あっさりした豚骨醤油の和歌山ラーメン : 中華そば まるだい

以前はけっこう濃厚な井出系の豚骨醤油だと思ったこともあったが、時の経過とともにだんだん濃厚さが失われてゆき、「もはや井出系でもないか…」という感じになってきている。

もちろん、あっさりしていても、それなりに美味しい。
ただ、和歌山ラーメンとしては高い700円という値段を考えると、若干の物足りなさを感じなくはない。

この店で感心するのは麺の茹で加減。最近は「やや硬め」の茹で加減が安定して維持できているようだ。
和歌山ラーメンには井出商店やアロチ本家丸高のように柔らかい麺を出す店が多いので…。

「和歌山県道15号新和歌浦梅原線」と言ってもピンと来ないけど、大浦街道と言えば和歌山市民ならだいたい知っている。
その大浦街道沿いにある和歌山ラーメンの店。
場所は和歌山工業高校よりも若干和歌浦寄りで、「業務スーパー和歌浦店」の向かいにあたる。
駐車場は店の前と横に8～9台分。

【2015年8月】
中華そばが1杯600円から700円に値上がりしていた。
その中華そば。見た目は前回訪問時と大きくは違わない。
ただ、スープの色がやや白っぽくなったような気がした。
飲んでみると、前回よりも豚骨のコクが控え目になっていた。
前回は 丸三 よりも旨いと思ったほど充実したスープだったのだが・・・。
とは言うものの決してマズいスープではなく、最初から「ライト井出系」だと思って食べれば十分に納得できる味である。「こっちのほうが食べやすくて好き」という評価もあり得るだろう。
麺は「やや硬め」の極めて良好なコンディション。チャーシューは脂分の多い三枚肉ながら、軟らかく煮込まれていて美味。

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伝統的な和歌山ラーメン店では消費増税後も中華そば1杯600～650円で頑張っているところが多いので、700円はちょっと高いな～という気がしないでもないが、世間の流れからして仕方ないのかも知れない。

【2014年12月】
約7か月ぶりに訪問。今回も中華そば（600円）をいただいた。
濁りの強い、黄土色を呈するスープは、豚骨のコクが強化されているような気がした。
コクがあるのに臭みは少ない、出来の良いスープだ。
大きく変わったのは麺の茹で加減。前回はギリギリ許容範囲に入る軟らかさだったのが、今回はやや硬めのベストな茹で加減！
チャーシューも、よく煮込まれ、しっとりとした食感のものになっていた。

スープ・麺・チャーシューのそれぞれに進化のあとがうかがえる○大の中華そば。
このレベルなら、もはや和歌山市内で食べられる和歌山ラーメンとしてはトップクラスではないだろうか。

・・・そうは言っても、自分の体のコンディション等も影響するから、味に対する評価はなかなか難しい。
そこで、この味に対する評価をより客観的なものとするため、その後すぐに井出系の有名店 丸三 を訪問して中華そばを連食してみた。（我ながら熱心なこと！）
その結果、丸三 よりも ○大 の中華そばのほうが少なくとも私の好みに合っていることが確認できた。

【2014年5月】
日曜日の昼に入店したのでほぼ満席だったけど、客の回転が速いからか待たずに座れた。
おしぼりは出てこなかったが、お冷やは出してくれた。
テーブル上に備長炭を入れた水ポットが置かれ、水のおかわりは自由。暑い夏には有難いサービスだ。
注文したのはデフォルトの中華そば（600円）。

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混んでいた割に短時間で登場した中華そばは、低加水率のストレート細麺、トッピングはチャーシュー・メンマ・カマボコ・青ネギと、和歌山ラーメンのスタンダードと言えるいでたち。
スープは薄い黄土色を呈していた。もちろんこれは白濁した豚骨スープに醤油ダレを加えることで生じる色であり、いわゆる「井出系」和歌山ラーメンの特徴とされている。

飲んでみると、結構コクがあった。丸三 ほどではないが、丸田屋 あたりよりは濃厚かも知れない。でも嫌味はなく、良くできたスープだと思った。
麺はやや軟らかめの茹で加減だったが、嫌な軟らかさではなかった。ギリギリ許容範囲内の軟らかさであり、ある意味これも和歌山ラーメンの本流を行っているのではなかろうか。

スープを飲み干すと、鉢底には骨粉が残った。
全体的には井出系寄りのテイストながら、井出系につきものの豚骨臭（獣臭）は、店内の空気からもスープからも感じられなかった。
そういう点では 丸美商店 に近いかも。でも丸美商店よりは、この○大のほうが伝統的な和歌山スタイルに忠実なような気がする。
実はあまり期待せず「新店だから一応食べておこうか」的なノリで入店したので、この美味しさは「嬉しい誤算」だった。

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清乃、丸花、土屋商店、鳥見本など、最近和歌山で元気のあるラーメン店には非和歌山ラーメン系の店が多い。
そういう状況の中、このように本格的な和歌山ラーメンを出す店が現れたのは喜ばしいことだ。
これからも、さらに上を目指して頑張っていただきたいと思う。