点心好きにお勧めしたい‘特選点心’５種がつく点心御膳（平日のみ） : 萬珍樓點心舗

【再訪】

昨年伺って美味しさとコスパ、サービスの良さが印象に残り、次回は是非こちら自慢の点心もいただいてみたいと思っていて、先日伺ってきました。

平日１２時１５分過ぎとピークの時間帯でしたが、店内は非常に広いので５割程の入りでした。

通されたのは、何と昨年と同じ席。
厨房から程近い奥まったところにあり、大人数のテーブルから少し離れているので騒がしくなくて落ち着きます。

前回気になっていた平日ランチ限定の点心御膳（2,000円）をすかさず注文。
豚肉粥と牛ヒレ肉きしめんで迷って伺うと、「点心なのでそれほどボリュームがないので牛ヒレ肉きしめんが私は好きです」というスタッフの言葉に従い牛ヒレ肉きしめんを選ぶことにしました。

お茶はポットでの提供で、円やかな口あたりのウーロン茶でした。
量もたっぷりあり、サービスとしては大満足です。

トマトのスープ：　５分程して運ばれてきました。
トマトの赤色に溶き玉子が散らされ、緑の小葱がかかっていて綺麗ですね。

スープは熱々でさらりとしたテクスチャー。
トマトの甘酸っぱさが活かされ、玉子でコクが加わっています。
トマトの果肉も入っていて、トマト好きとしては嬉しい一品でした。

漬物：　ザーサイと独活の酢漬け。
ザーサイはわずかに塩味が残っているくらいあっさりしていたので、和えられた辣油の香りがより立ち、歯応え最高。
たまに塩辛すぎて、ザーサイ好きな私でもちょっと。。。というときがありますが、これならいくらでもいただけますね。
独活の酢漬けは甘酢にしっかり漬かっていて、食感良かったです（前回よりしっかりめに漬かっていました）。

点心が５種蒸籠に入って運ばれて来ました。

小籠包：　こちらのみ瀬戸物のスプーンにのっていたので取って箸で皮を破ると、中から肉汁がほとばしります！
火傷しないよう肉汁をすすると旨味たっぷり、ぷるんとした皮はやや厚みがあってつるんとした食感も。
プルプルの肉からは椎茸の風味も感じられ、単に肉々しいだけではなくバランスが良いです。
針生姜が入った酢につけると、さっぱりいただけますね。

黄ニラと海老の餃子：　緑色の綺麗な皮の中に黄ニラとプルプルの海老が入っていました。
黄ニラの風味が海老の甘味に重なり、非常に上品な味わい。
皮もぷるんと、大好きな食感でした。

香港海老シュウマイ：　硬めな食感のシュウマイからは海老と椎茸の旨味がしっかり味わえました。

ニラ餃子：　半透明の皮からニラが透けていて綺麗です。
口に入れた瞬間からニラの香りに溢れ、肉の甘味が後を追いかけます。
こちらにも海老が入っていました。

海老蒸し餃子：　大好きな点心なので最後にいただくことにしました。
プリッと弾けるような海老の食感と甘味。
もぅ、美味しいに決まってます！

小籠包以外すべてニンジンの薄切りが下に敷いてあり、これが又甘くて美味しかったです。

国産牛ヒレ肉キシメン炒め：　点心をもう少しで食べ終わるかなというぐらいのときに運ばれて来ました。

幅広のキシメンにオイスターソースが絡み、モヤシ、玉ネギ、黄ニラの野菜がサクサクと歯応え良いです。
麺全体に油が回っていますが、しつこさはなく、旨味として感じます。
牛肉は柔らかく、厚めなので存在感がありました。

杏仁フルーツポンチ：　杏仁豆腐がシロップに漬かり、中央にパイナップル、キウイ、イチゴがトッピングされていました。
杏仁豆腐は硬めでプルッと、いただくと杏仁の風味がふんわり広がります。
ひんやり冷えたシロップも上品ですね。
少量ですが、果物も新鮮で美味しかったです。


昨年の昼御膳もとても美味しかったですが、点心御膳も安定した仕上がりでさすがの美味しさでした。

点心は種類の違う５種楽しめるので大満足。
蒸し加減がちょうど良く、餡の風味、皮の食感も絶妙で、‘特選点心’と謳ってあるだけのことはありますね。
海老が多めに使われていたのも、海鮮好きな私の好みに合っていました。

スタッフの方が仰ったように、量的に若干軽めですが、点心大好きなので満足度は高かったです。
しっかりいただきたい方は好みで前菜や点心を追加しても良いかと思います。
スープからデザートまで本格的味わいなので、コスパは非常に高いです。

大勢で伺えば好きなものを各自頼んでシェアするのが良いに決まっていますが、もし１人で平日伺えるなら、しっかりめにいただきたい方は昼御膳、点心好きなら点心御膳がお勧めです。

サービス料１０％かかりますが、雰囲気、サービス共に申し分なく、ゆったりとランチを楽しむことができました。
又機会があったら利用させていただきたいと思います。

みなとみらい線元町・中華街駅　中華街方面出口を出て中華街東門（朝陽門）から中華街へ入り、三差路の一番右の道に入ります。
ローズホテル横浜を右に見て歩き、次の斜めの広東道（中華街大通りと平行に走り、１本北側）を入って歩いていくと右角にお店があります。
中華風の立派な屋根の門構えを擁した建物なのでわかりやすいと思います。

店内に入ると天井が高く、パッと大きな空間が開け、黄色い壁と赤い円柱が印象的なモダンな店内です。
すぐ受付のようなカウンターがあり、平日１２時を少し回った頃でしたが空いている席に誘導していただけました。
店内が広いので、ピーク時とはいえ空席がまだありました。

