白に映え 散らす一味は 紅のよう : といや

山形県の河北町にある蕎麦屋さんです。テーブル席、小上がり席があります。

◼️頂いたメニュー
・おろし肉そば　¥850

2023.5
雨降る中は気持ちは沈むもの、今日はまた歳を重ねてしまいました。何か知らんけど憂鬱で、人の気持ちというものはわからんものです。

そんな昼時にコンビニで済まそうか悩んでいる中で、気持ちを上げようと訪れたのはといやさん。先日もローカル番組で紹介されてましたね。こちらにはカワイイ看板坊やがいるとのことで、時々お店のお手伝いもしているのだとか。と、なるとお目にかかれるのは学校がお休みの時だけか。いつかお目にかかりたいものです。

玄関前には、雨に映えるかのような紫花が飾られてましたね。少し心が和みました。

さて、中に入ると、手前のお一人様席へと案内されます。本日選んだのは【おろし肉そば】、オプションでミニカツ丼もありかと思いましたが、今日は少し抑えることに。でもみんな頼んでいるのを見ると食べたくなってしまいます。

さて、注文後もお客さんは来るわけで、待ち時間にメニュー表でも見ておいてくださいとするのはお店側の配慮ではありますが、そのメニュー表を一番近い席の私の目の前から、お店の方がスッと取っていかれたのは、少し一声あってほしかったかなと思います。小さなことですが、そうした気配りが接客対応には大事だと思います。

さて、小さなトレイにのって肉そばが配膳されました。


【おろし肉そば】
茶黒い肉そばの上にこんもりとある白く映えたおろしのボリュームに驚きます。細かくカットされたネギ山と硬めの親鶏らの見栄えも良く、とても美味しそう。

白いおろしの山は、春でも雪をかぶったままの月山の頂を連想させられます。その上に、一味を振れば、白に映えし町の花である紅花を散らしたかのよう。地元民なら、そんな思いが重なる方もいるのではと思います。

一味を振ったおろしを蕎麦に添えて頂きます。甘めの冷たいスープを絡んだ蕎麦とさっぱりとした中に一味のピリッとした辛さを残すおろしが絶妙にマッチしてますね。辛すぎない一味とおろしが、甘めのスープとミックスするのが好みで、最後におろしを溶かしたスープを直飲みでごくごくと飲み干してきました。

満足できる一杯でした。

ＧＷ中は多くの県外客が行列をなしていましたが、平日となると地元の顔なじみが多く訪れているようで、女将さんらと気さくに言葉を交わされていました。

ごちそうさまでした。

山形県の河北町にある蕎麦屋さんです。テーブル席、小上がり席(4)があります。席の案内は、お店側の指示を受けるかたちとなります。

■頂いたメニュー
・ヒレかつ丼　¥1100

2021.12
年の暮れ、地元での食べ収め先を求めて訪れたのは谷地のといやさん。定番の肉そばとミニカツ丼のセットを頼むつもりで訪れたのですが、メニューを確認して気になってしまったのが【ヒレかつ丼】。従来のかつ丼をも上回るヒレかつ丼というものを見てみたくなりました。今日は雪かきを頑張ったので、精をつけるため、自分へのご褒美として【ヒレかつ丼】を注文。お姉ちゃんが、厨房へ伝えたところで、ヒレカツ終了の申し送りが聞こえてきました。ストックは限られているよう。

揚げに時間がかかるのか、他の方の注文よりも少し遅れて配膳となりました。


【ヒレかつ丼】
一目見て分かるカツのぶ厚さ。これが谷地のソースかつ丼の極みなのか！その肉肉しさに胸が躍るのを抑えつつ写真をパシャパシャ。グリンピース２粒と紅色の生姜が丼に映えること。

箸をとり、肉肉しいカツを摘まんでみれば、衣はゴワゴワとしておらず、薄めにしっかりと肉を覆っておるところが素晴らしい。一口食めば、ヒレのしっかりとした肉食感とともに、噛み切れる柔らかさを実感するところ。

ソースの香ばしさと肉の旨み、ほのかなカレーの風味を残しつつ、衣からジュワッと染み出す味わいがまた旨し。通常のかつ丼と比較すれば、カレー風味よりもヒレ肉の存在そのものが大きく感じられたところ。なので、肉とソースの染みたご飯だけに没入したければ、このヒレかつ丼がおすすめできるというもの。

