フカヒレ蒟蒻、帆立蒟蒻のカステラ焼き　再訪 : 丹野こんにゃく番所

初回訪問は2010年。こんにゃく料理専門店を再訪しました。2017年は3回目の訪問なので料理もアップグレード。念願の"三懐石料理"を注文です。相変わらず店員さんに「二人で\1,080の懐石料理を2人前注文するのではなく、\3,240の懐石料理を1人前注文するのってアリですか？」と相談し快諾。いつも少量多品種を許容いただき感謝です。

今回もっとも美味しかったのは"フカヒレ蒟蒻"と"帆立蒟蒻のカステラ焼き"。どちらも蒟蒻を使った"疑似もどき料理"ですが、本物に迫る秀作でした。以下に紹介します。

先ずは"フカヒレ蒟蒻"です。高価な食材ほど"蒟蒻もどき"する動機は強くなるけど、特にフカヒレ特有の食感[=ゼラチン系の軟骨のほぐれる食感]を上手く再現しているのが素晴らしい。

食感以外の味付けは、出汁/オイスターソース/醤油/片栗粉がフカヒレ料理の基本なので、姿煮であれスープであれ、味を似せるのは比較的容易だと思います。やはりフカヒレの食感に着目した点が流石です。

お次は"帆立蒟蒻のカステラ焼き"。これまた帆立の食感を完コピしていて大喜びです。帆立を噛むと貝柱の繊維に沿って縦に裂けて美味しいじゃないですか。それが蒟蒻で味わえます。更に黄身焼きというかオランデーズソースで閉じ込めることで、これまた美味っ！

他にも八寸では"鮑見立て蒟蒻の粕漬け"が定番で美味いし、黒豆蒟蒻は"本物の黒豆"と"黒豆に似せた蒟蒻"を交互に食べ比べして完成度の高さに驚かされ、"乾燥蒟蒻の雲丹和え"も風味充分。

造りでは"海苔刺身蒟蒻"の蒟蒻とは思えないネットリ感。"烏賊そうめん風蒟蒻"のコリコリ感。"甘海老蒟蒻"と"サクラ海老蒟蒻"の食べ比べによる食感差異など、愉しい食事が続きます。

そして食事はニシン蒟蒻蕎麦を選択。この蕎麦もつなぎに蒟蒻粉を使っていて、蒟蒻コースの〆として抜かりがありません。

こうなるとフカヒレとかホタテとかに縛られることなく、蒟蒻料理には無限の可能性があるように感じます。キャビア蒟蒻とかトリュフ蒟蒻とか……商品開発が楽しそうっ！

2017年もご馳走様でした。次回はいよいよラスボスの"本懐石膳(\4,320)"への挑戦でしょうか。楽しみですなぁ～
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三懐石料理(\3,240)のコース：ラ･フランスの蒟蒻みぞれ
　食前酒代り：杏の蒟蒻包み-桃の薫り付け
　八寸：○黒豆蒟蒻,牛肉巻蒟蒻,○乾燥蒟蒻の雲丹和え,○鮑見立て蒟蒻の粕漬け,浅利粒々蒟蒻の深川焼,カスベの煮凝り蒟蒻
　造り：○海苔刺身蒟蒻,○烏賊そうめん風蒟蒻,鳴門巻蒟蒻,甘海老蒟蒻,○サクラ海老蒟蒻,ウルイの蒟蒻巻き
　煮物：桜餅蒟蒻,蛸蒟蒻,筍,こごみ,人参
　酢物：春山盛り<鯛刺身,タラの芽,ゼンマイ,南瓜,人参,ほうれん草>
　揚物：蒟蒻そうめん雪
　強肴：◎フカヒレ蒟蒻
　焼物：◎帆立蒟蒻のカステラ焼き
　止椀：若草豆腐
　食事：○ニシン蒟蒻蕎麦,昆布蒟蒻

