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創業明治十七年 (1884) 老舗蕎麦屋の "カツ煮" で一杯
武蔵国の国府や総社(大國魂神社)が置かれた府中宿は、鎌倉街道と甲州街道が交わる交通の要所として栄え「府中の名物は蕎麦」と言われるように十七世紀の頃より蕎麦・饂飩を旅人や商人に供する店がたくさんありました。ここ旧甲州街道沿いにある「吉見家」もその歴史の流れを汲んだ一軒です。http://yoshimiya-s.com/index.html
この日、父の四十五回目の命日にあたり姉夫婦と一緒に墓参りをしました。平安時代中期の貴族、豪族、武将であった藤原 秀郷 (俵藤太) の邸跡に室町幕府によって暦応年間(1340年前後)に武蔵国安国寺として建立された「高安寺」が菩提寺です。
本堂をお参りしてから父と弟の眠る墓に線香を立て、欅の大木の隙間から空を見上げると四十五年間の年月が昨日のことのように流れ、こうして無事に過ごせるのも仏の御加護だと感謝するばかりです。(私の行など砂粒のようなものです)
***
「こんにちは。」
「おや、お揃いで。お墓参りですか?」
いつもの笑顔で迎えてくれます。
ご主人を先に亡くした先代の女将がひとりで守ってきた味を現在の兄妹が継承して何年になるのだろうか。私がこの店に通うようになったのは四十五年前のことだけれど、初めての訪問を昨日のことのように覚えています。
大学卒業直後に亡父の事業を継いだ私は、五里夢中にもかかわらず無我夢中に働きました。忙中閑あり、「そうだ、墓参りをしてから 蕎麦を食べよう。」
仕事を遂行するには体力が必要です。学生時代は小食で現在より15kgも痩せていました。頭の回路がオーバーヒートして脳みそが溶けるぐらいに考え、これを行動に移すには痩せていては身体が保ちません。
「もり と カツ丼をください。」
注文はいつもこれでした。建て直す前の店で先代の女将がひとりで調理と配膳を担当し、忙しく、そして笑顔を絶やさず相手をしてくれました。
もちろん、石挽きの香り高い甘味を感じる蕎麦がおいしいから通っていたのですが、特筆すべきは「蕎麦ツユ」です。浅草の「並木藪蕎麦」の辛ツユに似た江戸前の蕎麦ツユです。蕎麦猪口の底に 5mmぐらいを注ぎ、箸で摘んだ三筋ぐらいの蕎麦の先だけをこれに浸して食べるのが正しい食べ方なのですが、この辛いツユをたっぷり注ぐ人は「なんだこれは醤油みたいだなぁ」と言って敬遠していました。現在は、二種類のツユが用意されていて選ぶことができますが、当時は拘りの女将が「亡き主人の味だから」と一種類しかありませんでした。
さて、この店の "カツ煮" は "莫" https://tabelog.com/rvwr/motonadi/diarydtl/53303/ ではありません。注文の都度、揚げた豚カツを使って作ってくれるのですが、イマドキの衣がカリッとして卵がフワットロ+生の黄身のものではなく、適度に煮込まれ辛ツユが滲みて豚カツの脂身の甘味と渾然一体となった汁だくの "カツ煮" なのです。
義兄が、「oggetiちゃん、 "カツ煮" でお酒をやろうか。」と誘ってくれました。これを断る術もなく「はい、いただきます。」と即座に答え、二人で出来上がりを楽しみにしながら "茸おろし" を肴に口を潤しました。都度の調理ですから多少時間は掛かるのですが、この "待ち" が何とも言えず、蕎麦屋での "昼酒" を強く演出してくれます。
今回、メニューをじっくり読んでいたら "親子煮" の文字を発見し、次回の楽しみと致しました。いいね! おいしい蕎麦屋でゆったりと一杯やるのは。
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秋空、お彼岸、墓参り、蕎麦食い
東京の郊外は、イチョウの葉が少し色づき銀杏の実が落ちています。
雨に打たれた今年のモミジバフウ(紅葉葉楓)もてっぺんから色が変わり始め、地上では曼珠沙華が正確に季節を刻むかのように花をつけました。
お彼岸です。