でも、谷地で食す醍醐味たるものは、冷たい肉そばとジューシーなかつ丼とのセットが外せないので、シェア目的で堪能するのもありなのかも。

腹にずっしりと収まったカツの温かさを感じつつ、お店を後にしました。

ご馳走様でした。

山形県の河北町にある蕎麦屋さんです。テーブル席、小上がり席(4)があります。席の案内は、店内の記名ボード前で待機し、お店側の指示を受けるかたちとなります。

◼️頂いたメニュー
・昆布水つけめん　¥1000

2020.9
肉そばとカツ丼が不動の人気を誇っているといやさんに、新しいメニューが登場しているとの情報を得て、お昼に行ってみました。ピーク時間をずらしたため、すぐに席へと案内されます。お一人様は、たいてい間仕切ある４人掛けテーブルです。

さっそくと新メニュー【昆布水つけめん】を注文しました。肉そばとカツ丼のお店から、出てくることのないような名前にびっくりです。いったい何があったのでしょう。革命が起こったのでしょうか。

待つこと１０分ほどで配膳されました。


【昆布水つけめん】
肉そばとカツ丼のお店で、まさかこんな斬新なメニューを頂けるとは・・・。周囲を見渡しても、皆、肉そばをすすっており、今作を食べている人の姿は見当たりません。それは、当然、皆肉そばとカツ丼を食べに来ているからです。

初めて遭遇する新しいメニューですが、こちらには、おすすめの食べ方が、きちんと紹介されているので、初めての方でも安心です。まずは、用意されているものを確認します。

昆布水つけめん。見た感じ普通の麺かと思いきや、昆布水に浸された麺ということで、昆布のヌメヌメ感が麺にまとわりついているのが何となくわかります。箸で持ち上げると、麺の間に膜がかかるくらい、とぅるんとした口当たりとなっています。

つけ汁です。見た目よりも、とても濃い味付けとなっており、そば汁と同じ感覚で頂いてくださいと注意書きもありました。器の縁にのった鶏肉、メンマなどが入っています。

ご飯。海苔がのっていますが、これは麺を食べ終えた後に食べることとなります。麺のなくなった後の昆布水をぶっかけ、そこにつけ汁を適量入れて、好みの味付けとするのです。

わさびとあられ。上記のご飯に汁をかけたあとに薬味で使います。量はお好みで。

沢庵小鉢。ぼりぼりと頂きます。

とりあえず、最初にすべきことは、昆布水つけめんを、つけ汁に入れて、一刻も早く食べるのです。この麺の独特のぬめり感は、これまでなかった麺食感です。これに近いものとするならば、山形県が誇る郷土色、掻き混ぜた納豆にうどんを入れて食す『ひっぱりうどん』それに通じる何かがあるような気がしました。

この昆布水に多く含まれているのが、旨み成分のグルタミン酸ですが、調べてみますと、とても身体に良いものであることがわかりました。脳を活性化させ、記憶力、学習能力を向上させる効果があるそうです。またつけ汁には、イノシン酸という旨味成分が多く含まれているとのことで、これが後に合体することで旨みの相乗効果が起こるそうです。

この旨みに特化したヌメヌメ昆布水つけめんですが、食べられる人なら食べられますが、苦手な人も、もしかしたらいるのかもしれません。山形県人は、ひっぱりうどんで慣れていますが、ヌメヌメを受け入れられるかが鍵です。

さて、そんなとぅるんとした麺を完食してからが、いよいよご飯の出番です。昆布水を、ご飯に有無を言わせず投入します。とぅるんとぅるんしてますが、覚悟をもって行うのです。この時の感覚は、白味だけをかける卵かけご飯のようです。御飯が、昆布水に飲みこまれたら、次はつけ汁をレンゲで適量ずつ、残った具材と一緒に投入していきます。ここで、昆布水のように、最初からマックスでつけ汁を投入してしまうと、もともと濃いスープなだけに、すごく塩っ気が強くなりすぎて、食べられなくなるので、注意が必要です。

適量です。自分の好みに合った味まで調整していくのです。そこで、旨み成分のグルタミン酸とイノシン酸が合体することで、旨みの相乗効果が生まれるのです。ただ、私はつけ汁を多めにどばっと入れすぎてしまったので、若干濃い味となってしまいました。後に残っていた昆布水を投入しましたが、よくわからなくなってしまいました。

