女性に人気のおしゃれな隠れ家イタリアン : トラットリア・エンツォ

　市街地のはずれにある隠れ家的な人気イタリアン。落ち着いた空間で、洗練された料理をリーズナブルに楽しめる。週末は予約必至だ。ランチは2種類。Ａ（税込み1750円）とメイン料理がつくＢ（同2800円）で、基本的にＡがお得でお勧めだ。
【料理、味】
　今回は、メイン料理のついた「Ｂ」を選択。どの料理も丁寧に作られているのを感じる。
1.前菜
　フリッタータ、ライスコロッケ、豚肉のテリーヌ、モルタデッラ（ハムのような太さのピスタチオ入りのソーセージ）、ゴルゴンゾーラチーズのムース（＋クルミとハチミツ）、五郎島金時、ブロッコリーのアーリオ・オーリオ、人参のサラダなど。構成は先月と同じだが、フリッタータとライスコロッケの中味、チーズのトッピングが変わった。ゴルゴンゾーラチーズはクセが少なく、苦手な人でも食べやすい。
2.パン
　フォカッチャ。先月よりも脂分が多めでしっとり感が多少増したような気がした。
3.パスタ
　黒板に掲げた十数種類から選択。スパゲティーニがおいしいのは確認済みなので、今回はラザニアを選択。４層の生地に、挽肉とチーズが挟み込んである。個人的には、スパゲティー類の方がいいと思うし、お得感もある。
※以下３品は後日食べた感想。
・栗のリゾット
　栗がゴロゴロと具だくさん。栗は甘みを抑えた味付けで、ライスもあっさりしている。
・アマトリチャーナ
　やさしい味付けのトマトソース。
・ワタリガニのトマトクリームソース
　カニの出汁がきいた濃厚なソース。
4.豚肩ロースのソテー　粒マスタードクリームソース
　肉は、ナイフの刃で切り込まなくてもホロホロと裂けてゆくぐらい柔らかく、断面はきれいな淡いピンク色だった。粒マスタードクリームソースは、肉の味を生かすマイルドな仕立てだった。なお、先月も豚肩ロースだったが、調理法が変わった。
5.ドルチェ
　今回はパンナコッタを選択。パンナコッタが甘さ控えめな上に、上品なリンゴのコンポートが加わり、非常にさわやかな味わいだった。栗のパウンドケーキも、なかなか悪くない。
6.飲み物
　アメリカーノを選択。この店では、これが一般的に言うレギュラーコーヒー。いわゆる「アメリカン」とは全く違い、結構深煎りの濃いコーヒーで、量もやや少なめだが、最も無難な選択肢だ。甘口が好きな人は、桃の紅茶もお勧めだ。

【雰囲気】
　こぎれいで落ち着いた空間で、若い女性やカップルを中心とした客層の品もよいから、ゆったりとした時間を過ごせる。外観は、一見すると会員制バーか何かみたいだ。
【ＣＰ】
　前菜、パスタ、ドルチェで構成するランチＡは、雰囲気とサービスのよさも相まって、リーズナブルだ。Ａだけで十分お腹が満たされる。メイン料理を加えたランチＢは、コスパの面ではやや落ちる。
【総合評価】
　上品なイタリアンを、心地よい空間でゆっくり気軽に楽しめる、いいお店だ（予約は必要だが）。中心街から外れた立地が、富山で屈指の繁盛店「イル・キャンティ・トヤマ」と似ているが、それ以外は非常に対照的である。

　料理は、店の主人が一人で黙々と作り続けている。客には全く目もくれず、スタッフと言葉を交わすこともない。前菜とメインが一択で、しかも先月とあまり変わり映えしないのは、店主がすべて１人で作るのと、客の回転が少ないから食材ロスを減らしてコストを抑えるためだろう。メニューにもっと変化と選択肢があればうれしいが、料理の質とコスパを保つには仕方ないのだろう。

　市街地のはずれにありながら、予約必至の人気イタリアン。洗練された料理と気持ちのよいサービスをリーズナブルに楽しめる。何度もリピートしたい貴重な隠れ家的なお店だ。
　ランチは2種類。Ａ（税込み1750円）とＢ（同2800円、Ａにメイン料理がつく）から選択。メニューは、季節に応じて少しずつ入れ替えるとのこと。Ａでも、女性には十分なボリュームがある。
【料理、味】
　今回食したのはＡ。
1.前菜
　フリッタータ（ジャガイモがゴロゴロ入っている）、ライスコロッケ（ライスは赤ワイン漬け）、豚肉のテリーヌ、ピスタチオ入りのハム、ゴルゴンゾーラチーズ、五郎島金時、ブロッコリー、人参など盛りだくさんで、どれもおいしく、見た目もきれいだ。
2.パン
　フォカッチャは、脂分と甘味が少なく、ヘルシーな感じの作りだった。人によって好みが分かれるかもしれない。
3.パスタ、ピザ
　黒板に書かれた十数種類から選択。今回は、きのことプロシュートのスパゲティーニを選択した。きのこは、マイタケ、シメジ、シイタケなどが具沢山で、細めの麺は、こぎみよい歯ごたえと旨味があった。別添えのオリーブオイルをかけると、辛みが加わり、ペペロンチーノに味変する。このパスタだけでも、リピートする価値があると思う。
5.ドルチェ
　黒板に書いた４品から選択。今回は、かぼちゃのプリン。最初にほろ苦さを感じ、そのあとは、甘さ控えめで、コクがありながらすっきりとした味わいだった。いっしょにクリームが添えてあるのも味の変化を楽しめてよかった。
6.飲み物
　メニューを見て、エスプレッソ、アメリカーノなど数種類から選択。今回は、テ・アラ・ペスカ（桃の紅茶）を選択。クセのない甘口で香りもよかった。

【雰囲気】
　外観は、一見したところレストランとはわからないが、中に入ると、こぎれいで落ち着いた空間だ（陽気な音楽が流れていたが）。客層は、若い女性やカップルばかりだった。
【サービス】
　ホールスタッフは、きちんとした白と黒の上下を着ていて、腰の低い丁寧な応対で好感がもてた。ただ、前菜を食べ終わらないうちにパスタが運ばれてきたのには驚いたのと、パンのおかわりがいるかどうか、私には聞いてくれなかった。
【ＣＰ】
　前菜、パスタ、ドルチェは、どれも洗練されたクオリティーで、居心地のよい空間とサービスを提供しており、値段に十分見合う満足感が得られる。
【総合評価】
　おいしいイタリアンを、心地よい空間で、気軽に食べられる貴重なお店だ。何度もリピートして、いろいろな種類のパスタを試してみたいと思う。予約なしには入りにくい人気なのも納得できる。