久々の利用、スープは少しまろやかになったかな…。 : ○木　中華そば

この日は龍神村から田辺市にかけてバイクで走り

途中、道の駅龍神近くのお気に入りのカフェ「ゆず夢」で

昼食をとり、その後田辺市まで走り、さらに

御坊・有田と国道沿いをひたすら走り、そして和歌山市

に入り、ちょうど夕方の18:00くらいになったので、

「そうだ！久々にあの店に行こう！！」と来たのが

この店「まる木」である。店名は「◯」の文字の中に「木」という文字

が書かれた屋号である。夕方からの営業なので、私のような遠方からの

人間には中々利用しにくい。結局は前回利用したのは7,8年前になるかな。

まあ、店構えは全然変わってない様子。店の中に入ると、ちょうど先客が

いない状態だが、後に、持ち帰りの客や、数組の客が入ってくる感じであった。

とりあえず、店奥のカウンターに座る。相変わらず、この店のメニューは

中華そばと早ずしとゆで卵の3つのみ。早ずしとゆで卵はお約束どおりテーブル席に

置かれていて、会計時に中華そばとあわせて自己申告である。

何も変わっていないが、中華そば、早ずしは値上げしているなあ。

中華そばは、初めて利用したときは500円くらいだったが、今は600円だったかな。

というわけで席につくと、お冷を渡され、そして注文は聞くまでもなく中華そば

なんだが、「一杯で良いですか？」と聞かれ、「はい」と答えるが、

なるほど、一杯じゃ物足りないから2杯はいけそうだな。実際に一人で2杯食べる人も

いるんだろうな。まあ相変わらず中華そば一筋でやっているようだけど、

大とかチャーシュー麺とか、ご飯とかあれば良いかなと思う。

もちろん自分は運転するから飲めないが、ビールもあれば良いかもしれないね。
(ビールが飲みたくなるような一杯である）

というわけで、久々に中華そばとご対面。見た目は本当に以前と全然変わらず。

食べてみると、うん、この味！！相変わらず、美味いな！！

昔ながらの醤油ベースの豚骨醤油ラーメンであるが、他の車庫前系の店と比べても

醤油ベースが強く懐かしい感じがするな。そういえば、スープはもう少し酸味が

あったのが特徴だったが、だいぶ酸味が抑えられまろやかで飲みやすくなったかな。

本当にホッとする味で、走り続けてきた疲れを癒やしてくれる一杯であるな。

何か元気が出てきて、頑張って帰るぞ！！という気力が湧いてくる。

いやー本当に久々だが、やはり最高に美味いな。この店ではじめて食べたときは

何か物足りない感じだが、あれから10数年くらいたったかな。やはり年齢がいけば

いくほどこの何とも言えない懐かしい優しい感じの味が好きになれるわ！！　

そしてまったりとした店内の雰囲気も本当に良いな。

というわけで、今回も中華そば1杯で物足りない感じではあるが、味と雰囲気で

かなり満足したな。でも美味いんだけど、営業時間とメニュー構成など利用しにくい

のがやっぱり何とも…。

和歌山市の南端にある和歌の浦と呼ばれる海が一望出来非常に歴史がある景勝地らしい場所で、

その一帯は古くからの風情がある旅館が立ち並んでおり、その集落の中にポツーンと中華そば屋

○木がある。店構えのその周辺に溶け込んでいるような昔ながらの中華そば屋を感じさせる。

この店は夜のみの営業なので、他所から来る人間には利用難易度は高く、まさに地元客がほとんど

な感じで、まあ中には和歌の浦に泊まりでの観光客も混じっているんじゃないかな。

この店の味を受け継ぐ○平というラーメン屋も夜のみの営業であり、やっぱりよその人間から

すれば、意地でも行きたくなるんだろうね。

和歌山ラーメンと言えばほとんどは井出商店のようなこってり豚骨醤油スープの中華そばを

思い浮かべるであろうが、こちらは醤油が強くあっさりしたスープのおそらく元祖に当たる

和歌山中華そばになると思う。このような系統の中華そばを車庫前系と呼ばれて久しいが、

このような類の中華そばは和歌山まで来ないと味わえないであろう。さて、中に入ると

こぢんまりとした店内だが、客の出入りは結構頻繁な方じゃないかな。メニューは至ってシンプル。

中華そば一品だけ。早ずしとゆで卵はテーブルの上に陳列しており、和歌山ではお約束の

会計時の自己申告制である。店員も一応注文を聞きに来るが、『中華そばですね？』

『はい』のそれだけであるｗ

さてオーダーした中華そばが出てくる。強い醤油スープに麺は中太で黄色のモチモチ麺でチャーシュー

は薄切りのやや歯ごたえがある感じ（新福菜館のそれに近いかな）

醤油の味が強く酸味が感じるほど。だが、スープは透明であり、中の麺が見えるほどで、

あっさりしていて食べやすく、特に何か凄いものがなく、自然な感じの味や食感だけど

なぜか惹きつけるものがある。やっぱり、どこかで食べたような懐かしい感じがするんだが

実は初めて食べるのであるｗ　なぜそんな印象を受けてしまうのか分からないが、

かなり古風な感じの中華そばであり、特に年齢層が高い人が食べれば懐かしいと感じると思う。

こういう古典的でシンプルなラーメンってありそうでないような気がする。この手のシンプルなラーメン

ならその辺の中華料理店やフードコートで食べられると思いがちだが、やっぱり何かが違う。

昔からそのラーメン一筋で人気店として成り立っているこの店とは拘りが断然に違うはずである。

最近このようなクラシカルなラーメンを未だに高評価されるのは和歌山ならではないだろうか。

ラーメンに関して閉鎖的と言わんばかりに、昔からの味やスタイルにシビアな部分があり

これは本当にさすがだなと思う。懐かしいのは何も中華そばの味だけでなく、店内の風景や

会計時の自己申告などこういう古くからの習慣も味わえるんだもんな。

最近新しいスタイルのラーメンに圧倒される中、古いラーメンは勢力を衰えていく傾向があると

勝手に思い込んでいるが、こういうラーメンをずっと評価が高くて存続していける恵まれた環境であるかな。