最終的には、昆布水とつけ汁をご飯に投入することで、お茶漬け風にして食べることで、この昆布水つけめんは、完成に至るわけなのですが、お茶漬け風よりも、けっこう汁の温度が冷めてしまっているので、どちらかと言うと、水かけご飯を食べているかのような感じになってしまいました。

それでも、旨みを感じられれば成功と言えるでしょう。上手に食べるには、味を見極めるセンスと冷める前に頂く素早さが必要なようです。

さて、そんなといやさんの新メニューでしたが、昆布水つけめんとつけ汁、そしてライスも加わったことで、これ一つで、肉そばとミニかつ丼のセットを食べたのと同じくらいの満腹感となってしまいました。

新しい試みは面白いです。でも、私はといやさんに来たら、肉そばとミニかつ丼のセットが食べたいです！

ご馳走様でした。

山形県の河北町にある蕎麦屋さんです。「谷地の肉そば会」の加盟店です。テーブル席、小上がり席(4)があります。席の案内はお店側で行っており、混雑時はボードに明記して待機します。

◼️頂いたメニュー
・かつ丼　¥900

2019.11
昼時のランチで伺いました。今日は、カツ丼を食べたい気分です。平日であるため、駐車場にも余裕があったので、車を停めて中へと入ります。店員さんが出迎えてくれたので、1名だと告げると、6人掛けテーブルへと案内されました。こちらはもっぱら一人客のサラリーマン御用達となっていますね。

既に決めていた【かつ丼】を注文します。メニューを確認すると、やはり消費税増税にともなう値上げがされていますね。世知辛い世の中です。

注文から6分ほどでカツ丼が到着しました。到着するまでにも、次々とお客さんが入ってこられるのですが、肉そばの注文が多いのかなと思っていましたが、意外なことに、お客さんの半分くらいが【かつ丼】を注文されていたのは、驚いたところです。結構、人気あるんだなぁ・・・といやさんの【かつ丼】。

【かつ丼】
元祖かつ丼と掲げているといやさんのかつ丼は、谷地のソースかつ丼と地元民に呼ばれるように、カレー風味のタレを揚げたてのカツに染み込ませた谷地ならではのソースかつ丼となっています。長野県や福島県会津のソースかつ丼は、全体的に甘辛いタレがたっぷりとかけられていますが、こちらはほのかなソースとカレーの香りが漂う硬派なカツ丼となっています。基本的に追加のソースはありません。

ソースが染みこんだ薄衣ながら、衣を歯でサクッと食む瞬間の食感がたまりません。ジュワッと揚げたての衣からソースが染み出してくるのです。そして中はホクホクのトンカツです。豚の脂身もまた甘く、この濃い口のソースが、更なる食欲を増進してくれるのです。

こうしたカレー風味の濃ゆいソースは、じんわりとご飯に染み入っていますので、それをカツと一緒に掻きこむのも、またたまりません。カツの上にのっているグリンピースも、といやさんならではのポイントです。何かほっとするものがあります。紅い紅ショウガも、合間に入れて口休めしてから、残りのカツをがっついていきます。

この一杯のどんぶりを食べていく中にも、少しずつなくなっていく器を見ながら、いろいろなドラマを感じられるのは、この谷地という地域に根付く庶民的なご馳走の一杯だからなのでしょうか。玉子とじでない、ソースも追加なしという見た目素朴なかつ丼ですが、旨みが凝縮されているこの一杯は、谷地の冷たい肉そばとともに、河北町に根付いている郷土食だと思っています。

河北町に訪れた際には、是非二つの味を楽しんで頂けるのがベストです。

ご馳走様でした。

山形県の河北町にある蕎麦屋さんです。テーブル席、小上がり席(4)があります。混雑時は、玄関内にあるボードに名前を記入し、呼ばれた方からの案内となります。

◼️頂いたメニュー
・肉そばプラスミニかつ丼　¥1050

2019.7
今日は海の日の祝日ですが、肉そばを食べたい気分です。町内の肉そば店舗はどこも人の入りが多く、こちらといやさんも外まで並ぶ待ち客がおりました。時間を、少しずらして店を訪れたところ、丁度、お客の入れ替えのタイミングが合ったのか、ボード記入と同時に席に案内されることができました。大テーブルでの相席です。

