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店名 |
キッチン妻
|
---|---|
ジャンル | 食堂、洋食、ステーキ |
予約・ お問い合わせ |
03-3807-1980 |
予約可否 | |
住所 | |
交通手段 |
京成本線「町屋」駅より徒歩5分 荒川二丁目駅から296m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
~¥999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
13席 (カウンター9席、テーブル4席) |
---|---|
個室 |
無 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | カウンター席あり |
ドリンク | ワインあり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
備考 |
【荒川区荒川7-42-2 より移転】 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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荒川区荒川4丁目。思い起こせば、去年の春先。いつものように暇つぶしも兼ねて、私の興味を引く店はないものか、自宅のパソコンで食ベログをぼんやり眺めていると、なんとキッチン妻という店名に思わず前のめりに。察するにお色気タップリの人妻が、精力満点の手料理でもてなしてくれそうな第一印象。
もしかして、壇蜜にそっくりな好色妻が全裸にエプロン姿で接客してくれるなら、宮沢賢治よろしく雨ニモマケズ、風ニモマケズ、毎晩通い詰めるのは間違いない。
そんな傍から見れば、どうでもいいような妄想と股間を膨らませつつ、取り敢えずブックマークをしておいた。店の最寄りとなるのは、荒川区にある町屋駅。私が住む墨田区のお隣りゆえに、南千住界隈はちょくちょく訪れるものの、町屋へはアクセスも今ひとつで本当にこの町には縁がない。
そうこうするうちに1年以上の月日が経って、ある日の週末ようやく訪れる機会を得た。京成電鉄の町屋駅改札口から、目の前の藍染川通りを抜けて荒川中央通りを歩くこと3分ほど。周辺の町並みは昔ながらの長屋が建ち並ぶ典型的な城東エリアの下町に様変わり。
町屋駅から10分近く歩いただろうか。お目当ての店が、ようやく見えてきた。袖看板には、すっかり色あせたキッチン妻の文字。およそ外観はこじゃれた洋食店とは程遠い。店頭には、本日の日替わりランチが書かれたスタンド看板が置かれている。きのこスパケッティでたったの600円。しかもトースト又はライスが付くという。ええっと思わず目を凝らして、再度見直す。トーストはまだしも、ライスにスパゲッティとは驚愕の組み合わせ。ハンバーグやとんかつの皿に、ナポリタンが添えられることはあっても、せいぜいひと口サイズのボリューム。もし主食同士の組み合わせだとすれば、お好み焼きや焼きそばを、定食として食すのが珍しくない関西人もびっくりなはず。
店に入ると、場末のスナックと見紛うカウンター主体のこじんまりとした店内。迎えてくれたのは、60歳前後のエキゾチックな顔立ちのおかみさん。この女性が、店の看板娘ならぬ看板妻なのだろう。さすがに壇蜜レベルの三十路美女は高望みだったのだろうか。せめて壇ふみレベルならとの儚い期待は、果たして如何に。
そして入口近くには、先客の年配女性がひとり。これから百貨店へでも買い物に行くのか、余所行きの恰好でルイヴィトンのバックを傍らに置いている。見るからに小金持ちといった雰囲気を漂わせているものの、足元は膝下丈のシースルーストッキングを履いている。さすが荒川の有閑マダムと言うべきか。
怖いものみたさに、日替わりランチをライスで頼もうかと思いつつ、参考までにほかのメニューも眺めてみた。夜は、800円から定食を食べられるようで、なかなかリーズナブル。ただし場違いともいえそうな、3000円を超えるサーロインステーキも提供している。次回訪問には、高級単品料理をつまみにグラスワインでも飲りたいところ、店の名前が妻だけに。
やはり初志貫徹ということで、日替わりをおかみさんに頼むと、「トーストかライスが付きます」と返事。もちろん怖いもの見たさにライスを選択、「ライスでいいのね?」とおかみさんは念押し。おそらくライスを頼む奇特な客は珍しいのだろう。
奥の厨房にて、およそコックとは程遠い見た目のご主人が、フライパンで麺を炒める音を聞きつつ、テレビのニュース番組を観ること10分足らず。まずはおかみさんが準備をしていた、ミニサラダと玉子スープは運ばれてきた。続いてキノコをふんだんに使ったスパゲッティ。粉チーズはデフォルトで振りかかっていた。そして平皿に盛られたライスのお出まし。
スパゲティとライスが並び立つ、まさに強烈な見た目に思わず笑うしかない。この組み合わせなら、スパゲッティをおかずにライスを食べるというのが、食べ進めるにはいいのかも。
こちらのスパゲッティ、思った以上に油っこくて、ジャポネやリトル小岩井のようなジャンクで懐かしい味わい。なるほど白飯と一緒に食せば、意外やおかずとしてもいけそうな気がしてきた。
いつもは小食気味の私、本来ならライスを少し残すぐらいがちょうどいい今回のボリューム。ただし残そうものなら、ご飯はやっぱり合わないのかもとおかみさんに反省されては面白くない。ここは少々無理して何とか完食。この一回の食事で、一日の必要以上な炭水化物を充分賄うことができただろう。
すっかり油にまみれた口の周りを、この店に不釣合いともいえる、やわらかプレミアムティッシュで拭ってお会計。店を出るや、入れ違いにて入店してきたのは、仲良くママチャリで乗り付けた20代前半の夫婦。ドレッドヘアでヒップホップ系のご主人と、小柳ゆきに似た上腕部にタトゥーを入れた奥さんの二人。せめてこちらの奥さんが、看板妻だったらいいのにと思わずにはいられなかった。