老舗磯料理店で「白エビ」づくし！ : 松月

富山の岩瀬港町にある明治44年（1911年）創業の磯料理の店です。
四季を通じ、富山の海の幸を落ち着いた個室で楽しめます。
名物は夏の料理で出される「白エビ」の「福団子」。

夜訪問。
完全予約制。
収容人員は多いですが個室のみ。
披露宴等大人数の宴会を受けているので、早めの予約がよさそうです。
料理はコースのみ。
「福団子」が付く料理は7,000円（サービス料12％、税別）からなので、7,000円で予約。

当日。
場所は、岩瀬の浜に近い路地の一角。
車ではJR富山駅から15～20分（駐車場あり）。
電車であればライトレール岩瀬浜駅から徒歩約10分。
周辺の道は細く、暗いとわかりづらいので、時間に余裕を持って行きましょう。

店の外観は高級料亭そのもの。
白い土壁と黒瓦の建物は創業当時のまま。
風格ある看板と玄関に背筋が伸びますが、気さくに感じ良く迎えていただきました。

案内されたのは、1階の庭に面した10畳位の個室。
テーブル席が設置してありました。
落ち着いて食事出来る雰囲気です。
気にするほどではありませんが、古い木造なので2階で大人数が移動する際の足音は響きました。

既にテーブルには、先付が用意されていました。
しばらくして配膳担当の挨拶があった後、飲み物を注文。
注文したのはお酒（立山）を1合（500円）。

いただいた料理は以下の通り。
合計360匹分の白エビをいただく「白エビづくし」の開始です。
（料理を出す速度、接客については後述。）

●先付
バイ貝の煮付け
こりこりした歯触で、味付けは普通。

●酢の物
カニ、とろろがけ
足の状態で3～4本、量は十分ありました。
説明がなかったのでわかりませんが、カニの種類はズワイかと。

●お造り
中トロ、ぼたんエビ、イカ、鯛
お造りは新鮮。
鯛は昆布〆にしてあり、富山らしい仕事をしてありました。

●千代久
白エビ（50匹分）のお造り
ガラスの器入り。
醤油だれとおろし生姜で、いただきます。
白エビは甘く、ねっとりした舌触り。
今回一番、気に入った品。

●温物
白エビ（100匹分）団子の椀
白エビ団子2個・じゅんさい・葉山椒の吸い物。
しこっと歯触りはよいですが、白エビの味はよくわからず。

●揚げ物①
白エビの唐揚げ （白エビ10匹以上）
お馴染み、白エビ料理の定番。
殻がカリッと芳ばしく、後引く味。

●揚げ物②
カニの甲羅揚げ
カニの甲羅に具を詰めて、パン粉をまぶして揚げたもの。
すぐに次の福団子が出されたので、いただいたのは福団子の後。
殻に詰めてあったのは、ほぐしたカニ身と豆腐・野菜を混ぜたもの。
やや冷めてしまいましたが、カニの量が多くて、これは当たり。

●焼物
・福団子（白エビ200匹分）
店主創作の看板料理。
殻をむいた白エビ200匹の身を包丁でたたき、片栗粉と塩で練ってから団子にしたもの。
炭火で焼いた後、木製の炉の上にのせて、熱々でサービスされます。
（木製の炉には火が入っていないので、これは見せるだけ）
『白エビだけで作った団子です。熱いうちにどうぞ。
まずはそのまま、お好みでタレにつけてお召し上がりください』
芳ばしく焼かれた団子は、もちっとした食感と白エビの旨み。
タレは用意されていますが、塩気があるので、そのままの方が白エビの味を感じます。
おいしいので1個ではもの足りず、もう1個欲しい品。

途中、女将のご挨拶。
お酌してくれ、『どこから来たかとか、白エビ360匹使っている』という会話を少し。
退出の後ろ姿は、かなり忙しそうでした。

次々出された料理はしばしの中断。
『お茶が欲しい・・・。』
配膳担当の人々は、私達の食事の進行状況から「お茶」に気付く気配はなし。
焙じ茶が部屋の隅に用意してあったので、『お好きにどうぞ』という意味と解釈。
自分で入れました・・・気楽で良いです。
「用事がある場合は電話で呼び出す」と案内されたのは、会計前でした。

福団子が出された約40分後に〆のお椀が登場！
●大名椀
鯛を入れた豪華な味噌汁。
直径16～17cmはある大きな朱色の蓋つき椀でサービスされました。
ご飯代わりの紅白の丸餅入り。

連れの椀には鯛の頭と尾が見え、私の方は味噌汁の下。
鯛1匹を2枚におろし、半身ずつ入っていたのでした。
頭と尾の部分は食べないので身の量は変わらなくても、見た目は違います。

味噌汁はおいしいけれど、量が多すぎ。
鯛の身は取りづらく、汁に落ちた身ごと飲み干すとなると塩分が気になる。
惜しかったですが、鯛・味噌汁共に途中で諦めました。

●季節の果物
梨とぶどう。

料理の量は品数の割に軽め、年配者にも優しい内容です。
個室でいただいた「白エビづくし」は期待通りの内容。
楽しめたので満足。
価格的には、私の大名椀に鯛の頭と尾がなかったことから、割高な印象となりました。

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接客等について
・料理は先付から福団子までは1品ずつ出して下げるのではなく、一定の間隔で運ばれてきました。
温かい状態で料理を出してくれても、いただく方は追い付かず。
宴会の対応等、人がいない中でそうせざるを得なかったのかもしれません。
出来れば、こちらの状況を把握した上で次の料理を出して欲しかったです。

・建物は歴史ある料亭ですが、接客がそれに見合っていたかは微妙。
配膳してくれた方々は皆真面目に説明してくれたものの、慣れていない様子でした。
もったいないです。