注文はおすすめの定番メニュー【肉そばプラスミニカツ丼】です。

店内非常にお客が多く、注文してから配膳まで20分ほどかかっています。

【肉そばプラスミニカツ丼】
トレイには冷たい肉そば、ミニカツ丼に加え、沢庵が付いています。器一杯まで満たされた肉そばには、刻みネギ、硬めの親鶏が添えられています。

さっそくと頂きましょう。箸でそばをひっぱり上げると、箸一杯に細めの色濃いそばが一つの塊のように絡んで持ち上げられました。しばし、その塊を堪能したところで、一気に大口を開けてかぶりつきます。もにゅもにゅとしたこの肉そば食感を口いっぱいで受け止めます。熱いそばでは到底行えない贅沢な食べ方です。そして、肉そば特有の甘じょっぱい味が染み出してきます。

ただ、意外だったのは、スープが思っていたよりも、冷たかったことでした。もっとぬるめ的な印象でしたが、提供される時期によって違っているのでしょうか。世間では、冷たいと言われる肉そばが、ぬるいのはおかしいという評価もあると聞きましたが、確かに普段食べていたのは、それほど冷たくはない肉そばでした。それを普通に冷たいという枠で頂いていたので、特に疑問には思っていなかったところです。私としては、冷たくてもぬるくても、それはお店の方が美味しく食べて頂きたいこととして、作っているものだと思っているので、これからもありがたく頂いていくところです。

汁はレンゲが付いていましたが、どんぶり直飲みで頂きます。甘じょっぱく、今回も飲み干しています。

ミニカツ丼は、とってもジューシーかつ、ソースの辛味とカレーのスパイシーさが共有するめちゃ旨のカツ丼です。熱々でホクホクな揚げたての時を逃さずに頂きましょう。最後のソースの染みたご飯も残さず頂きました。

肉そばと一緒にカツ丼を堪能したいお客さんに紹介するなら、といやさんなのでしょうね。

途切れることのない待ち客を背に、ご馳走さましてきました。

山形県の河北町にある蕎麦屋さんです。
テーブル、お座敷があります。

■頂いたメニュー
・鰊きしめん　¥1000

2017.12
休日の昼時に家族３人で訪れています。昼時は混み合っているので、時間をずらして訪れています。小さい子供も一緒なのでお座敷へと座りました。

といやさんでは、肉そばとカツ丼のセットが定番なのですが、そばと中華麺の他に、もう一つの気になる麺、きしめんがあります。きしめんの中でも、変わった組み合わせとして【鰊きしめん】を注文しています。嫁さんは定番の【肉そば（温）とミニカツ丼セット】を注文しました。

しばらくして【鰊きしめん】【肉そばカツ丼セット】が配膳されました。

きしめんは、温かいのと冷たいのが選べますが、寒い冬でも冷たいのを注文するのが谷地男です。どんぶりの中に漂うきしめんの上に、大きな鰊がドンとのっています。

冷たいきしめんは、口当たり柔らかくすすりやすいです。スープは冷たくあっさりで出汁が効いており、最後まで飽きずに飲み干せました。

鰊は、思っていたより立派なのがのっていました。身もしっかりと丁度良い硬めの食感で、味もしっかりしており美味しかったです。ジャーキーのような味を蓄えた鰊をかじりながら、麺をすするのが旨い食べ方です。あっさりの麺とスープに、強い個性的な味が加わることで、味のメリハリを楽しめました。

嫁さんも、温かい肉そばとカツ丼を美味しく頂いていました。

ご馳走様でした。

山形県の河北町にあるそば屋さんです。
河北町で発行されている、「谷地の肉そば会」というグルメマップにも掲載されています。店舗を改築して内装が新しくなりました。
肉そばの他にも、谷地のソースカツ丼にも力を入れており、肉そばとミニカツ丼のセットも定番メニューです。また、蕎麦の代わりにきしめんも提供されています。

■頂いたメニュー
・肉そば + ミニカツ丼 ¥1000


2015.7 【肉そば+ミニカツ丼】

再訪ですが、今回、内装を新しくしてから初めて訪れました。谷地名物のセットを注文しました。

久しぶりに当店で頂きましたが、揚げたてのミニカツ丼は、湯気が立ち上りジューシーで美味しいです。肉そばも、味がしっかりしているので、食いつきがいがあります。硬めの鶏肉と、刻みで盛られたネギもバランスがとれていました。

以前は薄味の印象がありましたが、美味しく頂き、また食べたいと思いました。