ボリューミーな中華風定食がリーズナブルにいただけるお店 : 大興飯店

中華料理屋で9年程修行を積んだご主人が、
「学生さんにお腹いっぱいになって欲しい」と考えて昭和51年にオープンさせたのがこちらのお店。

平日の12時前に来店。
駐車場は少し離れた砕石敷きの場所（自転車屋と金澤留造酒店の間）に8台分程。
店内はカウンター4席、テーブル20席（4名×4卓、2名×3卓）、小上がりに4名×2卓。
こじんまりとした街の中華料理屋といったお店ですが、席数はそこそこあります。
10月だというのにエアコンがかなり効いており、少し肌寒いくらいでした。
料理は基本的にご主人一人で作っているようで、
まとまって注文が入ってしまった場合、料理が提供されるまでそれなりに待ちます。
伺った際は9割方席は埋まっていましたがまだ1組しか料理が出ておらず、かなり待ちました。
11時半～12時が入店ピークなのか、12時半を過ぎると席も空いてきて来店する客もまばらだったので、
少し時間をずらしてくると注文から配膳までが早くて良いのかも知れません。
客層はサラリーマンが9割で、学生や家族連れが残り1割といったところ。
場所柄、茨大生が大多数かと思っていたので意外でした。
でも壁には各部活の賞状や茨大OBが載っている新聞記事等が貼ってあったので、
学生御用達のお店であることは間違いないのでしょう。
大学生のランチとしては決して安くはない価格帯ですが、ディナータイムの価格として見れば安いので、
ランチよりディナータイムに、サークルや部活終了後に来店する学生客が多いのかも知れません。

子ども用のお皿や食器類も一式ありましたので、子連れでの来店も大丈夫ですが、
全席喫煙可能で各テーブルには灰皿が置いてありました。
ただ、食後にのんびり一服…という雰囲気のお店でもないためかタバコを吸っている人はいませんでした。

メニューは卓上に沢山のメニューが載った公式メニュー本と、卒バイト生作成のオススメメニュー表があり、
さらに店内カウンター席頭上にも短冊に書かれたメニューがビッシリと貼ってあり、
こちらにはメニュー表と同じメニューもありましたがメニュー表には載っていないメニューも…(￣□￣;)
つまり、メニュー数はかなりあります。
正確には、元となるメニュー数はそれ程でもないもののそれぞれを組み合わせたセットメニューが多い。
何があるのかメニューを把握した上で何を食べようかと本気で考える人の場合は、
これだけ種類が多いとプチパニックに陥るのではないでしょうか。
最近多いリーズナブルな中華料理屋（例；中国料理の鉄人、四季紅）のように、
Aから1つ＋Bから1つで○○○円のようなメニュー設定にすればわかりやすいのにな…と思ってしまいました。
それと、ランチタイムのみなのかディナータイムもなのかは不明ですが、
店内外には「大盛り無料」のポップが貼ってありました。
ライスや麺の大盛りなのかおかずを含めた料理全体の大盛りなのか詳細は不明。
注文したのは、店頭に貼ってあった「焼肉入り和風つけ麺」（750円）と、
おすすめメニュー表に載っていたスタミナ丼と油淋鶏のセットである「15番（ユーリンチー）」（850円）を注文。
つけ麺は大盛りでお願いしました。


★15番（ユーリンチー）…850円
注文後10分くらいで到着。
こちらは、

・スタミナ丼
・麻婆豆腐
・油淋鶏
・スープ
・漬物

がセットのメニュー。
「スタミナ丼」とはこちらのお店の看板メニューとも言えるくらいメジャーな丼で、
ニラ入りの卵炒めと豚こま肉を甘辛い味付けで炒めたものがご飯の上に半分ずつのり、
その上から一味唐辛子が少々振り掛けてある丼。
単品でも存在するメニューです（単品だと650円）。
こちらは大盛りにはしなかったものの、それでも「スタミナ丼」に入っているご飯は茶碗2杯分くらいありました。
私は難なく完食しましたが、小食な方はご飯少なめ（-30円）にした方が良いでしょう。
ただ、確かにボリュームはありますが、卵炒めも豚肉炒めも一人暮らしの学生が作りそうな味付けで、
特段美味しいものでも、自分では真似できないようなものでもなく…正直、今ひとつ。
麻婆豆腐は小皿にたっぷりと入ってきます。
小さめのお茶碗1杯分のご飯のおかずとして十分な量。
豚挽き肉と豆腐たっぷりでとろみは弱め。
四川花椒の味はせず、黒胡椒が効いた割りと和風な、定食屋の麻婆豆腐らしい味付け。
これはこれで美味しいです。
油淋鶏は、鶏唐揚げに刻み長葱と青紫蘇（？）入りの醤油ベースのタレが掛かっているのですが、
お酢がほとんど入っておらず油淋鶏ならではのサッパリ感があまりなく、
その分醤油の塩味が強く感じられてしまいました。
唐揚げの衣は少し厚めで歯ごたえがありました。
ただ、使用していた鶏肉が胸肉ではなくもも肉だったので、
お肉に弾力性もあり且つジューシーで、お肉そのものは美味しかったです。


★焼肉入り和風つけ麺（大盛り）…750円
「15番（ユーリンチー）」が食べ終わる頃になってようやく到着。
珍しいメニューを頼んだせいもあるのかも知れませんが、それにしてもちょっと時差があり過ぎ。
グループで来店の場合は要注意です。
出てきたのは、

　・中華麺
　・トマトのスライス
　・千切りきゅうり
　・茹でもやし
　・豚ロース（2枚）

がのった平皿と、刻み長葱入りの冷たい和風スープ。
どうやら、少なくとも麺類メニューにおける大盛りは麺が2玉となるだけのようで、おかずの量は変わらないようです。
麺はかん水たっぷりのよくある中細の中華麺。
麺の茹で加減はちょうど良かったのですが水切りが甘く、
しかも豚肉の下に敷いてある茹でもやしから出てきた水分も加わり、
下の方の麺はビチャビチャ。
しかも、そこに炒めた豚肉の油もだんだん混ざってきて…うーん、これはちょっと厳しいかな。
お肉は厚切りの豚ロース肉で、日本酒に漬け込んでいた時間が長いのか、やや酒臭いです。
つけ汁がさっぱりとした味付けの冷たい汁なこともあり、
つけ麺と言うよりざるラーメンと呼んだ方がしっくりくるメニュー。
大盛りにしても多いのは麺だけですので、途中で飽きもきますし、
後半は豚肉から出た脂塗れになった水っぽい麺ですし、
その上さらにつけ汁が冷たいものだから脂っぽい麺は決して美味しいとは思えず。
残念ながら、これははずれメニューだと思います。


こちらのお店のポイントは、

・メニュー数が豊富な点
・ボリュームのあるメニューが多い点
・夜でも昼と値段が同じ点＝夜でも安い点

でしょうか。
最近は中国人が腕を振るうそこそこ本格的な中華料理が、
ランチタイムであれば580～800円くらいでお腹いっぱいいただけるお店が増えてきているので、
この味、この量では少なくともランチとしては満足度は今ひとつかな…。
ただ、ディナータイムもこのお値段なのでディナーとして考えるとかなりコスパが良いと思います。
ランチタイムは、ワザワザここに食べに来る程のものではないと思いましたが、
一人暮らしをする学生さんがお腹いっぱい夜ご飯を食べられる店としては良いのではないでしょうか。