この口コミは、ムササビヒンソーさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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4.0
¥15,000~¥19,9991人訪問時点の為替レート換算での金額になります。
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料理・味3.5
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サービス4.0
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雰囲気-
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CP3.5
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酒・ドリンク4.0
2018/09訪問1回目
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料理・味3.5
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サービス4.0
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雰囲気-
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CP3.5
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酒・ドリンク4.0
¥15,000~¥19,9991人訪問時点の為替レート換算での金額になります。
40年来の宿題を果たすの巻。
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こんぬつわ。
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まぁゴリッパ! アメちゃんのすべてのステイク、プライムリブ・レストランの原型がここにあるようなキガシマス©️KYTセンパイ。
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シャンペーンではなく、英国のスパークリング・ワイン。味は良い?
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ドーバー海峡のオイスター。
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小ぶりだが旨し!
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トローリーで丸ごと運ばれてき、眼前で切り分けられたローストビーフ。
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付け合わせは、いも、ヨークシャープディング、キャベツはバタで和えてあります。
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40年来の夢を果たした。亡父はここが気に入り、母と二夜連続で通ったらしい。
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閉店・休業・移転・重複の報告
御多分に洩れず、60年代、70年代の古いスパイもの、警察、探偵小説、ハードボイルドなどを下敷きにした映画を、東京12チャンネル「午後のロードショー」で、散々見倒した世代である。
無論、玉石混淆であったが、主人公や脇役の掌に握られた拳銃にはそれぞれ持ち主の性格や個性を暗示するニュアンスがあり、同じ小道具でもタバコや万年筆、服などとはひと味違う輝きを放っていたようなキガシマス©️KYTセンパイ。
そこから個々の拳銃の種類や性能、歴史が知りたくなり、今はなき国際出版刊行の月刊誌「Gun」を定期購読し始め、途中何年かの空白期間はあったものの、当該出版社が破綻する2011年まで36年間にわたり、読み続けていた、というのだから、オトコのコの銃器についての執着は恐ろしい。
フロイト先生に言わせると、潜在意識下に、猛烈な男根コンプレックスがうんぬん
…という事になるのかもしれない。
それはともかく。
Gun誌の「読者の広場」なる投稿欄に影響され、読みだしたのが文壇の孤狼、というか「異端」大藪春彦の小説群。
正直、今読み返すとスジは粗いし、物語は大抵後半で破綻するし、現代のLGBT意識からすると焚書されかねないほどアレな内容であるが、それだけに青少年への刺激は強烈。
初手はご案内通り「銃撃戦」目当てで読みだしたのであるが、若い時に濫読しただけあり、その小説世界には物凄く影響を受け、今日に至っている。
氏の創り出した代表的なキャラクター「伊達邦彦」彼の英国を舞台にした作品「諜報局破壊班員」か「マンハッタン核作戦」のなかに、こちらのレストラントが登場する。
当時「うまいものがない」とか「かの国の人は思考する事が多すぎ、味覚にまで神経を使うヒマがないのだ」とか言われていた英国料理のなかにあり、大藪氏が描く、というか伊達邦彦が遊ぶレストラント空間は優雅で、舌鼓を打つ、名物「ローストビーフ」は物凄くうまそうで、「牛肉オレンジ自由化」以前、肉といえば鶏か豚、ヘタするとクジラであったMSSB少年にとり、その世界はあまりに眩しく、魅力的で、以来、いつの日かシムプソンズでギューをギューギュー食っちゃうゼ! というのが夢、というか怨念のように凝り固まり、現在に至る。
否、いた!
夢想し続け40年余、普段は意識に上らないものの、脳の奥底ではグラグラ、ヌラヌラと暗く燃え、煮え続け、もはや「情念」「執念」の域まで達していた「形而上のお伊勢さん詣で」がついにかなう、
もー、それだけでオトウサンはコーフンしましてね、昼の仕事が終わるのをジリジリ待ち、夕方になり、店に向け、タクシーに乗ってる時はもう、U・S・A*1 のステップで小躍りしそうなほど、だったわけです。
店に至る。社会通念上のファッサードをくぐり、観音開きのドアを開き、中に入り、ダークスーツで身を固めた老紳士に、
よ、予約のMSSBです、三人デス!
