興奮の連続、ワイン会のための創造力ある料理、ミシュランの星が付いてますます磨きがかかった、 : RESTAURANT PRUNIER

海外のワイン生産者たちは葡萄の収穫＆ワインの仕込も終わり、今は来日のピークを迎え各地で次々とイベントが開催されております。プルニエもボルドーのグランヴァンのオーナーを迎えてのディナーイベントが開催されました。プルニエが貸切にすることは珍しいですね。
　ワインはシャンパン、ボルドー白を1杯づついただいた後、一気にグランヴァンの良作年を垂直で５発、圧巻のディナーでありました。　序章は雲丹のタルト、食欲を覚醒させる強い磯の香を感じたと思った瞬間、ハーブの清々しい風味でそよ風が流れ、余韻を楽しみつつ、クリーミーな印象のやや落ちついたタイプのシャンパンで呼吸を整える。号砲のような一瞬のアミューズとともにディナー開始です。　
　ディナーの入口はトラフグのマリネ、フグ皮コラーゲンのジュレは和風だしのような甘味があります、醤油らしきものが使われているかもしれません。キャビアとフグも良い相性です。唯一の白はメドックの白らしいセミヨンのふくよかさがありました。白桃をおもわせるような甘い余韻とほのかな苦味、ジュレの柔らかさと混然一体のペアリングです。早くもプルニエさんの料理ワールド爆発の様相。
　そして若いミレジムの赤に合わせるのはややオイリーなパテドカンパーニュ、手作業でじっくり漬けた山ぶどうのピクルスがアクセントになってます。
　さらにムール貝のパイ包み、パイを割るとアツアツのムール貝と茸、柔らかいニンニクの香を感じかなり濃厚な茶色のソース、。ワインのミレジムも少しづつ時代をさかのぼって気が付けば料理はすでに赤ワインモードをぐいぐい引っぱっておりました。
　柔らかく蒸したようなオマールの厚みある食感の大きなむき身に香茸を仕込んだ豊かな香りのソース、イタリア産という大粒でアルデンテなコメをリゾット風にしてバランスがとたれていました。この素材に赤ワインとはさすが練りこまれた構想、無限の創造性とレパートリーを感じます。口直しに添えられてのは帆立らしいが超絶技の薄焼きにイカ墨でさっぱり感をだすなど驚きと興奮んが続きます。
　最後は柔らかくシルキーで繊細な仔牛のロースト、脂分はあまり感じませんがロックフォールと赤ワインのソースで繊細なオールドビンテージに合わせてきました。
　コーヒー菓子もフランボワーズに胡麻を合わせた風味あるひとくち、こういう発想がどこから出てくるのか、シェフの天才ぶりに最終ラウンドまで感動の連続でした。
　料理にワインを合わせると言いますが、今回はワインに料理を合わせる構図、東京会館の有名シェフが繰り出す驚きの料理、また来るのが本当に楽しみになります。スタッフの皆さんも料理に詳しく、何を伺ってもすぐに答えてもらえる習熟度にも敬服します。ミシュランの星がついてますます磨きがかかってきたようであります。

予約が取りにくい状態が続いていますが、１０日前で２名、席を取ることができました。
すっかり陽が落ちていましたが白を基調とした明るい店内は散在するカラフルな構成の絵画や外堀通りを行きかう自動車の光が交え、上品ななかにも躍動感を感じます。お水のグラスもカラフルで心が弾みます。窓際席の間隔も広く、とても落ち着きますね。店舗のイメージは昔のプルニエとあまり変わりません。
広めの食卓には小さいバラと燭台のみ、シンプルでスマート。飾り皿は白を基調に淡いブルーでPURNIERのロゴが入っている上品なもの、国産の磁器かとおもいきやリモージュだそうです。
料理はコースのみでした。１５，０００円のオードヴル、魚、肉と３品構成ムニュを選んでスタートしました。
オードヴルは細かくほぐしたズワイガニに甲殻類の香りがかなり強い生クリーム入りの泡がかかっていました。アボガドのふくよかな甘みに包み込まれた蟹が最高のバランス！
少量のキャビアの濃厚な味わいがアクセントになっています。どうやってこんなに薄くスライスするのかと思ったカンパーニュが添えられて手でカリッといただきます。薄さのおかげで魚介のアクをを嫌味なくリフレッシュさっぱりさせます。素晴らしいオードブルでした。
シャンパーニュはワゴンに数種類あり、グラスで選べます。フレッシュで爽やかな酸を感じるもの選びましたが木村硝子の球根型のシャンパングラスが用意されました。おそらくオードブルに合わせていただいたのだと思います。グラスの効果だと思いますが複雑性が増し、円熟味あるゆっくり味わえるシャンパンとなっていました。
魚は舌平目、厚い身に表面の皮がこんがりと焼けています。皮と身と別な料理かと思うくらいメリハリが効いています。添えられた身の厚いホウレンソウとキノコはじっくり味付けされていて舌平目に深みを加えている感じです。記憶がはっきりしませんが柑橘系の香りがあるソースだったかな、もう少し多めにかけてもよかったかな。
お肉は鴨のロースト、こちらも表面の凝縮感ある皮側の焼きとジンワリと火をとおし、甘味を感じる滋味ある肉です。
鴨ですので赤ワインはスパイシーな香りある濃厚なシラー、これもグラスが良かった。ザルトのブルゴーニュグラスで提供されましたが、液面が広く、抜栓１０分後で十分にふくよな香りを放っています。
ソムリエは複数いるようですが東京會館、人材を揃えたなっ！て感じですね。
しかし、雰囲気は継承されていますが料理内容はかなり変わりました。かつてのバターをふんだんにつかった濃厚なタイプから素材重視の微妙で繊細な味わい、十分の堪能させていただきました。遅い時間まで有難うござました。