泣く子も黙るラーメン : 貪瞋癡

富山に来て約半年。
一応食べロガーの端くれなんですからそろそろ富山の店をレビューせんと不味いでしょうな。(^_^;)
もうとっくに引退していると思われているところですし。（笑）

何とも個性的な名前の店ですが、こちら富山ラーメンランキング堂々一位の店。
私が富山に来た当事は麺屋 つくしが一位でしたが、最近はこちらの店が他の追随を許さず突っ走っておられる様です。

この店を訪問したのは２回、正確には３回だがうち一回はラーメン屋名物「臨時休業」に見事に遭遇。(^_^;)　　まあその話は置いといて・・

一回目は富山に来て２週間ぐらいの頃だったかな・・
「よっしゃー！富山のラーメン屋全部カタにはめたる！」と意気込んでた頃ですわ。（笑）

JR氷見の駅を降りて歩く事15分。
関西で駅から15分のところにラーメン屋なんてあろうもんなら、
「辺鄙はところに店作りやがって！おどれの地理事情で場所選んどったらあかんど、ダボ店主があ！」と怒り狂っているところですが、富山じゃこれが普通。（笑）
いや、むしろ駅を降りてから店に行くまでののどかな風景が何とも愛おしく、ちょっとしたミニ旅行気分です。>^_^<

とは言うものの・・・
先人さんの投稿を見ればなかなかの行列店の様ですが、あたり一面全く人影がない(^_^;)
と思っていると・・

行列が・・

どこから湧いてきたんやろこの人ら（笑）

とは言ってもせいぜい4,5人待ち。こんなの行列に入りません。
富山一のラーメン屋が行列4,5人待ちで済むとは何とラッキーな話。>^_^<

さほど待つ事なく店内に入ればその雰囲気はラーメン屋というよりちょっとお洒落な居酒屋。
それもそのはず・・この店実はラーメン屋ではなく、お洒落な居酒屋なのです（笑）。
元々夜の居酒屋メニューだったラーメンがあまりに好評だったため、それなら昼はラーメン専門店にしようと店主が決意、で今に至った訳・・で、結果富山一位のラーメン屋ですか？（笑）

同じ傾向としては大阪では鶴麺 鶴見本店がその類ですが、あっちはそのままラーメン屋になってしまったのに対して、こちらは夜はまだ普通に居酒屋を続けているのが凄い。

取りあえず本日一回目の訪問ではこの店人気ナンバーワンの氷見産煮干ラーメンを頂く事に。
お昼限定メニューらしく、人気メニューゆえに無くなるのも早い。
とある有名ブロガーがこの煮干ラーメンを求めて来たところ既に売り切れていて、あまりにがっかりしていたので店主が別メニュー（白醤油）を追い煮干バージョンで提供した話があるぐらい（笑）

その噂の煮干ラーメンが登場です。

ラーメン・スープと具が別々に登場。
つけ麺ではよくあるパターンですが、ラーメンでは結構珍しい。
いわゆる素ラーメンの状態で登場したものに具を入れるパターンですが、これはおそらく店主の
「まずそのままで食べて下さい。」という訴えなんでしょう。同時に自信でもあるんでしょうね。
そういうラーメン屋が無いことを祈るが、これの逆パターンで素ラーメンで勝負する自信がないから
具テンテコ盛りで誤魔化すラーメン屋が無いとは言い切れない。
もしそうだとしたら嘆かわしい限りだが・・・

ともかく、そのピュア状態勝負のラーメンを頂きましょう。


おおっ！
煮干の香りが素晴らしい・・・

その時とっさに思ったのは煮干ラーメンってそもそも素ラーメンで食ったら最高じゃないか？
って事なんです。それは全ての煮干ラーメンがそうなのか・・その時はそういう疑念もあったのですが、今思い起こすとそうじゃないですね・・・このラーメンだからそうなのでしょう。

ただ残念な事に・・この素晴らしい素ラーメンに後半具を入れた結果・・・

「あの素晴らしい香りはどこに・・」

となってしまったのですよ。
勿論レベルの高い美味しいラーメンである事に代わりは無く、贅沢な不満ではあるのです。

しかしながら・・・・

素ラーメンのままでいてほしかった！！！！

おそらくですが、5歳ぐらいで始めてラーメンを食って以来48年間で始めての事かも知れません。
子供の頃おかんが素ラーメンに後から勝手にニラを入れたので泣き喚いた記憶が微かにありますが（笑）。

そして訪問2回目は白醤油。
あの煮干の感動を再びという事で、今回はこちらをオーダー。
しかし・・やはりこの店は煮干しが鉄板王道メニューなんですね。
奥の10人掛けのテーブルに相席されましたが、私以外9人全員煮干ラーメン！（笑）
しかも3歳ぐらいの子供がまじってる。(^_^;)

「美味しい？」とお母さん
「顔見りゃわかるだろ。物も言わんとひたすら食ってるよ。（笑）」

無理やり美味いと思わせてないか？（笑）

いやいや・・泣く子も黙るラーメンなんでしょう。(^_^)

そして・・一人寂しく白醤油ラーメンを食べている私ですが・・（笑）

この醤油ラーメンも素晴らしい！

前回の煮干ラーメンのケースがあったので、私にしては珍しく敢えてトッピング無しのいわゆる
「素ラーメンチックオーダー」。ラーメンそのものの風味を楽しみたかったのです。
糞不味いラーメンを提供する店ならそんな必要はないんでしょうけど、こういうハイレベルのお店だからこそ敢えて「ピュアに麺そのもの、スープそのものを」楽しみたい。

結果は正解です。スープは従来の白醤油とは一線を課す近未来スープ。
私が絶賛しているJETの醤油ラーメンに匹敵する美味さ。
ただこちらの方が素材レベルが高い様に思われますね。

しかし・・しかしです・

悔しいが、やはり煮干ラーメンの方が上ですね。
ものすごくハイレベルな世界での話しですが。

素晴らしいラーメン二つ堪能いたしました。