大阪屋 : 大阪屋

「ドライブイン　みちしお」を出て、更に東へと向かう。

初めは、山口市内まで行って見ようかと考えていたのだが、途中に宇部市がある事に気づく。
そう言えば、宇部ラーメンて有ったよなぁ・・。
まだ食べた事が無かったので、折角の機会だからと寄って見る事にした。

(wikiより抜粋)
「くさうま宣隊宇部ラーメンジャー」（後述）の調べでは、山口県のラーメンは、東部は醤油ラーメン、西部は博多ラーメン系の細麺の豚骨ラーメンであるのに対し、宇部市のラーメンは久留米ラーメン系の中太麺の濃厚豚骨ラーメンであると言う[1]。スープは継ぎ足しながら使うため久留米ラーメン同様に茶濁しており、白濁した博多ラーメンとは異なる。豚骨を煮出す時間は、久留米ラーメンより長い傾向にある。具はチャーシュー、ネギ、紅しょうが、メンマなどが添えられる[2]。

宇部市では2012年から宇部市民や宇部市にゆかりのある人々からボランティアを募り、都市活性化を図る「宇部市シティセールスパートナー」制度を始めた。その中で宇部市のグルメ発掘を目的としてセールスパートナーのメンバー有志で「くさうま宣隊宇部ラーメンジャー」が結成され、市内のラーメン店の特徴をまとめた冊子をつくって県内外に発信した[3]。こうして2013年に『宇部ラーメン』が再発見されることとなった[3]。
「くさうま宣隊宇部ラーメンジャー」では以下の「宇部ラーメン3か条」を定義している[7]。
1. 茶濁濃豚骨スープである。
2. スープからは強い豚骨臭がする。
3. 中太の柔らかい麺を使用している。


宇部市は以前何度か来た事が有るが、ラーメンは食べた事が無かった。
なので、どうせ食べるなら宇部ラーメンの発祥のお店と言われる「大阪屋」に行く事にした。


場所は判らないのでナビ頼りでその辺りまで行ってみると・・・見当たらない。
あれ？
ナビでは道路沿いと表示されていたので、近くまで来れば目に付くかと思っていたのだが・・。
地図では国道から一本入った通り沿いになっていたのだが、その位置まで来てもお店らしき建物は見当たらない。
この辺りで間違いない筈だがなぁ・・？
と、もう一度ぐるりと廻って見たが、やはりお店の姿は無い。
えぇ？ナビの位置が違っているのか・・・？
困惑しつつ、再度地図を見直していたら・・・。

はっ！？

国道とそこから一本入り込んだ道の間にアーケード街が見えていたのだが、もしかしてその中・・？
そう考えるとナビが示す位置も納得がいく。
良く良く見ると、ナビのマップに表示されたアーケードが道路の様に見えていた。(^^;
なる程、そう言う事か。(^^
という事で近くの有料駐車場に車を駐めてアーケード街に入ってみる。

日曜日のお昼時だけど、人通りはまばら。
各地のアーケード街が段々と廃れている様に、ここもその例に漏れず。
ここの通りはハミングロードと命名されている様だが、流石にハミングが出る雰囲気では無かった。(^^;
キョロキョロしながら通りを行くと、左手にラーメンの幟が見える。
おっ、あそこか？
お店の前まで来ると「大坂屋　中華そば」の看板が出ていた。

ここだ。(^^

で、外観の写真を撮ろうとしたら、私の前を歩いていた初老の男性がお店の前で立ち止まり振り返る。
何か呼び掛けている様で、そちらの方を見てみると奥さんらしき女性が遅れてやって来た。
ご夫婦でこのお店にやって来た様だけど、何の関係も無い1人と1組が同時に同じお店に入ろうとする偶然。(^^;
人の通りの少なさから考えて、お店もお客さんが少ないだろうから、少しでも他にお客さんがいた方が初めて入るお店は気が楽かなと、外観の写真を撮って遅れて店内に入ったら・・・。