いつもの花屋でリンドウと白菊を求め墓に供え線香を焚く、立ち上った好文木の香りは微風に乗り秋の空に紛れてどこかへ消えてしまいました。42年前、黄泉國へ行ってしまっった父のように。
***
「そばでも食べようか。」
「それはいいわね。」
いつも通り、「吉見家」の引き戸を開けました。
***
私が初めてこの店を訪れたのは、40年ほど前のことです。平屋の店の前に車を停め、建築家の先生と向かい合わせで”もり”を食べました。「美味しいですね、この蕎麦は。」と蕎麦通の先生。
何度か通ううちに知ったのですが、女主人が一人で切り盛りしていたことに驚き、亡くなったご主人が丹精込めて作り上げた並木藪を思わせる”辛口のつゆ”の味を忠実に守っているその小さな姿に大きな夫婦愛を感じました。
その頃、昼時になると府中周辺の会社員が、”そば屋のかつ丼”を食べに集まってきました。
この店の”かつ丼”は、MSSBHSさん言うところの「莫」ではなく、揚げたてを使っています。揚げた衣の香ばしい匂いが特徴です。これを食べてお腹を満たした客は皆満足げに「ごちそうさん。」と言って店を後にしていました。
平屋だった店はビルに建て替えられ、今では代替わりした息子さんと娘さんが後を継いでいます。最近まで先代の女主人も店に出て目を光らせていたのですが、去年の夏、亡くなられ寂しくなりました。いつも私が食べていると傍に来て「前の店の時代からいらしていただき、ありがとうございます。」「若いもんにはまだ任せっきりにできないんですよ。」と気丈な言葉を交わしました。
***
この日いただいたのは、
・奈良 上田酒造の辛口”生長”
・きのこおろし
・かつ煮
・温かいとろろそば
・十割蕎麦(初めて)
美味しい!!!
先代からの変わらぬ味です。
そばつゆは、「辛め」と「普通」が選べるようになっています。老舗における「伝統と革新」は、どの世界にでも通じる規範のひとつです。
俵藤太(藤原秀郷)の屋敷跡といわれるお寺「高安寺」に近い蕎麦屋
この蕎麦屋に初めて入ったのは、今から45年ぐらい前のことです。近くに住んでいた全共闘世代でありながら醒めた(ノンポリ)先輩に誘われ、安酒を飲みながら徹夜で天下国家を論じていた楽しい時代でした。朝になって「近くに良い寺がるからお参りして行こう。」といわれ、途中にあったのがこの店です。まだ平屋の古い建物でしたが、並木薮のような濃い汁の「もりそば」が美味しかったです。
その寺は、平安時代に俵藤太(藤原秀郷)が、屋敷を武蔵国府近郊に置いた跡といわれています。平家滅亡後に鎌倉入りを許されなかった源義経もこの寺に立ち寄り、お伴の武蔵坊弁慶が大般若経を書き写したと言われている弁慶硯の井戸があります。先月訪れた御徒町の「翁庵」も俵藤太と縁がある下谷(したや)神社参道にありました。今となっては、お伽話のようです。
***
さて、ここでは、二八の「もり」(この店では”せいろ”であった) しか食べない私は、初めて自身のテーマ「温かい天ぷらそば」を注文しました。
写真の如く、天ぷら(大海老、茄子、獅子唐、丸十 )が別盛りになって出てきました。海老は二つに切られていますが、身がぎっしり詰まっていて、そのままかぶり付くとプリッとした海老の歯応えがよく分かります。私は、これを丼に移して汁に浸しました。衣が柔らくなるまでの間、刻み葱を蕎麦に載せ箸で摘んで啜りました。
『んっ、今日は茹で方が少し柔らかいぞ。』『ここの蕎麦は、冷たい方が良いのかなぁ。』
この店では、割り箸の代わりに先端にエンボス加工の施されたプラスチック製の塗り擬き箸が使われています。これはいけません。いつも「My割り箸」を車に積んでいる私ですが、ウッカリしました。これでは蕎麦が滑って上手に掴むことができません。
蕎麦、うどん、ラーメンなど麺を食べさせる店が「エコ箸」を使う理由は二つあります。一つ目は、エコロジーという大義です。二つ目は、コストです。10円〜50円/膳、仮に30円/膳として、来客が100人とすると3,000円/日、一ヶ月で75,000円もします。5年間で450万円です。1,000人来る店でしたら4,500万円となります。これは大きな金額ですが、私の好きな蕎麦屋でエコ箸を使っている店はありません。どうか、割り箸を用意していただくことを切に願います。
