンクルがミセスロビンソン歌い始めちゃうよね。

これあんまり大きな声じゃ言えないが原価のまんま出してるか原価割れてる気がする。この品質とボリュームで980円とか無いわ。こういうことするからこのお店好きになっちゃうのよねえ。いやぁねえもう。

さぁ間をおかずにパスタ登場。まずはアラビアータ。このアラビアータ。なんとLAで流行中の「シラチャソース」で作られてるそう。

「コレさ、今LAで流行ってんだよ」

死ぬまでに1度は言ってみたいセリフNO1。

ちなみにシラチャソースとは、タイで作られる辛いソースらしいのだが、LAで何故か大ヒットしているらしく輸入に頼らず現地生産までしてるらしい。どれどれ。

おっ！これはいい。ありそうで無いアラビアータ。唐辛子とは違うコクと酸味があるなぁ。それにこのモッチリ生パスタ！パンチ効いてるけどモッチリ優しいというこの絶妙。マツコデラックスみたいなもんか。違うか。

そして間髪入れず。生ハムとスプラウトのクリームパスタ登場。もちろん生ハムは後乗せの乗せ放題。生ハムを盛ってくれるお姉さんにカメラを向けて「そこでストップ！」「その絵いいですねー」とか言いながら激写。

気づいたら生ハムてんこ盛り。雰囲気を盛り上げてドンドン生ハムを乗せさせていく様はまさに篠山紀信から伝授された「気づいたらアタシ脱いでたんです」という伝説のテクニック。ごめんなさいワザとじゃないんです…

うむっ！美味い。安定感のあるクリームソース＋生ハム＋生パスタ＋スプラウトの組合せ。日本ハム大谷投手の奪三振ショーばりの安定感。

たんまりあるので、時には生ハムだけ味わっちゃったりしてサイコーです。しかしこれだけ生ハム盛り放題でお値段1000円ですよ。絶対に採算度外視だと思う。

はー。もうすでにかなりお腹イッパイなのだが。

しかし。
どんな状況であろうが。
デザートを普段気にしないしゃもじ隊が。
意識しまくりなアイツ。
そう。
最高級フレンチトースト。

以前コレを頂いてからというもの。もう大変。食べた瞬間から今何を口にしているのかがわからなくなる錯乱まがいの美味しさ！その衝撃波！美味しさの無重力状態や〜@彦摩呂先生

なっ、なんとビオディナミの看板商品「クレミアアイスクリーム」を生地に溶かし込んであるという。聞いただけでもうメルヘン。そばかすなんて気にしないわ。

前置きしつつ、んでは。

(@￣ρ￣@)ぁぅ

ナニコレ。フレンチトースト自体は意外と甘くないの。んでもしっとり外はカリッ。乗っけたクレミアアイスが濃厚。あーホントダメだこれ。ヤバすぎる。食べたら顔がへへへ…ってなる。

ボリュームも結構あるし、これだけで別店舗やっても全然流行るはず。

で満足したはずなのにお試しでプリンも頼んじゃったもんで、そちらも頂きます。

プリンの上にもクレミアが鎮座。このクレミア尽くしの追い詰め方。相手をコーナーに追い詰めてからの怒涛のラッシュを見せる往年のカンムリワシ具志堅用高を彷彿とさせる。ちょっちゅねー。

プリンもいい！フレンチトーストもそうなんだけど甘過ぎないのが大人味なんだよなぁ〜

ということで。

鼻息荒く勝負を挑んだしゃもじ隊。平伏しました。平伏しすぎてめり込んでます。完全に不安を払拭し、期待を20000％超えてきたこのクオリティ。お店ができるたびにその店がベストだと思える進化は止まらないようだ。

毎回開発して増えていくメニューも脱帽。これだけ入れ替えしていくのはさぞや大変に違いないがそういう部分にも手を抜かない。

お店に対する情熱とお客への愛。そんなところか。決まった。決まりすぎた。まさにしゃもじ隊ここにあり。

ごちそうさまでしたー！