ランチメニューは以下の通り。

■平日のみ
昼御膳（１日限定３０食）　2,000円
点心御膳（スープ、特選点心５種、お粥又は麺、デザート）　2,000円

サンマー麺、ジャージャー麺、黄ニラ焼きそば　1,200円、五目湯麺、五目焼きそば　1,400円等
五目炒飯　1,300円、中華丼　1,400円等


当初から平日限定の昼御膳が気になっていたので確認すると、まだ有るとのことだったので、そちらを即注文。（笑）
十六穀米ご飯と白米から選べますが、十六穀米ご飯をお願いすることにしました。

まずポットでお茶が運ばれてきました（中国の昔の子供が描かれた絵柄が可愛らしいです）。
軽い発酵臭が感じられたのでウーロン茶でしょうか、円やかな飲み口でいただきやすかったです。
サービスとはいえ美味しいお茶がいただけるのは、お茶好きとしては嬉しいですね。

続いて、海鮮と豆腐のとろみスープと漬物が運ばれてきました。

海鮮と豆腐のとろみスープ：　豆腐に緑色の野菜が散らされ見ても非常に美しく、スープ好きなのでいただく前からテンションが上がります。

喉越し良い絹ごし豆腐に海鮮の甘味とコクが、とろみあるスープと共にすうっと入って行きます。
海老、貝柱、鶏肉、筍、ニンジンに玉子が散らしてあり具沢山。
上品な薄味ですが、海鮮の旨味がしっかり感じられ量もたっぷり。
中央にのった桜の塩漬けからふんわり香りが漂い、季節感も感じさせてくれました。
緑の野菜はを細かく切ったグリーンアスパラ（たぶん）で、歯応えを残してアクセントをつけてありました。

漬物：　ザーサイと独活の酢漬けでした。
ザーサイはうっすらとした塩味が残る程度に塩抜き、辣油で和えられ、もちろん歯応えも良好。
（よく辛すぎる場合がありますが、塩加減が絶妙でした。）
独活は甘酢漬けで、サクサクと歯応え良く、独活の風味もあって美味でした。

前菜の盛り合わせ：　周囲が甘い中華の叉焼は脂が美味しいです（やや筋がありましたが、まぁ許容範囲）。
下には生姜油で風味付けされた柔らかい蒸し鶏が隠されていました。
一番下には大葉が敷かれ、湯剥きされたミニトマトは甘く煮てあり、丁寧な仕事ぶりが伺えました。

海老オムレツ：　ふわとろの玉子の中には大振りでプリップリの海老が。
玉子は油で揚げたように作ってあったのでややオイリーな感じがしましたが、中華の玉子焼きらしい味わいでした。

大山鶏のチリソース：　大山鶏はプリプリした食感で、ピリ辛味が後から来るチリソースに絡んで美味。
葱が歯応え良く、甘酢と辛味加減がかなり私好みでご飯に合います！
（チリソースは元から好きなのですが、こちらのレシピが欲しかったくらい。）
柔らかい鶏の皮は苦手なのですが、揚げてあるので香ばしくいただけました。

和豚もちぶたのトウチ蒸し：　白髪葱と糸唐辛子が上にのり、片栗粉で旨味を閉じ込めた柔らかい豚肉にトウチのコクが効いています。
下には、葱、生姜等の香味油で味付けされた春雨が敷かれていました（風味は良かったのですが、やや油っぽく感じてしまいました）。

十六穀米ご飯：　適度にぱらりとふっくら炊かれていました。
十六穀米らしい香ばしさも感じられ、中華料理とも相性良くいただきました。

中華式きなこ餅：　あんこを餅で巻いたような菓子で、桜葉の上にのってきました。
苦味も感じられる抹茶風味が強いきなこに優しい甘味の粒餡。
餅とは言っても、関東の葛餅に似た食感でした。


拘った食材を使い、丁寧に仕上げられた中華料理を少しずつ楽しめ、満足行く内容の昼御膳でした。
素材の持ち味を活かしつつ、季節感も取り入れた、やや捻りを加えた定番メニューという感じでいただきやすかったです。
お料理によってはやや油っぽいかなと感じることもありましたが、油が軽いのでしつこいと感じるほどではありませんでした。
（油を多用するのが中華料理の特徴の一つでもあるので、ある意味昔ながらの調理法を貫いている感じがしました。）

少量ずつですが品数があり、ご飯もお代わり可能なので、男性でも十分な量。
平日だからこそのコスパも満足度も高いセットメニューだったと思います。

入店から席への案内、料理の配膳、お店を出るまで非常に丁寧で洗練された物腰のサービスはやはり有名店ならではの風格を感じさせます。
天井には扇風機が回り、温かみのあるどこかエキゾチックで開放的な雰囲気は、東洋のチャイニーズレストランに居るかのような錯覚を覚えます。
席間が広く、ゆったりした造りなのでゆっくりとランチタイムを楽しむことができました。

トイレは螺旋階段を下りた地下１階にあり、ややレトロな造り。
こちらも店内同様ゆったりできる雰囲気がありました。

場所柄、外国人のお客様の姿もちらほら見られました。

サービス料は１０％かかりますが、雰囲気、接客共に相応で、カジュアルな集まりからデート、接待まで幅広く使えるお店だと思います。

萬珍樓の点心専門店ということで入りやすさを持ち合わせつつ本店さながらの高級感を味わえ、使い勝手が良いお店として覚えておいて損はないでしょう。
もう１つの平日メニュー、点心御膳も機会があったらいただいてみたいところです。