別盛りになった天ぷらの茄子、獅子唐、丸十 の揚げ具合は、衣の付き方も火の通し方も絶妙であり、天ぷら屋に匹敵するほど美味しかったです。府中で一番大きい海老も悪くないのですが、丼に移して汁に浸った方が美味しいと感じました。次回は、割り箸を持参して訪問することにします。ごちそうさまでした。
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oggeti209
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店名 |
吉見家(よしみや)
|
---|---|
ジャンル | そば、天丼、日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
042-361-2166 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
京王線・JR南武線分倍河原駅から徒歩10分程度 府中本町駅から477m |
営業時間 |
|
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
24席 |
---|---|
個室 |
無 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間 |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 |
ホームページ | |
オープン日 |
1884年 |
初投稿者 |
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タイトルの形式は、あの方のマネッコビンボーです。
愉快人二十面相 シヌモノビンボーさんの日記「シリーズ「だからワタシは嫌われる」 莫でプリーズ!」 (2011/08/26) https://tabelog.com/rvwr/motonadi/diarydtl/53303/ に捉われて「そば屋のカツ丼」を探究する私です。
(ここまで前回レビューのコピペ)
***
こちら「吉見家」でカツ丼を食べるのは、タブン 44年振りだと思います。
欠食児童は疾うに卒業しているので、そば屋で御飯もの を頼むと損した気分になり、そうかと言ってもりそば、かけそばとのカツ丼セットを食べるほど胃袋が大きくなく、プライオリティの高い蕎麦だけを食べていました。
この日いただいた「吉見家」のカツ煮の載ったご飯ものは、"かつ重" と命名されていました。
味は、JR谷保駅から谷保天満宮へ向かう途中にある「門前そば 大黒屋」と甲乙付け難い仕上がりですが、器が異なります。
・門前そば 大黒屋 磁器製の蓋付き丼
・吉見家 塑料製の蓋無し桶 (ちらし寿司が入っている器)
蓋の無い分、食べ始めのとんかつの衣はカリッとした食感があり、これはコレで心地良いです。
カツ丼特有のたっぷりと割り下を吸い込み、しっかりと熱を通された「卵とじ」状態でありますから "汁だく" となり、白米に汁が滲みて (しょんで) これを箸で摘んで口に運ぶ動作を繰り返すと桶の底に握り拳大の "汁だくめし" が溜まり、丼であればこれを傾けることによって上手く掬えるのですが、垂直に切り立った側面と真っ平らな底部というのは箸の所作を拒むようにご飯がスルッと落ちてしまいます。これは食べ辛い。初めは「おいしいね!」となっていた "かつ重" は、次第に「どうやって食べようか」と困惑する食べ物に変化してしまいました。頑張って親指大の塊まで食べ、最後は行儀が悪いですが、桶の淵に唇を付けて掻っ込みました。(残すのがイヤだったので)
折角おいしい "かつ重" ですから、是非とも "カツ丼" に格下げしていただければ嬉しいです。
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