平日でも行列のできる西東京エリアを代表する人気店（#柴崎亭） : 柴崎亭 つつじヶ丘本店

柴崎亭＠つつじが丘

京王線 つつじヶ丘駅から徒歩3分、調布方面に向かう線路沿いにあるラーメン店「柴崎亭」。

2011年に隣の柴崎駅近くで創業し、2014年に現在の場所に移転。今や西東京エリアを代表する人気店で平日でも行列ができる人気店。

つつじヶ丘にある本店の他、「SHIBASAKITEI+」（梅が丘）や「祖師谷七丁目食堂」（祖師ヶ谷大蔵）、「麺匠いしかわや」（国領）、「麺処清水」（新潟県南魚沼市）など系列店や姉妹店、修業して独立したお弟子さんのお店も数多くある。

店主の石郷岡(いしごうおか)さんは和食出身で、無化調、無添加で身体に優しく、一杯分に入る油分や塩分を計算して、子供やお年寄りが毎日食べても負担にならない一杯にこだわっている。和食出身の技術を活かし、旬の食材を使った限定ラーメンも人気。

料理は見た目が8割というほど、盛り付けにもこだわっていて、最近は色々なラーメン屋で見かけるようになった、平ざるで麺をすくって綺麗に折りたたんだ麺線を見せる盛り付けもここが先駆者だ。

こだわりが強いがゆえに、たまにTwitterで炎上したりするけど、「無添加で身体に良いこと」「食材を無駄にしないこと」がお店のポリシーなので、有名店監修のカップ麺や食べ歩きでハシゴするために食べ残す客に対して苦言を呈して炎上した過去がある。

この日は金曜日の昼13時過ぎで外待ち4人。店内はカウンター10席の小さなお店で、席の後ろが狭いので、左右両方の扉から出入りする。10分ほど待って入店。

メニューは「中華そば」(660円)、「鴨中華そば」(720円)、「塩煮干しそば」(720円)、「山椒の塩そば」(800円)など。ランチ限定の「焼豚ご飯」(100円)は売り切れだった。


●チビ生　100円
小さなグラスの生ビールは100円のサービス価格。100円といえど手抜かりなく、ちゃんと泡を落ち着かせてから二度注ぎしている。


●肉わんたん中華そば　970円
飴色に輝く醤油スープは鰹節を主体にした魚介スープと濃口醤油のカエシで、鶏や豚といった動物系素材は使わずに旨味が十分な味わいに仕上げている。この味でデフォルトの「中華そば」は現在660円、つい数年前まではワンコイン500円だったので驚きだ。

ベースのスープはどのメニューも同じで、「中華そば」は葱油、「鴨中華そば」は鴨油、「煮干しそば」は煮干し油と仕上げに加えられる香味油がメニューによって変わる。香味油によって食材の味と香りをダイレクトに感じることで、スープ自体に高コストな高級食材を贅沢に使わなくても、最低限の構成で美味しいラーメンに仕上げる味作りを熟知している。

一杯1000円超えも当たり前になってきた現代のラーメン業界において、600円台でこの味を作り上げるのは驚きでしかない。安く提供するために単純に安い食材を使う訳でなく、コストをかけるところとそうでないところの見極めるセンスが素晴らしい。


●山椒の塩そば　800円
鮮烈な香りが鼻をつき抜けるような風味豊かな「ぶどう山椒」を大胆に効かせたスープ。山椒の風味の香味油と、丼全体にミル挽きした山椒の実を散らしている。清涼感のある風味と上品な痺れがスープの旨味と絶妙にマッチ。ぶどう山椒というラーメンでは使われない和の食材を巧みに取り入れ、素材の持ち味を引き出すセンスは流石。

京王線つつじヶ丘駅近くにの線路沿いにある「柴崎亭」。前から評判を聞いていた行きたかったお店。土曜日の11時開店の20分前に着いたけど約20人待ちで、1時間ちょっと待って12時前に入店できた。

前のお客さんの様子を見ていると、お酒とおつまみを頼んでからラーメンを食べるスタイルが多く、予想より客回転が遅かった。ビールは「ラガー瓶」(500円)に「生中」(400円)、「生小」(300円)、「チビ生」(100円)とサイズ豊富で、おつまみは「皿雲呑」(500円)の注文率が多かったな。

自分はこの後の予定が合ったのでお酒は頼まず、初訪問なので定番の「中華そば」(500円)とこの日限定の「牡蠣味噌らーめん」(1000円)の二杯を注文。一緒にいた妻は「塩そば」(650円)。

中華そばは魚介ダシのきいた和風スープ。雰囲気としてはラーメンより日本蕎麦寄りのテイスト。ストレート細麺を啜るとふわっと山椒の香りが鼻を通り抜ける。チャーシューも大ぶりでワンコインでこのクオリティは素晴らしい！

牡蠣味噌らーめんはあんこうの肝と赤みそを使った熱々濃厚味噌スープ。牡蠣もごろごろ8個ぐらい。味は牡蠣よりもあんこう鍋！って味わいで長ネギもぴったり。パツンとしたストレート細麺の食感も抜群。

塩そばは黄金色で透き通ったビジュアル。風味は最初ほのかに煮干しを感じて後からかつお節の旨味が追い上げてくる。こっちも麺を啜ると山椒のようなスゥーッと爽やかな風味を感じる。スープだけ飲んでも山椒風味は感じないけど、麺をすするときだけ不思議と山椒特有の清涼感を感じた。

定番系の醤油と塩も美味しかったけど、今回食べた中で一番好きだったのは夫婦揃って限定の牡蠣味噌らーめんだったかな。次回は「鴨中華そば」(500円)と「山椒の塩そば」(750円)を食べてみたいな。