冬の土用の丑の日！天然物の鰻重 : 札幌のうなぎや

土用の丑の日といえば、ついつい夏かと思いきや、一年中季節毎にあると知ったのは、かなり大人になってから、というか恥ずかしいことに割りと最近。

当日ではなかったものの、年末から立て込んだ仕事疲れを癒そうと、精をつけるために鰻を食べることに。

やってきたのは北区にある『札幌のうなぎや』
粉雪舞う夜、先客は一組。

なんせここ数年鰻の稚魚は減り続け、数日前のニュースでも日本周辺の海域では確か前年度の1%の稚魚しかいないとか。

私が子供の頃には、けっこう頻繁に食卓にのぼっていたと記憶しているが、もはや食べられなくなってしまう存在になりかねない！

ということで、清水の舞台から飛び降りるつもりで天然の鰻を注文。

15分程で到着したお重はいつも食べる養殖の鰻の重箱より一回り大きなもの。

さっそく蓋を開けると…

ふっくらとした艶やかな鰻が。

う～ん、、、

さすが天然もの！

言葉にならないくらい旨いっ！

脂のりも最高で、天然物はイメージ的にはもっとしっかりとした歯ごたえがあるのかと思いきや、肉厚で多少の弾力はあるものの、フワリと口にとけてゆきます。

鰻そのものの美味さと、やはり焼きの巧さでしょう。
嫌みのない脂のりがたまりません。

お椀は通常はきも吸いだけれども、こちらのお重には豪華な土瓶蒸し。

ほんのり生姜が効いて、上品なお出汁。
くずきりや三つ葉、鰻の身もたっぷりと入っています。
これもまた絶品！

よく冬の魚は栄養をたっぷり蓄えていて夏場よりも美味しいというものも多いけれど、鰻もそうでしょうか？？

夏より脂がのってるんじゃないかしら、と思うくらい。
(いえ、なんせ天然物は初めてなので夏はもっと旨いのかもしれませんが)

関西風や関東風、タレの好みにも大きく左右されるかとは思うのだが、私はこちらの鰻やお店の佇まいも好ましく、なおかつ天然物までいただけ大満足。

こちらの天然物の鰻重は、九州産の鰻が200㌘で6,150円でありました。

天然会席なるコースもあり、こちらは白焼きに蒲焼き、ひつまぶしまで付く全11品(うなぎの量はわかりませんが)11,300円。
何だかコースのほうがお得のような気になってくるのが恐ろしい(金銭感覚麻痺状態)

ちなみに次回の土用の丑の日は2月2日。
いえ、もちろん立て続けに食べには行けませんが(泣)

平日のランチタイム。
新琴似から八軒へと向かう途中ということで、さてどちらに行きましょう。
またラーメンか？いや、うどんにでもしようか、なんて思って車を走らせていると、左手にそそる看板と暖簾が。

『札幌のうなぎや』
一度通りすぎたものの、ついついUターン。
久しぶりにうなぎ食べたいモードへ。

1時少し前。
ガラガラと戸を開けると
「いらっしゃいませ。そちらの席へどうぞ。」と促され一人ではあったが、6人掛けのテーブル席へ。
平日ということもあろうが、先客は二組でほぼ食事を終えている。

さて、うなぎが食べたいとはいえ朝御飯をしっかり食べ過ぎて実はあまりお腹が空いていない。
ということで、うな重半身(90g)のご飯少なめで注文。
値段の違いはあくまでうなぎの量で決まる。
一番少ない半身から中割重(一匹半280g)まで。

こちらは焼き場とホールの間が硝子戸で仕切られており、うなぎ屋さんらしいあの独特の香ばしい匂いがあまり漂ってこないのが少々物足りないような…。
でも、お腹が空いているときにあの香りは酷なので、間仕切りはそれはそれで有りなのでしょうか。

15分程でお膳が登場。
蓋を開けると艶やかなうなぎが。
焼きはそれほど強くはなく、皮のほうもあまり焦げ目はありません。
半身なのでもちろん大きさは予想通りだが、厚みはまずまず予想以上。

箸を入れるとしっとり、柔らかい。
ご飯と一緒に一口。
おっ、ふっくら、くどさがないがうなぎ。
タレもかなりあっさり。
ちょっと足りない感じがするのでタレをかけます。

ご飯は柔らかすぎるというほどではないのだが、ふっくりんこ？のような食味。
おかげでタレがよく染み込みます。

さらさらっと入る、とても食べやすいお味。
私の中ではガツン系に入る、「活鰻」や「かど屋」とは違う、二葉のような上品な優しい味わい。

きも吸いは更に上品なお味で、とても美味しい。
きももしっかり、なかなか大きい。
漬物は“超”が付くくらいの浅漬け。
少しだけかけられた醤油が、この浅漬けをより引き立てている。

そして、他のお店では今まで見たことがなかったのだが、こちらのお店ではうな重にもわさびが添えられている。
テーブルにはもちろん山椒があるので、まずはそちらを振り掛けていただいたのだが、山椒がピリッと効いてそれは美味しいのだが、わさびでまた全く違う味わいに。
白焼きでは通常添えられているだろうが、うな重もわさびでいただくとは！
本わさびの辛味の奥にある甘さが、こちらのあっさりタレとうなぎに良く合っている。

このわさびでいただくうな重というのが私の中では非常に新鮮でポイントが高かった。