【1459】ほろほろ鳥より甲斐路軍鶏よりカタラーナ : 中村農場

2,194文字★

東京から山梨県に旅行で来ております。

食べログのスコア3.61は山梨県全体で9位、口コミ数254件は県5位の中村農場。
地鶏「甲斐路軍鶏」、銘柄鶏「甲州頬落鶏」、食鳥の女王「ほろほろ鳥」などを飼育しており、
自社工場で解体した新鮮な鳥肉を楽しめると人気になっているようです。

平日13時半ぐらいに訪れたところ、行列こそ無かったのですが満席に近い客入り。
事前に食べログでチェックしていたほろほろ鳥の串焼きなどは土日の売店販売とのことで、
平日ランチタイムは基本的に丼や定食のみの提供となるようです。

店先の砂利敷き駐車場（広いです）に車を停めてお店へ。
地鶏料理や親子丼の看板が立っている左側がお食事処エリア。
直線カウンター4席とテーブル8卓で30～40席ぐらいありそうです。
中村農場の看板が立っている右側の直売所エリアでは卵や冷凍の鳥肉などを販売。
食後は伝票を直売所エリアのレジに持って行ってお会計。

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は内税です

【3.2】ほろほろ鳥の親子丼（1,600円）

注文から料理の提供まで20～30分ぐらい、3品同時に出てきました。
食用の女王と呼ばれ、フレンチのメインなどにも使われる、キジ目の鳥「ホロホロチョウ」。
日本では岩手県の石黒農場がほろほろ鳥の専門農場として有名ですが、
同農場でも少数ながら飼育されているようです。

数量限定とのことですが14時（ランチタイム終了）の30分前でも注文可能でした。
同農場の公式ホームページでは20食限定となっていますが、
スタッフの話では日によって捌く数が異なるので約20食といったところでしょうか。

親子丼ですが白身の一部が生のまま残るぐらいレアーな火入れ。
一方でほろほろ鳥は中までしっかり火が入っているようでパサつきを感じてしまいました。
ほろほろ鳥ということで鳥肉自体は美味しいのですが火入れが足を引っ張ります。

東京赤羽の川栄では前述石黒農場のほろほろ鳥をお造りで提供しているのですが、
ストレートに素材を楽しめる川栄のお造りのほうが満足度は遙かに高かったです。
親子丼としては東京自由が丘、本家比内邸の「比内地鶏親子丼（1,296円）」。
そちらのほうが鶏肉もレアーな火入れで筆者の好みに合いました。

比内地鶏の親子丼でも1,300円ということを考えると、1,600円であれば感動できる何かが欲しいです。
お米は梨北米コシヒカリを使用。
平日ランチ限定で単品各種に無料で地鶏スープのサービス、スープは鶏清湯といったアッサリ味でした。

【3.1】甲斐路軍鶏チキン南蛮定食（1,733円）

モモ肉ではなく全てムネ肉に衣を付けて揚げているようです。
前述の親子丼もそうでしたが、ムネ肉にしっかり火を通して揚げているのでパサつきを感じます。
しかし軍鶏にしては肉質に締まった硬さが無くてやわらか、旨味がアッサリしているように思いました。

お隣の長野県で信州黄金シャモ（のモモ肉）を食べる機会があったのですが、
信州黄金シャモのほうが軍鶏らしい肉質の硬さと濃厚な旨味を感じられて好印象。
アッサリした味わいの甲斐路軍鶏はコッテリ濃厚嗜好の筆者の好みと外れる部分があります。
地鶏スープもアッサリでしたが、同農場はアッサリした美味しさを指向しているのかも知れません。

なおタルタルソースの茹で玉子はお店側で潰すか客側で潰すか選択可能（今回はお店にお願いしました）。
農場直送であろう卵の主張が強いタルタルソースは美味しくて気に入りました。
しかし1,733円であれば甲斐路軍鶏のモモ肉も使うなど、もっと楽しませて欲しかったです。

【3.6】レバー丼 八ヶ岳卵付（1,163円）

レバー100g、モモ肉・ムネ肉合わせて200gをすきやき風に仕上げているので生卵と絡めて。
値段が変わらなくて良ければご飯抜き注文も可能でした。
火入れが強めなのは前述の通りですが、このレバーは火が入っても何故かプリプリ。
レバー特有のボソボソ感が無くて美味しかったです。

そしてレバーだけでなくハツやハツモトも入っており、特にハツモトの部分が3.8～3.9級の美味しさ。
残った生卵はそのまま飲んでみたのですが濃厚で美味しい。
タルタルソースのときにも思ったのですが同農場の卵はレベル高いです。
同農場では八ヶ岳の玉子丼（640円）、八ヶ岳の卵かけご飯（440円）を注文するのが正解かも知れません。

【4.0】カタラーナセット（324円）

売店で通常378円のカタラーナをお食事処ではプラス324円で楽しめます。
カチカチに凍った状態で提供されましたが、少し溶けてから食べるとテリーヌのようにやわらか濃厚で驚愕。
一般的なクリームブリュレに比べるとテリーヌぐらいに固まっている感があるのですが、
半解凍状態でありながら蕩けるやわらかさで気に入りました。

前述の通り同農場の卵は濃厚で美味しいのですが、カタラーナは更に濃縮されたような旨味があって最高。
ほろほろ鳥の親子丼や甲斐路軍鶏のチキン南蛮はアッサリした味わいでしたが、
カタラーナのこのコッテリ濃厚な味わいは筆者の理想とする美味しさ。
直売所エリアの冷凍庫を見るとカタラーナは売り切れとなっていましたが人気商品なのも納得です。