市に帰するが如し : 一休食堂

「では、次は東京・食堂巡りのコーナーです。ぴぃさん？」

「はい、おはようございます。ぴぃです」
「東京は大分過ごしやすくなって参りました。今日は少し雲も出ていますが、日中の最高気温は26度、大変過ごしやすい一日になると思います。唯、雲を見ていますと、秋を感じる季節になりました。季節の移り変わりはホントに早いですね」
「本日、私がお邪魔しているのは、JR品川駅港南口徒歩3分に位置する東京都中央卸売市場食肉市場です」

「食肉市場ですか。食肉市場と云うとどんな市場なんでしょうか」

「はい、食肉市場としては昭和41年に開場、都内で唯一食肉を扱う市場が此処東京都中央卸売市場食肉市場です」
「此方では、全国標準価格を決める建値市場としても機能しており、屠場（とじょう）も併設されています」
「市場の見学も可能でして、食肉市場管理課管理係にお問い合わせ頂ければ、実際の競（せ）りあるいは「お肉の情報館」等も見学が可能です。唯、時期に選っては市場等が大変な繁忙時期等は見学をお断りする場合もあるそうですから、其の点についてはご注意下さい」

「説明、有難うございます。ぴぃさん、今日はドチラの食堂、ですか」

「食肉市場西門に入りまして左手直ぐの処にあります一休食堂さん、今日は此方にお邪魔しています」
「此方は定食メニューとして、ＡからＣと三種類の定食が用意されています」
「Ａ定食はライス、味噌汁、納豆、生玉子、のり、大根おろしで550円、魚を中心としたＢ定食、そして本日頂きますのが、牛皿と煮込み汁がセットとなっていますＣ定食、煮込み定食、此方です」

「煮込み定食ですか。美味しそうですね」

「C定食は海苔と生卵を選択できて790円。牛皿は甘辛の汁がしっかりと染み込んだ牛肉ですが、全然固くもなく、口の中で良い感じに馴染みます。一緒に入っている賽の目の蒟蒻が食感を替えて、美味しいですよ」
「定食のメインは葱とモツがいっぱい入った味噌仕立ての此方煮込み汁です。味付け自体は場所柄と云うのがあるのかもしれませんが、濃い目。でも、モツの煮込み加減が丁度と云った感じでして、モツが好きな方には堪らないんじゃないですかぁ」
「お酒を嗜む方でしたら、麦酒で口を湿らせたくなる味と申し上げれば宜しいでしょうか。隣では近所にお勤めの方でしょうか、麦酒で軽く一杯…って此れは朝のニュースとしてはカットかもしれませんね（笑）」
「さて、ずらりと並んだ品書きですが、饂飩蕎麦でしたら300円から500円の間、ラーメンはお昼からの品書きとなりますが400円から600円の価格帯となっております。玉子丼は500円、上カツ丼は860円、生姜焼き定食は700円と云った値段です」
「定食の他に何か一品、そうですね卵系統のお皿を頂いてみましょうか」
「玉子焼き、オムレツが200円から400円の間と。はい、此方は…ベーコンオムレツですね。えっと、360円です。お皿の半分は生野菜、では頂いてみましょう」
「お箸でオムレツを割ってみると、中はトロトロですね。ベーコンと葱、刻み葱ですね、出汁が入ったトロトロのオムレツですが、醤油やソースをかけなくても此れだけで美味しいです」

「ぴぃさん、開店は何時からですか。市場の食堂なら朝早いんでしょうね」

「はい、朝の6時から15時迄、市場が開いている日なら原則お店は開けているそうです」
「築地、大田市場でもそうですが、特に市場正門に入る際に呼び止められるようなコトは有りませんのでご安心下さい」
「今、朝の7時ですが、近隣のサラリーマンのみなさんも朝食、昼食にと活用されているとお聞きしました」

「有難うございました。ぴぃさん、朝から、牛皿、煮込み汁、生玉子かけご飯にベーコンオムレツと、ヒトゴトながらコルステロール、体脂肪は大丈夫でしょうか（笑）」

「（声だけ）大丈夫ですよ～（笑）」

「今日の東京市場食堂巡りはJR品川駅から徒歩圏内にあります「東京都中央卸売市場食肉市場「一休食堂」さんからお送りしました。其れでは次のニュース、昨日のスポーツの結果です…」

*

え～、麦酒（瓶）520円で頂けます（爆）　序で、酎ハイ300円、日本酒（冷・燗共に）250円と。
喫煙は特に制限は無いようで、紫煙が無遠慮にあがっていたりします。
食後4時間が経過しての感想ですが、少々喉が渇きます。
味は関西人的に云うと辛いと思いますんで、其の点はご了解の程を。
ま、ソモソモこう云う場所が楽しめるなら、と云うヒト向け（笑）

此方の店に並んでは二軒向こうにごはん亭。場内に立ち入らなかったので、他の食堂については確認できていませんが、此方の店、表に秋刀魚定食500円と書いておりましたんで、ご参考に、と。

仁人也不可失也　従之者如帰市也　「梁恵王下（孟子）」