ややコスパに課題もパンは美味しいです。 : プクガリ

この日は久しぶりに千歳烏山にやって来ました。
千歳烏山との縁と言えば、前の勤務先時代に人事関係の仕事でこちらの商店街の組合(全国区で有名みたいですね。)と縁があったことが挙げられます。
また、これも人事関係ですが、こちらの駅が最寄り駅の一つになっている研修施設をよく利用していたことで、小田急の経堂駅と並んで千歳烏山も馴染みの駅になっていました。
更に、私の通っていた高校（都立高校）は、当時学校群制度というのがあって、目黒区、渋谷区、新宿区、世田谷区の第2学区に属していましたので、千歳烏山に住んでいた同級生も結構おり、その面でもそれなりに縁のある駅ではありました。

この日のランチは、その千歳烏山の「麦香」というお店で讃岐うどんをいただきましたが、東京都内のお店としては稀有ななかなかリーズナブルなお店で、まずまずの満足が得られました。

ランチの後は、休日の食べログ活動の定番のベーカリー巡りということになりますが、せっかく千歳烏山までやって来ましたので、その周辺でベーカリーを探索します。
その結果ヒットしたのが麦香と同じ駅の北側エリアにある当店になりました。

当店は、2011年（平成23年）にご夫婦で立ち上げたお店だそうですので、既に創業して丸10年を超えています。
起業して10年続くということは簡単なことでは無いので、立派なものだと思いますが、ここに来るまでには色んなご苦労もあったようです。

店名のプクガリは、プクプク体型＆ガリガリ体型の組み合わせのご夫婦ということから命名されたらしく、なかなかユーモア溢れるオーナーさんかなと思われるのですが、当店開業後に奥さんが小麦アレルギーに見舞われてしまったそうで、これも大きな試練の一つになったようです。

パン屋の奥さんが小麦アレルギーなんていうのは悪い冗談みたいに思われますが、これが本当のことで、それを機に当店も原材料を見直して、グルテンフリーの路線も取り入れるようになったそうです。
これが災い転じてになったのかどうかは分かりませんが、このグルテンフリーのパン（米粉パンなど）が現在では当店の経営の一つの軸になっているみたいですね。

当店の場所は、ランチをとった麦香のある6番街通り商店街を北上し、旧甲州街道を左折してすぐにある「烏山総合支所」の信号を渡って烏山通りに入り、50ｍほど進んだ右手になります。
角地の建物の1階にあるお店ですが、烏山通り沿いに入口があります。

店内は、入って右手の壁際の棚とレジ横の棚、そして奥のスペースの棚に分かれてパンが並べられています。
レジ横の棚と右側の壁際棚が食パンやカンパーニュ、クロワッサン、カレーパン、メロンパン、クリームパンなどの看板商品が並べられているコーナーになりますが、特に壁際棚はかなりの品が欠品になっており、棚はスカスカでした。
その代わり、奥の棚はまだ商品がたっぷりある感じでした。

価格帯は、町のベーカリー＋αくらいかなという予想を立てていたのですが、明らかにそれよりは高いです。
例えば、クロワッサンは＠270円ですし、ベーコンエピは＠290円で、パン・オ・レザンに至っては＠410円と高級ブーランジェリー並みのお値段です。
かと言って、グルテンフリーのパンがズラッとラインナップしているわけでもなく、普通の小麦粉を使用したパンが中心みたいなので、お値段については、ちょっと違和感があります。

購入したのは、以下3点になりました。
・カレーパン＠270円
・ぷくがり＠100円
・クリームパン＠250円
合計620円

ぷくがりというのは、ごく普通のテーブルロールですので、町のベーカリーに当たり前に置かれているカジュアルなパンばかりの購入でこのお値段は、やはり高いと感じます。
特にクリームパンの＠250円は、過去に購入したクリームパンの中でも一番高いくらいではないでしょうか。
持ち帰って、翌日の朝食に供しました。

カレーパンは、レンジで20秒チンした後、600Wのオーブンで4分間加熱していただきました。
当店の人気NO1の商品でマスコミにも取り上げられたことがあるパンだそうですが、衣がザクザクなところが個性的です。
旨味たっぷりのカレーフィリングとザクザクな食感の衣は好相性で、引きの強いパン生地もその美味さに一枚加わっています。
確かにクセになりそうなカレーパンではあります。

ぷくがりは、レンジで15秒チンした後、600Wのオーブンで3分間加熱してマーガリンをつけていただきました。
どこのお店でもそうですが、店名を冠した商品というのはかなり思い入れの強い一品なのだと思いますが、当店ではオーソドックスなテーブルロールにこの名前を付けているのが面白いですね。
何でもご主人の修業時代の思い出が詰まっているとか。
ほんのりと甘みも感じる柔らかい生地のテーブルロールで、軽い食感ながら小麦の香りがしっかり漂ってきて、なかなか美味しかったです。

クリームパンは、どうして@250円とクリームパンにしてはかなり高いお値段がついているのか、商品解説を見てもよく分かりませんでした。
普通、プレミアムの乗っているお値段のクリームパンだと、卵や牛乳など何かしらのこだわりがあるものですが、この商品は「自家製カスタードクリーム」「期間限定おすすめの逸品」としか書かれていません。
実際食べてみたところ、かなり優しい甘さで素材の風味が生かされているクリームであるのは間違いないですね。
パン生地は薄くて軽い食感なので、余計にクリームの美味しさが際立ちます。
しかし、それでも@250円はやや高いかなと。。

全体にパンはとても美味しいのですが、当店の場合は、やはりお値段とのバランスに尽きると思います。
千歳烏山の庶民的な商店街に立地するベーカリーとしてはやや違和感を禁じ得ませんでした。
小麦アレルギーを克服して頑張っておられるお店ですので、応援したい気持ちはあるのですが。