【ランチ】 飛騨牛トマト丼　飛騨なっとく豚トマト丼　トンテキ定食 : 宴蔵

　岐阜駅から二時間かけて下呂駅に到着しました。

　下呂は、飛騨の山間にこそっとたたずむ小さな町です。耕作地などは、少なくとも駅の近辺には目につかず、温泉ホテルと温泉旅館がひしめいている、温泉城下町とでも言いましょうか、そういう町に見えます。

　まずは、腹ごしらえでございます。

　最近、ご当地グルメというのが、大いに話題になっております。

　下呂地区の名物と言いますと鶏ちゃんが筆頭にくるでしょう。鶏肉を味噌味や醤油味で焼いた料理です。

　その次は、下呂に限りませんが飛騨地区の名物料理になりますと「ホウ葉味噌」がくるのではないでしょうか。ホウの葉のうえに味噌をのせて焼く料理です。
　飛騨地区にエリアを広げますと、漬け物ステーキ、高山ラーメンなどが選択肢にはいってきます。

　そのなかで、新興のご当地グルメとして「トマト丼」が開発されました。　

　このエリアでトマトが名産というのは、トマト丼の噂を聞くまで知りませんでした。下呂＝トマトという発想は全くなかったのでございます。

　で、トマト君がどう丼に参加しているのでしょう？

　トマト君の営業方針として、生のまま、そのままの姿で参加する「ナマ方針」と、火を通して姿を隠す「グズグズ方針」があります。

　トマトの立場になって考えますと、トマト君もまさか牛丼や豚丼に参加するということは、考えてもいなかったのではないでしょうか。丼方面は全く関係のない方向と油断していたはずです。

　急に「ドンブリ方面に進出することになった。新たに営業をせよ」と言われた時の驚きと戸惑いは、同情するにあまりあります。トマト君の営業方針として、どちらのスタイルで進んでいったらいいのか、かなり迷ったに違いありません。「グズグズ方針」を考えると、その場所は、牛丼や豚丼は、タマネギ君の指定席と昔から確保されていますし、「ナマ方針」で行こうとすると、肉の上の紅一点の席は、紅ショウガさんの指定席と決まっているからです。生方針とグズグズ方針どちらを選択したのか。かなり会議が紛糾したはずでございます。

　その会議の結果を確認しなければなりません。

　トマト丼を開発した店は、下呂の合掌村の近くのお店ですが、下呂駅から遠いので、駅の近くで探しました。
　市役所の横の　宴蔵　という店がトマト丼を提供してくれるようです。

　飛騨牛トマト丼、飛騨なっとく豚トマト丼、の牛丼方面と豚丼方面の両方に進出することができたようです。それも、牛は飛騨牛、豚は「なっとく豚」をペアに選んだようです。ついでに、初対面の「飛騨なっとく豚」を味わうために、飛騨なっとく豚トンテキ定食を頼みます。

　飛騨なっとく豚というのを存知あげなかったのですが、調べますと、「最近注目を浴びている『飛騨なっとく豚』もご当地料理に使われ、数多く飼育されています。また、ハムやソーセージなどの加工品はお土産として喜ばれています。」なんだそうです。

　飛騨路下呂温泉。名泉が湧き出るこの地に、知る人ぞ知るうまいと評判の豚肉がある。飛騨と聞いてまず思い浮かべる味覚と言えば飛騨牛。 しかし、やわらかくてあっさりした味が評判となり密かに頭角をあらわしているのがこの「飛騨なっとく豚」。

　他の豚との違いは、よもぎ粉末とビタミン E を配合した飼料で育てることです。豚はよもぎの香りに喜び、夏でもよく飼料を食べるため成長が早い為、それだけ若くて元気のよい状態で出荷できるのです。

　ビタミン E を多く摂った豚の肉は脂肪の酸化が抑えられ、旨みを含んだ肉汁の流出が少ないという特徴を持っております。その中でも中以上の良質の肉のみが「けんとん」と呼ばれます。

　さらに飛騨で唯一の指定生産農場の堀田さんは、飼料として納豆の粉末も配合して食べさせています。

　これは豚の胃腸の働きを高めるためにより健康に育てるため。こうして健康に育てられた豚だからこそ肉質がやわらかく、脂身に雑味がなく、やわらかくてあっさりした味に仕上がるのです。

　現在、「飛騨なっとく豚」の出荷量は週 30 頭ほどの希少な豚。そう、実に貴重な食材、幻の豚と言っても過言ではないでしょう。

☆第58回飛騨畜産共進会（肉豚の部）　平成22年2月26日　高山市飛騨食肉センターで『最優秀賞』受賞！


　トマト丼は、トマトと一緒に肉を煮込んだ「ぐずぐず方面」の料理ではなく、基本的に牛丼や豚丼にトマトをトッピングした料理でございました。

　では、その全貌を確認いたしましょう。まずは、飛騨牛トマト丼です。

　紅一点の紅ショウガさんに代わって、トマト君が丼の表面に座っています。櫛に切ったトマトが乗っているのかと思っていたのですが、それをさらに切ってあります。

　次に、飛騨なっとく豚トマト丼です。

　トマトがやたらたくさん覆い隠すようにのっているのではないので、多くの部分は牛丼、豚丼の味わいそのままです。牛丼や豚丼の甘辛い味にトマトの酸味が合わさってサッパリ感を感じさせる料理になっています。

　基本的にこれらと茶碗蒸しがセットになっています。


　では、飛騨なっとく豚トンテキ定食です。

　うん、飛騨牛の牛丼は、やっぱりチェーン店の牛丼とは全然違う味わいだぞ。


　飛騨牛で牛丼って　めっちゃぜいたく！！


　今回予定になかった飛び入りの「飛騨なっとく豚トンテキ定食」は、豚の味が十全に感じられるトンテキでございました。


　腹もクチクしましたので、腹ごなしに下呂の街を散歩しましょう。


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