---2010年7月の口コミ---
珍しくありませんか？こんにゃく料理専門店。私は肉料理が得意でなく、山形を訪れる時も米沢牛ではなく山菜/根菜/そば/精進料理を軸にお店を選びます。ところが目に留まったのが、こんにゃく料理専門店。なんじゃこりゃあ？？？

昔、群馬県の下仁田で"こんにゃくフルコース"を食べた時に失望し、「蒟蒻なんぞは何処で食べても同じで差別化できない料理の典型」との偏見を持っていました。ところが、丹野こんにゃく番所の料理写真は色とりどりで興味をそそります。
＞レビュアーの皆様。写真投稿ありがとうございます。

訪問当日、お屋敷っぽい店に到着して受付をする際に店員さんに相談です。「二人で\1,050の懐石料理を2人前注文するのではなく、\2,625の懐石料理1人前＋単品注文ってありですか？」　繁忙時間帯を過ぎていた為か、店員さんも快諾してくれました。

席に案内され程なく料理が出てきます。どんどんドンドン出て来ます。凄い品数です。他のレビュアーさんの口コミで「食べきれない」「後半飽きた」なども散見されますが、なにせ私達は二人掛かりで懐石料理1人前との対決なので美味しく味わい、余裕を持って単品注文のこんにゃく蕎麦も平らげました。

また、これだけ多い品数なのに店員の教育も行き届いていて、よどみなく料理説明をしてくれます。小気味良いです。こんにゃく料理の調理法も、刺し、煮、焼き、揚げ、蒸しなどバリエーションに富んでいます。彩りも鮮やかで私の過去の偏見を吹き飛ばしてくれた事にも感謝です。

私が特に気に入ったのは、"鮑見立て蒟蒻の粕漬け"と"海苔刺身蒟蒻"と"もつ煮込み風蒟蒻"の3品。もう目から鱗です。単品で酒の肴になります。あっ、店内ではアルコール類は一切販売していないですよ。

食事が済んで売店コーナーの前を通ると、追い打ちをかけるように試食を勧められます。苦笑
玉こんにゃくを始めとして殆どの商品が試食可能なのですが、コース料理後に胃袋に余力のある客は少ないんだろうなぁ。

私の場合は、自分が食べた料理が"販売コーナで売っていて持ち帰り可能なのか"、または"店内だけで食べられるオリジナル料理なのか"が気になって調べました。その結果、甘海老蒟蒻など概ね7割ぐらいの商品は販売コーナーで購入可能でした。但し、販売コーナーは購入単位の量が多いので、店内で懐石料理コースを選んで少量多品種で食べる方がお得だと思います。風情もあるし…

とても良い体験をさせていただいたので、次回は"三懐石料理(\3,150)のコース"に挑戦しようと思います。
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二懐石料理(\2,625)のコース：ラ･フランスの蒟蒻みぞれ
　先付：水無月ごま豆腐蒟蒻,アスパラ,山葵,銀あん掛け
　前菜：牛肉巻蒟蒻,餅蒟蒻八幡巻,◎鮑見立て蒟蒻の粕漬け,夏烏賊見立て蒟蒻の黄味焼き,○黒豆蒟蒻
　造り：○海苔刺身蒟蒻,鳴戸巻蒟蒻,甘海老蒟蒻,昆布〆蒟蒻の薄造り
　煮物：南瓜煮こごり,早茄子,隠元,蛸蒟蒻
　酢物：もずく蒟蒻,長芋,蛇腹胡瓜,オクラ,酢取り蓮根,おろし生姜,土佐酢
　揚物：蒟蒻そうめん雪
　口替り：◎もつ煮込み風蒟蒻
　蒸物：五目蒟蒻の馬鈴薯揚げ,変りソース
　凌ぎ：とろ蒟蒻にぎり,鮃蒟蒻にぎり,大蒟漬け
　止椀：豌豆蒟蒻,三葉,山菜
　食事：蒟蒻粥,薬味