ランチ840円。都心だったら2000円越えは間違いない味。 : 菜根香

　みうたんが幼稚園に通うようになって、平日がお休みの僕は、なんとヨメとランチっ!!
　前回のお休みの時は、諸事情で幼稚園を休んだみうたんもいっしょに無坊というラーメン屋さんに行ったのですが、今回は二人で。……二人で外食なんて、何年ぶりのことでしょう……。
　
　で、早起きしていろいろと調べて、行きたいお店をいくつもピックアップしておいたのですが、なんと連休直後、ということで臨時休業のお店ばかり……。
　ヨメが「あんまり遠くには行きたくないなぁ」と言うので、府中近辺で、とあらためて検索したら……おぉぉぉっとぉ、乳幼児入店禁止ということで、近所ながら一度も行ったことがなかった四川料理の名店があったじゃないですかぁっ!!
　
　自家用車で、すいすいっ、と旧甲州街道で東府中へ。特徴的な外観のビルが見えたので、旧甲州街道沿いのコインパーキングに入れて競馬場線の踏切を渡りました。すると……お店の前にちゃんと「菜根香」と書かれた駐車スペースが……。2台分ですが、1台分空いてました。
　車、出してきてこっちに移すか、とも思ったのですが、その間に満席になってしまっては、と、そのままエレベーターへ。
　あ、1階入口のホワイトボードにも、「乳幼児連れの入場はご遠慮ください」とはっきりと書いてあります。よっぽどオトナ向けのお店なんだろうなぁ、とちょっとびびりつつ、エレベーターで8階へ。
　
　8階で下りると、もうそこは店内。
　高い天井、コンクリート打ちっ放しの店内は、入って左側一面が大きな窓。
　思わず見惚れてしまいました。
　
　店内は、カウンターが5席と、4人掛けのテーブル席が4つ、2人掛けが1つ。
　
　行ったのは平日12時過ぎだったのですが、4人掛けの席を1つとカウンター席3席を除いて、満席。ラッキーっ!!
　
　が、エレベーターの前で待っていても誰も現れません。
　中華鍋を振る音と、お客が来たことを知らせるためと思われるチャイムが鳴り続けています。
　忙しいのかな、と思って奥の厨房入り口方面に行って「二人なんですが」と伝えると、「どうぞー」とカーテンの向こうから声が聞こえました。
　
　そんなわけで、勝手に空いているテーブルに座って、景色を眺めてしまいました。
　あ、もちろん、メニューも卓上にあったので、ヨメと作戦会議。
　AからDまでのランチメニューが、ごはんとスープとお漬け物が付いて840円。
　麺類も、3種類のみ。
　ランチコースは、前日までの予約が必要……。
　
　ヨメは「あなたはどうせ麻婆豆腐でしょ、じゃ、わたしは豚肉ザーサイ炒め」。
　……う、読まれてる……。だって、四川料理のお店に来て辛くない物食べてもしょうがないじゃないですかぁ……。しかも、どなたかのレビューで、ここのご主人はあの陳建民さんの四川飯店出身、と書かれていたので、きっと美味しいに決まってるぞー、とウキウキ。いや、でも、最近辛い物を受け付けない身体になってるから、食べられないかもしれないけど……。
　
　でも、麺類も食べておきたい……。麻婆豆腐に担々麺じゃ、最悪の場合、何も食べられない危険性もあるなぁ……てことで、陳麻婆豆腐は単品で頼んで、「辛いマーク」の付いていない、炒麺(あんかけやきそば)に。
　「やきそばはちょっと時間がかかりますがよろしいですか？」と聞かれたので、かまいません、と答えました。
　
　で、ヨメと外を眺めながら、ふと気づいたのですが、府中で高層階に窓がある飲食店って無いような……?!
　高層マンションや中層ビルは建ってるけど、上層階に飲食店が無い気がするんです。
　……これって、大國魂神社を見下ろしちゃいけないから、とかかなぁ、とヨメと根拠の無い妄想を繰り広げておりました。
　まぁ、古い街なので、人に見下ろされるのを嫌がるような人が多かったのではないか、という推測もできますが……。
　
　そういうわけで、府中を上から見下ろしたのって、これが最初っぽい気がします。
　というわけで、貴重な眺めですよー。神社は見えませんが、競馬場や、多摩川の向こうの山も見えますし。緑がとっても綺麗です。
　
　しばらく待つと、予告通り、まずヨメの豚肉とザーサイ炒め登場。
　セットのスープも、いい色です。
　一口いただきましたが、複雑な表情のスープ。期待が高まります。
　
　直後に、陳麻婆豆腐登場。
　おぉぉぉぉぉぉぉっ!!四川飯店そっくりだぁっ!!
　しかも、この量、あっちで食べたら2000円は取るぞぉぉぉぉっ?!
　
　一口いただきます。……うひょーーーーっ!!麻辣ぁぁぁぁぁっ!!
　花椒効いてるぅぅぅぅぅぅっっっっ!!
　辛いけどうまぁぁぁぁぁぁいっっっ!!
　
　で、ヨメの豚とザーサイと交換っこ。
　おっ。油通しして、ちょっととろみがついたぷりっとしたお肉。さっぱりした味付け。シャキシャキしたキャベツ。ザーサイと筍が、楽しい食感です。
　
　と、そこへやきそば登場。
　白菜、青菜、筍、などなど、青系の野菜ときくらげとお肉のあんかけが載っていて、麺は平らで炒めてあるもの。
　一口。……あっぢぃぃぃぃぃぃっ!!んっめぇぇぇぇぇぇっ!!
　こりゃたまらん。
　やきそばを「美味しい」と感じたのは、神戸の神戸元町別館牡丹園が最初だったような気がしますが、こちらのやきそばも独特で美味。
　なにより、野菜がいちいち味が引き立っていて、しかも四川料理とは思えない優しい味付け。
　
　降参です……。
　
　しかし、ランチでこれだけ美味しいんだから、ディナーはすごいんでしょうねぇ。みうたんが小学校に入ったら、みんなで来ようかな。
　
　あっ。もう一つ気づいたこと。
　テーブルの上には、調味料類が一切ありませんでした。
　広味坊もそうでしたが、そのことに気づいたのは「やきそば=お酢」っていう脳内に刷り込まれた反射によるもので、このやきそばを食べてお酢をかけたいとは思いもしませんでした。
　
　
　で、ここからは付録。
　エレベーターを降りて、ふと建物を見上げると、右の方になんか、お店のような戸が。中が暗かったので営業はしていなかったのですけど、そこに1枚の掲示。
　「ほたてのともや　ショールーム」。
　……は？　そんなの、ここにあったっ?!
　ふーん、なんで府中にこんなビルを建てちゃってるんだろうね、とヨメと話ながら旧甲州街道まで戻って振り返ると……ん……？あのビルの形、まさか……?!
　
　帰宅後にGoogle Earthで航空写真を見てみると……間違いありませんっ!!このビル、帆立の形をしてまぁぁぁぁぁぁっすっ!!
　
■青森ほたて本舗　株式会社ともや
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