えっ？

満席！

一瞬、目が点になる。(^^;
まさかお客さんがこんなに居るとは思わなかった。
先に入ったご夫婦は、奥の椅子に座って待機中だった。

驚いていると、カウンターを拭いていた女将さんらしき女性から、1人？と聞かれる。
頷くと、その丁度空いたカウンターに案内された。(^^

店内は、入って左側が厨房で、その前が5席のカウンター。
右に4人掛けテーブルが２つ。
50代くらいの男性と70代くらいの女性の2人で営業。
親子かな？

店内に入ると豚骨臭が・・・と思っていたけど、それはあまり感じず、なぜか燃焼している石油ストーブの匂いが漂っていた。
厨房の熱源にされているのだろうか？
特に寒くもない日だったし、客席にもストーブは見当たらない。
プンプンする豚骨臭を期待していたけど、違った。(^^;

メニューはカウンター上部の壁に写真付きで貼られているが、かなり色褪せて来ているし、端から端まで貼って有るので、私の座っている位置からは全貌が見えない。
ラーメン定食は見えていたけど、ラーメンに集中したいのでラーメンのみの注文をしたいのだが、価格が判らない。
目の前の小さなホワイトボードにもメニュー名が書かれているのだが、そこには価格は書かれていない。
まあ、定食の価格より高くはなる筈は無いのだが、事前に知って置かないとちょっと落ち着かないのでキョロキョロしていたら、座った席のすぐ横に有った古〜いレジスターに気づく。
そこには繋がったレシートが長く出たままになっていた。(^^
覗いてみるとラーメンの文字が見えたので確認すると、550円だった。
と言う事で安心して女将さんに注文。(^^

その女将さんは厨房と客席を行ったり来たりと忙しい。
でも、お客さんに掛ける声は優しく、飾らない昭和のお母さんぽい雰囲気。
店主と思われる男性も調理に集中してか寡黙な感じだったが、応対は丁寧だった。

お客さんが多かった為か10分程でラーメンの到着。
どんぶりは、一般的な大きさの物で店名が入っている。
具は、チャーシュー・メンマ・ねぎ。
スープは、ちょっと灰色っぽい肌色。
一口啜ってみると・・おっ！
久しぶりに味わう豚骨臭いスープ。(^^;
多分、豚骨が苦手という人が言う匂いはこれだと思う。
でも、好きな人にとっては思わずニヤッとしてしまう匂いで、臭みでは無く旨味と感じさせる物。
勿論私もそう感じる。(^^
同じ豚骨臭でも、臭みとはちょっと違う、豚骨から出る負の要素を剥ぎ落とした様な匂い。
味自体も、ベースのスープと元ダレのバランスがピッタリで、互いが絡み合いながら一つの味として昇華していて、旨い。(^^
これでちょっとバランスが崩れると、えっ？と思う様なスープになってしまうのだろうけど、ピッタリのスープだった。
偶々一番良い状態のスープの時にあたったのか、いつもこうなのかは判らないけど、旨かった事は間違いない。(^^

麺は中細麺のストレート。
一般的に宇部ラーメンは中太麺らしいが、私には少し細く感じた。
口当たりは"つ"で、表面のちょい低い圧が中心に向けて少し上がり、最後はムッと切れる。
スープを良く吸っているし、スープ自体も良く絡むので、麺がご飯でスープがおかず状態。(^^
スープとの相性が良い。
チャーシューは、大きさちょい小、厚さは薄め。
味は肉主体だけど、旨味自体も割と残っている。
メンマは、コリシャクの歯応えで、軽めな中華味。
ねぎは割りと小さく刻まれているが、あまりでしゃばらず、スープの味を落ち着かせる役目。
シャクシャクした歯応えも良い。


初めて食べた宇部ラーメン、発祥のお店と言われる「大阪屋」のラーメンだったけど、この地に根を下ろして3代、70年以上も続いて来た味は伊達ではないなぁと思えた一杯だった。
こう言った「くさ旨ラーメン」なら大歓迎。(^^

満足してお店を後にできた。(^^