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祇園の老舗喫茶店でいただく明治時代の焼うどん
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店名 |
祇園喫茶 カトレヤ
|
---|---|
ジャンル | 喫茶店、カフェ |
お問い合わせ |
075-708-8670 |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
祇園四条駅から420m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
~¥999
~¥999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
席数 |
30席 |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ホームページ | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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当サイトでも以前紹介したが、焼うどんの発祥と言えば小倉のだるま堂というのが定説だ。昭和20年の終戦直後、物資欠乏の中で乾麺を使った焼うどんがその始まりとされている。しかしながらそれよりずっと古い焼うどんを京都で見つけた。それも昭和どころか何と明治時代まで遡れるというから驚きだ。
日本を代表する繁華街、京都祇園。その中心、八坂神社の目と鼻の先にカトレヤという喫茶店がある。創業なんと70年。その前もブランクを挟んで店をやっていたというから、さすが古都と言うほか無い。この喫茶店に冒頭で触れた焼うどんがあるのだ。しかもかなり独特な。
訪れたのは9月中旬、日曜のお昼時。祇園四条界隈は予想通りの人ごみだ。食事の順番を待つ行列が出来ている人気店も多々ある。そんななか、食事より喫茶メインのカトレヤは落ち着いた静けさをまとって佇んでいた。
店内も外の喧騒とは別世界。控えめな照明の下、アンティークに囲まれて数名の客がそれぞれの時間を堪能している。客席は2~4人掛けのテーブルが6卓ほどと、10人掛けの大きなテーブルが奥に一つ。スタッフは若い男女1名ずつ。手前から二つ目のテーブルへと促され、腰掛けてメニューを受け取る。
食事は最後のページにあった。トースト、ピラフ、カレー、オムライス。それら喫茶店ぽい品々の下にあるのが目的の焼うどんセット、1,200円。英語だと「Hotboilednoodlesset」。なんだかどこかのバンド名みたいだ。
焼うどんはこのセットのみで単品は無いらしいのでこれを注文。飲み物はブレンドコーヒーを指定した。調理は男性スタッフの担当で、手元は見えないがフライパンで炒めているようだ。いい香りが漂って待つことしばし。
「お待たせしました、焼うどんセットです」
そう言われてお盆が置かれたが、さてはて、随分変わった焼うどんではある。
メインの皿には具と一緒に炒めたうどん玉が盛られ、その上に山盛りの千切りキャベツが乗っている。キャベツにはコショウが振りかけられているだけだ。そして右手に添えられたのはウスターソース差し。そう。お察しの通り、この店の焼うどんはソース後掛けスタイルである。焼きそばのソース後掛けはこれまで各地で見かけてきたが焼うどんでは初めてだ。どれ、早速いただくとしよう。
麺はやや扁平気味の柔らかく太いうどん玉。具はスクランブル状の玉子と短冊切りのベーコン(ハム?)。それらが塩コショウと醤油でごく薄味に炒められている。そしてその上に目を引く山盛りの千切りキャベツ。そういえば以前紹介した京都の焼きそば店のいくつかも(こことかこことかここ)、これでもかという量のキャベツを入れていた。京都ではキャベツをたっぷり使わないと気がすまないのだろうか。
用意されているソースは爽やかかつ円やかで、際立った特徴の無いタイプ。たっぷり掛けて混ぜても、しつこくならない。ルーツが古いことを思わせる素朴な味わいだがシンプルで美味しい。量はほどほどで女性でも少し足りないくらいかも知れない。
食後にコーヒーが出てきたついでに焼うどんについて訊いてみた。確かに先代の頃から出していた品で、ルーツは明治の頃だという。ソースも3代使い続けているそうだ。ちなみにこちらの記事では「明治の時代にうどんを洋食にアレンジして食していた」伝来の味と謳う看板があったらしいが、この日は見当たらなかった。
「建物は70年ですけど、例えば奥にあるステンドグラスは明治初期の品ですね」
さすが古都。侮れない。さらに店内には井戸があり、八坂神社の御神水が湧いているという。その井戸ではないがポンプで地下水を組み上げて自前で濾過し、コーヒーやお冷に使っているそうだ。焼うどんもコーヒーも、さりげなさ気でありながら奥が深い。祇園の人ごみに疲れたら、ふらっと立ち寄ってみてはいかが?