年中無休、朝５時まで ・・・ 【炭焼きとごはん 慎也】 : 炭焼と釜飯 さかぐち

最近は聖地・甲子園球場にも若い婦女子の姿を多く見かけるようになった。

１９００年代後半から２０００年代初頭の甲子園球場では考えられない。

我々はいつもライトスタンドに陣取る。前から１２列目、年間予約席なのである。

私がその権利を所持しているのではない。お金持ちのγーGTP８００星人が５席持っている。

周りも当然すべて年間予約席なので毎年顔触れはあまり変わらない。自然に皆友達なのだ。

しかしそんな席でも時々見た事のない奴が坐ってるときがある。

今の時代やなぁ～と思う。ネット・オークションでチケットを買って来ているのだ。

応援団の中心リーダーが陣取り、最も熱い応援を展開する「聖地の中の聖地」ライトスタンド。

一席￥２０００程の席に数千円、否、時には数万円も払ってやって来る奴もいるのだ。

年間予約席をそういう風に転売してはイカン決まりなのだが、禁を破る輩は何処にでも居る。

普通は座れないライトスタンド。まさに阪神タイガースファン垂涎のプレミア・シートなのである。


５月５日、一休さんで出来上がった宇宙人、今回は試合開始前にちゃんと着席した。

なんてったって藤浪晋太郎の先発登板である。いつもみたいに遅刻は出来ない。

久々に高潔なる応援精神を五体に漲らせて声援を送った。「バレンティン！引っ込めーっ！ボケーッ！」

「おじさまぁ！！メッチャ面白いんですけど！！」 必死に叫んでる背後から声が掛かった。

振り返ればライトスタンドには珍しい２０歳台前半とおぼしき婦女子二人組である。

ここは礼儀とマナーを教えておかねばならない。神聖な応援中に面倒臭かったのだが大喝してやった。

「無礼者！誰がおじさまじゃ！お兄様と言わんかい！つまみ出すぞ！！」

「ギャー！ウケルーーッ！メッチャ、ウケルーーッ！！もっと何か言うてぇーーっ！！」

最近の若者には正当なる日本語は通じなくなってしまったのか？涙を流して笑っておる。

こんな戯けた者に構ってはおられない。タイガースを真剣に応援し、スワローズを命懸けで扱き下ろした。

「もうメチャクチャ楽しいやん！ライトスタンド！ムリして買ってよかったなぁ！！」

「君ら！うるさいど！真面目に応援せんかい！感想は後で話し合え！」

「お兄様！いつもこの席に来てはりますのん！？エエなぁ～！メッチャ羨ましいって！」

「俺の話を聞け～～～！！ここは年間予約席やんけ！いつもこの席に決まってるがな！」

「エエなぁ～！！ウチらヤフオクで高いチケット買うて来てんねんでぇ～！エエなぁ～！」

「ヤフオクてなんやねん！？そんなんどうでもエエねん！真面目に応援せーーや！！」


結局この日は藤浪の好投虚しく負けてしまった。。。

肩を落とし、重い体を引き摺って球場を後にしようとしていたその時だった。

「お兄様ぁ！残念やったね！今から何処行くのん？？」さっきの女子二人組が追いかけて来た。

「お前らな、目上の人には敬語を使え！敬語を！」

「なぁ！なぁ！一緒に行ってもエエ？？御飯行くねやろ？さっき聞いててん！」

「そやから人の話はちゃんと聞けや！！。。。一緒に来るか。。。？？」

断っておくが私は人妻と３０歳以下の若い婦女子には興味はない。

興味はないが、阪神タイガースの敗戦に落ち込んでいる婦女子二人を見捨てられなかったのだ。


またまた前置きが異常に長くなってしまった。ウンザリされている方も居られると思う。誠にスビバセン。。。

大阪は梅田、お初天神通りから東へ、【炭焼きとごはん 慎也】

尊敬するマイ・レビュアー、キャップさんhttp://u.tabelog.com/000055272/の紹介に依る。

いつか甲子園球場の帰りに必ず寄ろうと決めていた。目標は何と言っても「釜飯」である。

阪神電車を降りて店に電話をして予約しておいて良かった。我々の後でスグに満席になっていた。

※おまかせ三種￥８８０
セセリ、ココロ、ヤゲンナンコツの三種。炭焼きを看板にしているだけに上手に焼けている。

※おとなの冷奴￥３８０
この若い娘がこれをオーダー。なんでやねん！？

※カツオのタタキ￥６８０
なかなか新鮮で期待以上である。ポン酢にもう一工夫欲しかった！

※鴨ロースの刺身￥１０００
柔らかくてなかなかイイ。山葵醤油で喰うのだが、やはり醤油が普通すぎる。

もうこの時点で満席になっている。全員が焼物を註文するようなものであるからスゴイ煙だ。

我々は入口直近のテーブル席だったが、入口は全開でも容赦なく煙は襲って来た。

外へ流れ出て行く大量の煙。通行人の鼻梁を刺激して已まないはずで、これが店の狙いなのだろう。

芳ばしい煙に釣られて何人もが店を覘いては満席で断られている。

しかしこっちは堪らない。凄まじい煙の波状攻撃、そして隣席の煙草の副流煙が綯い交ぜになるのだ

遂には糖尿星人がマジで気持ちが悪くなり、外へ出て行ってしまった。

我々をナンパして来た２人の女子は至って平気の体で豪快に喰い、呑んでいた。

生ビールを何杯か呑んで、遂にはガリチュー￥４８０なる得体の知れない酒を鯨飲しておった。

※あさりときのこの釜めし￥８８０
※鯛の釜めし￥９８０
※河内鴨とネギの釜めし￥９８０
釜飯はこの三種類を註文。
ここの釜飯は一食の価値アリである。上品な薄味は美味い！と声が出た。
但し、入店してスグにお願いしたほうがイイだろう。３０分はかかる。

スタッフは若い男子が３人。元気で愛想が良くて清清しい。活気に溢れる店が出来上がっている。

「リチャ！エエお店知ってるやーん！ここ今度友達とかと来るわーー！」若い者にはピッタリなのだ。

「呼び捨てにするな！！勝手にせい！！」

椅子が何かの樽の様だったのだが低くて固く、腰痛所持者の私は閉口せざるを得なかった。。。

しかし何と言っても無休で朝の５時まで営業しているのだから頭が下がる。

週末や日・祝の早い時間は予約して行った方がよそうだ。繁盛している。


本当はもう少し呑みたかったのだが、煙と腰痛には勝てなかった。なのでお勘定は一人当り￥２７００。

出て行ったままの糖尿星人も気になる。宇宙人を野放しにしてはならない。

「なぁ！なぁ！ジャンカラ行こ！糖尿星人見つかったらジャンカラ行こうやぁ～！」

「そんなん行けへんわ！体力残ってへんやんけ！」

「リチャ、LINEやってないん？？」

「だから！人の話聞いてんのんか！！」

「なぁ！またあの席座りたいねんて！連れてってやぁ～！ライトスタンド！！」

（やっぱりそれが目的やったんかい！モテたんちゃうかったがな！！）

人混みでごった返すお初天神通りの真ん中でタイガースユニフォームの女子が叫んでいる。

少し離れた店の看板の影に糖尿星人が隠れて、ジッとこちらの成り行きを見つめていた。

「卑怯だぞ！糖尿星人！！」