と申し付けた時、わたくしの声は震えていたかもしれない。
照明をおとされたダイニングに向かい、席に案内され、天井から吊るされた重厚なチャンデリア*2 を臨むに到り、いや、ようやく来たね、思えば遠くにイヨマンテ*3 と、同じテレビでも、12チャンネルではなくNHKのど自慢全国大会と混濁してしまいながらも、英国上陸以来アタマに響き続ける「天の声」のリコメンデーションに従い、前菜がわりにはドーバー海峡のオイスターを半打。
そして飲み物は諸物価イータカな当地の経済事情を鑑み、傍に立った酒匠(そむりえ)氏に
「佳良かつオレな予算な」
と、申し付け、推進されたシャンペーンではなく、英国のスパークリングワイン。
リッヂヴュー(Ridgeview)ブランドのこちらプライベート・ラベルをバイ・ザ・グラスで。
む、このシブチンぶりは伊達邦彦的ではないが、殻を破り、洗わぬままに出てきた瑞々しくも艶めかしい生牡蠣には調和し、つるりつるりと瞬く間に胃に落ちていき、「消えてしまう」
ほーっとしているうちに、銀色打ち出しのドーム型カバーをまとったトローリーが恭しく運ばれてくる。
給仕氏二人掛かりで蓋を開き、中の巨大な肉塊から二枚、鋭く研がれたナイフでカービングされたローストビーフが皿に盛られ、千切りのホースラディッシュが添えられ、目の前に置かれ、それと同時にグレイビーを満々と湛えたソースポット、いも、ヨークシャープディング、バタソティドキャベイヂのサイドディッシュが用意されたところで、オトウサンのコーフンは絶頂を迎え、ただただ神々しく有り難く、思わず皿に合掌したくなる
…が、さすがにオトナだからガマンする。
再び酒匠を呼びつけ、やはり「俺の予算」でポンイツ・プリーズ! とリクエスト。スパインのテンプラニーリョ、わかってらっしゃる!
28日大哥もとい寝かせて焼き上げたという肉は、さすがにシルキースムーズでありながら噛み締めると仄かに歯に媚び、一瞬抵抗を見せたかと思っと旨味を浮かべながら解けていく。
いわゆる肉肉しさ、はないものの、そうかといって「国産牛」と言う名の正体不明なギューのようにプラスチッキーではなく、あゝよい割烹のもの、食ってるなという風。
グレイビーソースは香辛料の抹香臭さを方程式的に効かせるのが余り得手ではないこの国の烹調で、野菜と肉汁を注意深く仕上げるとこうなりますよ、という感じ。肉よりむしろ、脆皮なアブラーゲといった風情のヨークシャープディングに調和するのがご愛嬌。
ここに味わいはシッカリとしているが深みはまぁ、アレな紅色酒をぐいっとやると、大いに型が決まり、調子が高く、まことに結構。
旨い、旨いと、飲み、且つ食い、皿の上が空になったタイミングで、ようやく落ち着いて周りを見渡す。
と、創業1828年、200年にならんとする店内はカジュアル化とポピュラリゼーションからは逃れられぬらしく、紳士淑女風顧客は三割、あとの七割は新大陸、オセアニアから来たと思しきポロ・バイ・ラルフローレンが「正装」な団体客の嬌声、あら旧大陸にもいるのね、な、スタートアップ・ナリ・キン系ニヤけた若手経営者と、些か華美にすぎるドレスを纏ったクリチザンヌ風「貴婦人」カップル(現地の人たちみたいです)、「貴婦人」は奢られ慣れてる風情で、アゴをピン! と上げ、しかしながら大口を開け、口いっぱいにパクつき、リスみたいに頬を膨らませており、そして別の食卓ではシティ金融機関の勢力を背景とした日系駐在員諸君がパカパカとワインの栓を開けていたり、の風景はまるで四半世紀前のナイトメアのよう。
意外にも昨今よく目にする、キン・マン・ファー・イースト・コンチネンタル・ピーポーはいらっしゃらなかった様子。
この日だけかも知れないが。
場にそぐわぬそぐう、空気が乱れるおちつく、と、思うところはイロイロながら、ま、今回はここに来られたのが大事 #いんだよ細けえ事は! と、口の中で嚙み殺しながら、デザートは端折り、食後酒がわりにラガヴーリン16年陳年貯蔵をニート(すとれいとあぷぅ)でグラスに貰い、胃と気持ちを落ち着かせ、勘定書を持ってこされると、さすがに安くはないが、「半年予約の取れないザギンのシースー」ほどではなく、色々あるけど、この国の人は客観性とバランス感覚、あるよなぁ、と感嘆だか嘆息だかわからない一息が、口から漏れない、事もない。
*1 https://youtu.be/sr--GVIoluU はは。
*2 新嘉坡香港訛りchandelier
*3 https://youtu.be/jBWSe3EGOBY 昔、のど自慢の全国大会に出場する人は、みんなこの曲、歌ってました。