奥藤本店 甲府駅前店 : 奥藤本店 甲府駅前店

初回訪問。

「中華蕎麦 うゑず」を出て甲府駅へと向かう。
流石にもう駅まで歩く元気は無かったし、雨も止まないのでバスで向かう事に。
駅方向に適当に歩いていると、バス停が有ったので、そこでしばらく待ってバスに乗り駅に着。

で、例によって下書きをする場所を探す事に。
周辺をうろうろと探していたら、駅の横にある「武田信玄公」の銅像が目につく。
ちょうどその前に公衆トイレがあり、なぜかその前にベンチが有った。
これは好都合と、早速座って書き書き。

書き上げるとまだ時間は早い。
特に これと言った目標のお店も無かったので、取り敢えず駅近くに在った「甲府城跡」へと行ってみる。
平日の午後という事もあってか他にお客さんも少ない。
例によって公園化されていて、お城、と言った感は少なめだが櫓や門が復元されていて、雰囲気は味わえる。
天守があったかどうかは今までの所明確な資料は見つかっていない様だが、天守台は残っていた。展望台となっている様なので行ってみる。
雨も小降りになり、濃いかった雲の色も薄灰色になって、少し青空も見えてきた。
展望台に上がって周辺を見回すと、甲府市が山に囲まれている事が良く分かる。
地理で習った、甲府盆地という言葉が思い浮かんだ。
天気が良かったら富士山が見えた筈だが、残念ながら雲が掛かって見えず。

「甲府城跡」を出て再び駅へと戻る。
時間があるのでもう一軒と思い、適当にうろうろしていたら、ある文字が目に留まる。
「ほうとう」。
おっ？
これは、聞いた事はある麺料理だが、食べた事は勿論、どんな物なのかも良く分からない麺。
確かこの地方の名物と言うぼんやりとした印象しかない。
ならば、この機会に食べておくべきだろう。(^^
だが、まだ開店前だったので、他を探して再度うろうろしたが、特に目に付いたお店もなかったので戻ってきたら、丁度暖簾が掛かる所だった。
という事で、「奥藤本店 甲府駅前店」へ。
因みに、奥藤はおくふじではなく、おくとうと読むらしい。

入って直ぐが風除室。
左から店内に入って右に向き左側が厨房、右側にテーブル席。
奥の突き当たりから右に入った所にもテーブル席や座敷がある。
どうやらそこは喫煙可能な様。
厨房には、白い料理服を着た男性が3人。
ホールは女性2人と男性1人。
入店すると、タバコを吸うかどうか聞かれ、吸わないと手前のテーブル席に案内。

平日の夕方5時。
開店直後で先客はなかったが、後客がどんどんと入ってくる。
卓上には立派なメニューが有ったが、食べるのは決まっていたので、ほうとうを注文すると、本当はお客さんが自分で煮るらしいが、まだ時間が早いので厨房で料理しましょう、との事。

12〜13分でほうとうの到着。
お盆に鉄鍋に入ったほうとうと、小皿に木製のお玉を乗せて。
具は、人参、かぼちゃ、白菜、しめじ、揚げ、ネギ、えのき。
スープと言うか汁は、薄めな黄土色で味噌っぽい色。
一口啜ってみると、ちょっと薄味な味噌味で、微かに塩気を残したもの。
コクは少なめでさらっとしている。
味噌は甲州味噌で、米麹と麦麹を半分づつミックスした合わせ味噌の、さっぱりした関東・東北味噌で、そこに九州味噌の甘みを加えた、しつこくないまろやかな味が特徴らしい。
個人的には、何となく濃い味噌のイメージだったけどちょっと違ったかな。
説明書きにはそうなっているので、たまたまではなくこれが本来の味なのだろう。
麺は、幅1センチ、厚さ1ミリぐらいのピラピラの麺。
麺というよりは紐見たい。(^^;
口当たりはつるんつるんで、口の中で押さえると、つるんと逃げて行く。
表面は水分を含んだ感じで、溶け出していそうな無いような不思議な食感。
その下からは割と高めな圧が有って、中心部まで続く。
その中心部には少し弾力が有って、ぬちっとした歯切れ。
味は小麦そのもので、一噛みでその風味が顔を出す。
でも、スープとは余り合わない感じで、麺が目立ってしまっている。
野菜は特に記する所のない、野菜そのもの。(^^;
人参やかぼちゃはまだ少し硬かった。
本来は、かぼちゃは煮崩れするぐらいまで煮て溶かす物らしく、甲州味噌の塩気と合わせた旨味が特徴らしい。
そこまで行ったらこの麺とも馴染んだかな？

お店の方で調理してもらった訳だが、滅多にない機会だったので、自分でやった方が良かったかな。
観光客然としていたので、慣れないかと気を効かせてくれたのかもしれないが・・。