鎌倉の誇る老舗レストラン : ミッシェル ナカジマ

レストラン　ミッシェルナカジマ、鎌倉で訪問したいレストランの一つであった。
今回、鎌倉見物の最後が長谷駅だったので、こちらを予約。
実は、行くには不便な場所で、鎌倉市役所前のバス停からバスで行くのが一番だろう。長谷駅から歩いたが、20分かかった。ちなみに、鎌倉からタクシーだと千円ちょっとなので、3、4人ならタクシーがお勧め。

さて、中に入ると白を基調とした室内、テーブルのカバーも白で、なかなか落ち着いた雰囲気。鎌倉のフレンチやイタリアンのお店は、店内はカジュアルな雰囲気なので、鎌倉散策の帰りのカジュアルウェアだと、なんとなく合わないか、、笑

メニューは税込8,800円のお任せコースのみ。

テーブルにはメニューではなく、料理の素材が記載された紙がおいてある。

・スナック　クジエール、小猪の生ハムのポッキー
ポッキーは塩味である。ちょっとしたアミューズであるか、こちらの定番のようである。

・カスベとわかめのテリーヌ、ズワイガニ添え　グリビッシュソース
カスベとわかめを出汁のゼリーでテリーヌにして、ズワイガニをのせ、グリビッシュソースを添えたもの。海鮮の味と香り、グリビッシュソースの白ワインビネガーの酸味が、暑い日にはいいスタート。

・牛タンのポワレ　つるむらさきのソースとムール貝の出汁のソース。
牛タンにつるむらさきのソースとムール貝の出汁にサフランを混ぜたソース。ムール貝の身とみじん切りの柿が散らしている。2種類のソースで牛タンを頂くが、サフランのソースがいい。ムール貝の旨味の後にサフランの甘い香り、ピリッとした味が牛タンに合う。みじん切りの柿の甘さがいいアクセントになっている。

・とろナスのクレープ包みとイサキ　ピペラードソースとタプナードソース
とろナスを包んでいるクレープが美味しい。生地の味がしっかりとある。イサキは皮目のみ炙っている。とろナスのクレープはピリ辛のトマトのピペラードソース、イサキは爽やかな酸味のタプナードソースだろう。
香りもよく、これはお気に入りの一皿であった。

・パースニップのフォンダン、オマールの身、オマールのコンソメゼリーをグラスに
これもこちらの定番か。オマールのコンソメゼリーが定番で下の野菜のところは季節毎に変えているようである。パースニップ(白にんじんとかさとうにんじんともいう)のフォンダンの甘さが、塩味のコンソメゼリーとはよく合う。オマールの風味もしっかりとあり、なかなかの逸品である。

・コリンキーカボチャの冷製ポタージュ　あさりとオクラ添え
コリンキーの淡い甘さのスープ。あさりの身がスープの量からするとたっぷりとある。さてオクラだが、意外にもオクラのネバネバがスープのとろみとなり、なかなか面白い。オクラの風味も意外にスープと合う。ただ、アクセントにキャビアを添えであったが、これは必要ないか、、、。キャビアの味と香りが強いので、味のアクセントは魚卵のような強いものではない方がいい。あるいは無くてもいい。

・メイン魚料理　的鯛のポワレ　エビのソース　穴子のフリット添え
的鯛の淡白な身にはアメリケーヌの風味のソースは合う。定番の組み合わせだろう。穴子のフリットの衣には木の芽を混ぜている。これも定番の香りの組み合わせだが、なかなか工夫されている。

・メイン肉料理　子羊鞍下肉のロースト　グリーンペッパーソース
肉料理は3種類から一つを選ぶ。
鞍下肉は赤身肉で脂身も全くなく、クセもない。グリーンペッパーの爽やかな香りと辛さはあう。
添えてある野菜は、あやめゆきかぶ、にんじん、芽キャベツ、オクラ。野菜の味も濃い。

・アヴァンデセール　ココナッツのブランマンジェ、赤肉メロン、ミントのアイスクリーム
ミントのアイスクリームのミントがかなり強いので、全部混ぜて食べて下さいとの事。ミントのアイスクリームだけ食べると確かにミントの風味が全面に出る。ココナッツの香り、赤肉メロンの風味と一緒に頂くと、なかなか爽やかなデザート。

・デザート　チョコレートムースのカネロニ仕立て　ミックススパイスのアイスクリーム添え
カネロニの部分は赤紫蘇を使ったゼリーである。このゼリー、ゼラチンが強いのか切りづらいので一口で頬張る。赤紫蘇のゼリーは甘酸っぱく、紫蘇の香りはそれほど強くない。もう少し紫蘇の香りがあってもいい。
スパイスのアイスクリームはチョコレートとよく合う。

・プティフールはカシューナッツのマカロンとジンジャーのフィナンシェ

全体的にコースとしてはバランスも良く、また、考えられている。8,800円はお値打ちだろう。
場所は少々不便なところであるが、その徒労分の価値は十分にある。サービスもよく気づいているし、落ち着いて食事ができる、鎌倉では数少ないレストランだろう。

また、季節が変わり、メニューが変わる頃、来訪してみたい。