西八王子も愛した蕎麦の名店。家内と差しで飲む父の姿が目に浮かびます。 : 蕎麦 坐忘

　行ってきました、西八王子。
　蕎麦の名店、坐忘さんです。

　今回もクルマで出かけました。
　駐車場は合計5台分が用意されています。
　比較的1台分のスペースも広く、停めやすいと思います。

　夜は周辺の雰囲気がガラリと変わりますので事前の下調べが必要でしょうか。
　
　食べログでの評価が非常に高いお店さんです。
　4.0を超えている蕎麦屋さんってあまりお見受けしないので訪問前から楽しみでした。

　13時ごろの訪問でしたが、運良く1卓空いており
　待たずに席に着けたのは幸運でしょう。

　レビューを書く前に78件の口コミ全て拝読させていただきました。
　総じて高評価です。
　特に外観と内装の設えに付いては”異空間”と称される方も居れば、落ち着く雰囲気と表現される方も居ます。
　入り口からして茶室のにじり口のような潜り戸ですので
　レビューする方の知識や見聞も試されていると思いました。
　それは当然蕎麦に限ったことではなく、茶道や華道　さらには歴史文学に日本家屋について
　判っていれば知っているほど楽しい時間を過ごせるお店さんに思えました。

　蕎麦に付いては残念ながら親愛なるマイレビュアーであるｶﾐｿﾘﾊｲｷｯｸさん程の知識を持ち合わせておりませんが
　高評価の基本となる『味』については素晴らしかったと思います。
　私が食べた粗挽きよりも家内が食べたせいろのほうが蕎麦自体の香りが強く高かったように感じました。

　お店はご主人と奥様でやられていて、レビューではほかにご主人のご兄さんがいらっしゃるようですが
　私たちは確認できませんでした。
　接客・サービスについては過度ではなく、控えめながら的確な対応で気持ちよくお食事をさせて頂けました。
　ありがとうございます。

　蕎麦にあわせるように、大変美味しい日本酒も揃っています（家内談）。
　お通しは塩豆と焼き味噌。
　焼き味噌は北海道ではあんまり見かけない蕎麦屋さんの一品料理です。
　山梨の翁さんで食してから好きな食べ物となりました。
　蕎麦の実は多くありませんでしたが香ばしく焼けた好い香りです。

　家内はその焼き味噌をちょいちょいつまみながら、時代を超えてという銘柄を飲んでいます。
　ここは蕎麦だけではもったいないお店さんなのかも知れません。
　マルチな楽しみ方を提供してくれているのです。
　
　実際に私たちも4人でお伺いして、そばがきとだし巻玉子、季節のメニューと思われる
　天然なめこおろし和えをお願いして　蕎麦が出てくるまで会話とお酒（若干2名のみ）を楽しみました。
　どの一品料理も美味しかったですよ。
　隣の卓の女性は昼のコースを楽しんでおられるようで、実に楽しそうです。
　これはこれで好いですね～

　さて、家内と姉がオーダーした平日のお昼時間限定メニュー、昼の天もり登場です。
　海老が苦手なお姉さんは海老抜きで注文しました。
　その代わりに、野菜の天ぷらが増えています。これはすごい。

　私がお願いした、天粗挽きも登場。
　蕎麦の量が少ないと書かれる方もいらっしゃいますが、成人男子でも充分な量だと思います。
　丁度好い分量。
　先にも述べましたが、せいろのほうが蕎麦自体の香りが強いようです。
　香りに拘る方はせいろを、味と歯応えに拘る方は粗挽きを、で如何でしょう？

　そばつゆに付いては蕎麦以上に知識を持ち合わせていないため多くは語れないのですが
　北海道で稀にある、そばつゆの甘さは全く感じることが出来ませんでした。
　素直で風味豊かなそばつゆです。


　北海道から食べに伺ったことを退席する際にご主人にお伝えしたところ
　北海道の蕎麦のお話になり、幌加内などの道産品種もこの先使われるようでした。
　まだ香りが弱いとのお話も合わせて頂いております。
　ご主人のこだわりが垣間見れるひとコマでした。
　蕎麦の産地も伺いました。意外や意外、埼玉県三芳町産です。
　後日いろいろ調べると蕎麦の産地として有名な土地でした。
　また食べログを通じて見識が深まったように思います。


　また最後にお出し頂いた、ゼリーのような和菓子についても伺いました。
　御前粉とけしの実だけで作った和菓子で寒天は使っていないとのこと。
　ほぼ、蕎麦の実だけで作られていることになります。
　とても上品で〆を飾るにふさわしい和菓子でした。

　最後にＣＰは未評価とさせて頂きます。
　こちらのお店さんの料理を高いか？安い？と感じるかは　まだ私には荷が重いと感じるためです。
　時間と空間、そしてこの味が判る方にはむしろお安く感じるでしょう。
　私見ですが　決して回転率が高くは無い時間の流れ方や凝ったお店の内・外装を考えると
　総じて”お高いお店”さんではないと思います。

　今回も大変美味しく頂きました。
　亡くなった父も好きなお店さんだったと家内から聞きました。
　そのときも父娘で楽しい時間を過ごしたそうです。

　ぜひ帰省の際にはまたお邪魔させて頂きます。
　ありがとうございました。