部位によって異なる食感 : 豐樂

お昼時に近鉄奈良駅近辺へ行く用事があったので、以前に食べて非常に美味だった、賞味期限10分間&限定5食がウリのレア親子丼を食べに再訪しました。
知覧地鶏のレアたたきと生卵がご飯の上に乗っていますが、前回はネットリした厚切りの生肉だったのに対し、今回はサクッとして、火の通りが多目の小間切れの部分が多く乗っていました。
部位によって味わいが違う様で、今回は鰹のたたきの様な感じでした。
日によって、当たり外れがある様ですが、個人的にはネットリ系の方が好みですので、機会があれば再訪して、ダメ元で部位の指定をしてみようと思います。

先日、風の森の飲み比べセットと鶏なめろうを味わいにサクッと呑みに訪問しましたが、その時に見た十津川産アマゴ骨酒という文字が気になっていたので、再訪してみました。
今回も、風の森セットと&なめろう&たまひも煮はデフォで注文しました。
雨魚は山女魚や岩魚と並んで有名な川魚で、2合で1,780円という価格設定はちょっと高目だと感じましたが、十津川産というレア度に加え、フグヒレ以外での骨酒を味わったことはないので、人生経験として注文してみました。
10〜15cm程の炙り干物(?)が日本酒に浸かっていましたが、味わい的にはやはり同類のフグヒレ酒に似たイメージでした。
身は醤油をかけて食べるのがオススメらしいのでそうしてみましたが、旨味は出汁に出た後なので、流石にあまり美味というわけでは無く、味噌汁の出汁を取った後のイリコの様な味わいでした。
多分リピはしないと思いますが、貴重な経験は出来たと思います。

以前ランチタイムでレア親子丼を食べた際に、風の森3種類の呑み比べがあるのを知り、次は夜に来ようと心に誓っていたお店です。
今回は、風の森を主役と決めて、それに合う肴を少しづつ注文して、3種類とのマリアージュの違いを愉しむ事にしました。
お酒は、秋津穂と露葉風とALPHA1が涼やかなグラス猪口に半分位づつ入っています。
綺麗さではALPHA1がダントツで、淡麗辛口でありつつ、リンゴ果汁の様に甘い香りも楽しめるフルーティな口当たりでした。
秋津穂と露葉風は、それより少し強目の味わいですが、それでも綺麗さとしてはかなりの高レベルという印象で、全て実に綺麗な味わいでした。
流石に風の森シリーズだと、改めて感服しました。
980円で風の森を少しづつ3種類も愉しめるお店は貴重だと思います。
肴は、味噌味のなめろう、塩味の鶏肉チャーシュー、醤油味のせせりと、風味の違う3品を選んでみました。
特に印象に残ったのはなめろうで、肴だと小間切れにして、味噌も薄目だと思うのですが、鶏肉はそれなりに大きく切られており、味噌も濃厚なので、生肉の味わいと食感を十分に堪能出来ました。
日本酒との相性も、これが一番だと感じました。
鶏チャーシューは、レアな食感を残しつつ、鶏肉とは思えないスモーキーな味わいも感じられ、上質な厚切ハムを食べている様な味わいで、日本酒よりもワインが合いそうな気がしました。
せせりは、コリコリとした食感と、鼻から抜ける炭焼の香りが絶品でしたが、淡麗な風の森を合わせると負けてしまうので、合わせるのはビールがベストだと感じました。
十津川産アマゴの骨酒というラインナップもあり、
地産地消の食材を多く使われている、良いお店だと思います。

午後に奈良で予定があり、ちょうどお昼時に近鉄奈良駅に着いたので、駅前商店街をウロウロしていて、たまたま見つけたお店です。南都銀行本店まで続くメイン通りは、コロナ明けの外国人観光客でごった返していて、異国情緒(?)溢れるカオスな状態でしたが、草餅で有名な中谷堂の辺りから先は、何故かメッキリと人通りもまばらになります。
ガイドブックに載っている様な人気店では無く、本当に良質なお店は、むしろこの様な場所にこそあるはずという動物的直感で、更に先に進んで行くと、「消費期限10分」という看板が目に飛び込んで来ました。
見ると、レア親子丼という代物の様で、限定5食と書いてあります。
一度通り過ぎましたが、どうしてもさっきのキーワードが気になり、探索は中断して戻って来て入店しました。
お店は、細い階段を登った先の2階にあるので、流石に外国人観光客には敷居が高いとみえて、店内には日本人しかおらず、落ち着いた雰囲気でした。
限定5食なので無理かと思いつつお店の人に尋ねてみると、今日は大丈夫との事だったので、迷わずレア親子丼を注文しました。
奈良で鶏肉といえば、真っ先に思い浮かぶのは大和地鶏ですが、このメニューに限っては、敢えて鹿児島の知覧地鶏を使われているそうです。
到着した丼を見てまず驚いたのは、鶏肉の色です。
普通は、鶏肉と聞いてイメージする色はサーモンピンクだと思いますが、この丼の地鶏は鮮やかな紅色をしていて、切口はまるでコーティングされた様に、にじみ出した脂で艶々と輝いています。
鶏肉に卵黄で親子丼という訳ですが、両方とも生だというのが、他所には無いオリジナリティです。
タタキというまでではありませんが、ごく軽く炙ってあるので、仄かに炭の香りも口中に広がります。
最初は、歯を跳ね返すクニュッとした弾力を感じますが、それを押し切って更に力を込めると、限界点を超えた所で一気にサクッと噛み切れる、悩殺的な噛み応えです。
また、皮は身とは全く違う食感で、キクラゲをイメージさせる、コリコリとした絶妙の噛み応えでした。
更に、鶏肉と卵黄を絡めてから食べると、まったりと絡みつく様な食感と旨味が加わり、瞬殺されそうなハーモニーでした。
また、根本的に感心したのは、左党なら誰でも知っているはずの、風の森3種(秋津穂、露葉風、ALPHA1)の飲み比べが用意されていたり、鶏なめろうという想像するだけでヨダレのこぼれそうなメニューがあったり、すだちで覆い尽くされた三輪素麺のメニューがあったりと、地産地消の地元愛に溢れていた点です。
妙にガイドブックに載って、外国人観光客でごった返す様にならない事を祈りつつ、個人的にはコッソリとリピしたい、正に隠れ家的な素晴らしいお店でした。