鎌倉の邸宅でいただく懐石料理 : 日本料理 鎌倉山 野乃華

マイレビュアー様の情報で知ったこちらのお店へ予約を入れて行って来ました。
ランチタイムは2,800円位の御膳スタイルの食事が人気のようですが今回は懐石コースを
食べたかったので事前にリクエストして鱧を組み込んでもらいました。
鮎や鱧はリクエスト発注になるそうでやや割高になります。

お店は住宅街の中の一軒家になります。
敷地内に駐車場がありますが道路からの案内がちょっとわかりずらくしばらく付近を
うろついてしまいました。
お店の前の駐車場に車を停めて階段を上り２階の入り口から入ると広い玄関がお出迎え。
靴を脱いでスリッパに履き替えて店内に案内されます。

女性スタッフに席に案内されるとオーナーが挨拶に来てくれました。
どういう経緯があるのかわかりませんが多分オーナーも女性スタッフも飲食店の経験はないと
思います。
勿論接客は丁寧ですがなんというか素人っぽい感じが否めません。

お昼は３種類の用意があるそうです。

・新・旬菜御膳　2,800円

　上中下段の御膳に小鉢、煮物、食事、デザート

・牡丹コース　　4,800円

　先付・造り・八寸・煮物・食事・デザートの全６品

・菖蒲コース　　6,800円

　前菜・吸い物・造り・煮物・焼き物・揚げ物・食事・デザートの全８品

今回は菖蒲コースに鱧料理を追加したので一万円のコースになります。

・前菜

　硝子の器の上に５種類のお料理が盛り付けられていました。

　穴子炙りと胡瓜ざく、煎胡麻はカリッとした食感身がしまった感じでした。
　煮穴子とは全く別の食感で弾力がありました。
　胡瓜ざくは蛇腹で食感も楽しめとても美味しかったです。

　合鴨と蓮芋の黄味酢がけはほんのり甘い黄身酢が美味しかったです。
　合鴨も柔らかく癖のない味わいでした。

　蟹と冬瓜の冷やしゼリーは夏らしく清涼感のある味わい。
　食欲のない時でもつるんとした喉ごしなのでいくらでも食べられそうです。
　出汁の味はおだやかで冬瓜の炊き加減も良かったです。

　金時草のお浸し叩き長芋は夏の定番のネバネバ食材。

　鬼灯トマトはほおずきの中に入っていました。

・吸い物替り

　貝柱と巻海老の茶碗蒸し。
　海老と帆立の火入れ加減が良くどちらの食材も上手に甘みを引き出していてとても
　美味しかったです。
　茶碗蒸しも出汁がしっかりときいていて流石和食店だなと思わせる茶碗蒸しでした。

・造り

　板長自ら運んで来てくれたお造りは鮪、イシガレイ、烏賊、鱧落とし。
　鮪は赤身主体なのでサッパリといただけました。
　烏賊には細かく包丁が入っているので柔らかく甘みがあって美味しかったです。
　イシガレイはフグ刺しのように紅葉卸がそえられていてポン酢でいただきましたが
　ねっとりとした身とサッパリとしたポン酢の相性が良かったです。
　これはなかなか美味しいお造りでした。
　事前にリクエストしておいた鱧は自家製の梅肉でいただきました。
　梅肉がたっぷりだったのが嬉しかったです。

・冷やし鉢

　鰊茄子、南瓜、モロッコインゲン。
　まず野菜がどれも美味しかったです。
　南瓜はほっくりと甘く茄子もトロリとした食感で出汁がきいてました。
　パプリカも何気に美味しく思わず野菜好きになりそうな一品です。
　鰊は甘く炊かれているのでしょうけど冷たいのでサッパリといただけました。

・焼き物と揚げ物

　焼き物と揚げ物が１つのお皿で供されました。

　鮎の風干しは所謂一夜干しのような味わいであまり鮎感はありませんでした。
　添えられた小芋がめちゃくちゃ美味しくて完全に主役を食ってました。

　無花果の揚げ出しは甘くてとろけるような食感でした。
　お出汁の味も良かったです。

　リクエストしていた鱧は山椒揚げ。
　そこまで山椒は感じず身はふわっとではなくしまった感じでした。
　鱧らしからぬ食感で初めての味わいでした。
　骨煎餅はポリポリしていて美味しかったです。

・食事

　玉蜀黍ご飯、赤出汁、香の物。
　こちらのご飯は厨房の大釜で炊いているのか土鍋ではなく最初からよそった状態で運ばれて
　来ました。
　量は大中小聞いてくれるので大でお願いしました。
　ご飯は少々薄目の味で上品と言えば上品ですが私には少々物足りない味わいでした。
　なので合間合間になめこと豆腐の赤出汁を挟むのがちょうど良かったです。
　香の物もちゃんと美味しいのでしっかりとご飯のアシスト役を果たしておりました。
　ご飯の大中小を聞かれたのでおかわりは出来ないかと思いきや、板長さんが席まで来て
　「ご飯と赤出汁のおかわりはいかがですか？」と聞いてくれました。

・デザート

　あんみつとクレームブリュレ。
　クレームブリュレはコアントロー風味という事でしたがこれがバカみたいに美味しかったです。
　コアントローのなせる業なのかはたまたクレームブリュレ自体が美味しいのかわかりませんが
　とにかく美味しくて夢中で食べました。
　あんみつも添えられたスイカが甘くて口の中がサッパリして良かったです。

食後板長さんが席まで挨拶に来て下さり色々とお話を聞けました。
以前何度か行った事がある横浜そごうの「大和屋」に店の立ち上げからいらした方で料理長を
勤めていたそうです。
大和屋の内情等も詳しく聞けて板長も話しやすい方で楽しかったです。
今回は奮発し過ぎて高額のコースになりましたがこういった料理を2,800円で味わえるのは
お値打ちだと思いました。
個室もあるようですしちょっとしたお祝いの席にも重宝しそうです。