気取らない雰囲気で本場仕込みのシチリア郷土料理が楽しめるお店！ : Trattoria NOTO

2022年5月、元町仲通りの中ほどにオープンしたシチリア料理のお店。
『ヴィア・トスカネッラ（関内）』、『クローチフィッソ（シチリア本店）』を経て、
『 クローチフィッソ（横浜鶴屋町）』の初代料理長を務めた阿部友佑シェフが独立し、
オーナーシェフを務めるお店です。


10月中旬、秋晴れが気持ちい週末にランチで伺いました。
『 クローチフィッソ』とMENUも似ていますし、どちらに伺おうかと迷いましたが、
こじんまりしていてシェフとの距離感が近そうな、コチラに予約の上、伺わせて戴きました。


週末の元町はメインストリートではないこの通りも人で溢れ、お店は満席。
諦めて引き返す人、多数で、予約しておいて良かったです。


お店のキャパはカウンター席、テーブル席、入口前のテラス席？トータル20席程でしょうか？
オペレーションは男性2人、女性2人の4人体制。
驚いたのは、阿部シェフがホールで料理やワインのサービスを担当しており、厨房に立っているのは別の男性（スーシェフ？）だった事。
阿部シェフが厨房に立つのは、基本的に夜のようです。


ランチタイムは2700円～7000円（税込）の5種類のコースが用意され、アラカルトの対応は無し。
食べたいと思っていた料理が全てカバーされたコースが無く、夜にしか提供されないMENUをコースに差し込ませて貰うなど、無理な要求にも心良く受け入れて下さり、感謝。


■さつま芋の冷製スープ

滑らかな舌触り、上品な味わい。
素揚げしたサツマイモの皮の香ばしさが良いアクセントに・・・。


■前菜盛合わせ

ハム＆ソーセージ類（スペック、ミラノサラミ、モルタデッラ）、カポナータ、
天然真鯛のカルパッチョ、オイルサーディン、フリッタータ（アサリ、グリーンピース入り）
スフィンチョーネ（アンチョビとトマトソースを乗せて焼いたパレルモ名物のピザパン）


■オレガノのフォカッチャ

サービスで戴いた自家製の”竹炭の燻製乗せバター”が旨々！


■鰯とフェンネルのスパゲティ 香草パン粉掛け（パスタ・コン・レ・サルデ）

シチリアと言えばこれ！的なパスタ。
鰯の旨み、フェンネルの風味・香り、炒ったパン粉の芳ばしさ、もちっとコシのある麺。
これらが１つに纏まった美味しさは、悶絶級！


■赤海老のビスクェ トマトソース リングイネ

濃厚なビスクスープがベースとなった深い味わいのトマトソースが麺に絡みます。
ソースの中には火の通った海老の身がゴロゴロ、麺の上にはマリネした海老のタルタルがたっぷり。


■蛸の燻製

ヴァプールした蛸に、薫を掛けた一品。
シンプルながら、薫香を纏った蛸の旨味がダイレクトに味わえ、蛸好き、燻製好きには堪らない一品です。


■カンノーロ

ザクザク食感の固めの皮の中には、たっぷりのリコッタチーズクリーム。
筒の片面にはブロンテ産のピスタチオ、もう一方の面にはシチリア’’ノート’’産のアーモンドスライスが飾られています。


■コーヒー

コーヒー、紅茶、エスプレッソの選択肢から、コーヒーをお願いしました。
コクのある美味しいコーヒーでした。


＜ワイン＞

以下、全てシチリア産です。

■duca di salaparuta spumante brut（ドゥーカ・ディ・サラパルータ・ブリュット）：950円

独特の風味がありますが、フレッシュでバランスの取れた味わいの辛口スプマンテ。
品種はグレカニコ&シャルドネ


■cusumano insolia 2021(クズマーノ・インソリア）：900円

香りや味わいはトロピカルフルーツ系。 輪郭がややぼやけた味わいで、あまり気に入らず。
葡萄はインソリア100％。


■possente kima 2021（ポッセンテ・キーマ）：1300円×2

シチリアの土着品種カタラット100％で造られたノンフィルターのオーガニックワイン。
花の香り、程良いミネラルも感じられ、ニュアンスはオレンジワインっぽい。


■possente bahira frizzante 2021 catarratto（ポッセンテ・バヒラ・フリッツァ）：1400円

こちらも、シチリアの土着品種カタラット100％のオーガニックワイン。
微発砲で、果実の甘さと程良い酸味のバランスが取れた飲みやすいワイン。


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初めての訪問で、お店の看板料理を一通り味わう事が出来て満足しました。
想定外の甘い味付けが口に合わなかったカポナータ以外は、どれも美味しく戴きました。


中でも一番、良かったのは、「鰯とフェンネルのパスタ」でした。
私がこの鰯のパスタ（パスタ・コン・レ・サルデ）に初めて出会ったのは、
2006年の夏、日本橋三越の裏手にあったイタリアン『フェア・ドマ』でした。


当時、このようなパスタがある事を知らず、好奇心でオーダーしたのですが、一発でその美味しさに嵌まってしまい、その後、色々なお店で食べ比べしたり、家でも真似して作るようになったパスタです。


いずれのお店のものも各々美味しく戴きましたが、コチラのものも、かなり刺さりました。
使われている食材はどこのお店も左程変わりませんが、形を残した鰯の身の旨さ、存在感と、
濃厚なソースの一部として麺と一体化した旨さは、かなりヤバかったです。


こんな感じで、ランチでも十分楽しむ事が出来ましたが、
シェフがSNSで発信されている内容や、この日交わした会話で思ったのは、
コチラの魅力を存分に味わう為には、やはり夜に伺うべきと言う事でした。


夜に伺えば、各地から取り寄せたその時々の旬の素材を、お客が希望する調理法で、或いはシェフお勧めの調理法で提供して戴くなんて事も出来るようですし・・・。


とりわけ飲兵衛の方は、「夜 × ワイン × アラカルト × カウンター席」がお勧めのようです。
ただ、夜はカウンター席から埋まっていくそうなので、予約時に、「カウンター席希望」と伝えてから伺うのが良さそうです。