良心的なバーガー。 : THIS IS THE BURGER

あれ。こんな時間に大学生がバーガー食べてるのって、可笑しいよね？
さては、授業サボったな。

大学から逃れた生徒たちは、
バーガーを貪る為に国分寺駅へやってくる。
彼らに与えられた選択肢は二つ…
マックか、THIS IS THE BURGER か。

2018.11某日　14：00
私はいつものように、国分寺駅に向かって、全力で走る。
しかし、ここは通し営業（11：00～22：00）だから急ぐ必要なかった。

店名に打ち付けられたでっかい文字…
「THIS IS THE BURGER 」（これはバーガーです。）
はあたかも、ここがバーガー屋ということを強く主張している。
これでバーガー屋だと知らずに入った人は、ある意味天才かもしれない。
学生は何と呼んでいるのだろう…
私は、コレバだと思う。

ここにいるのは殆ど女子大生。
一方、男子大生はグルメや、女に関心を持たないのだろうから、皆マックにいく。
コレバに行くような男子は、モテるだろうに...
モテる男子とは...

店内にはカウンター席が約10席×２、
厨房前とその向かい側に並んでいる。
客は座っておらず、がらんとしていて、
そこに独り両手にバーガーを握りしめている男子...
そういうのが、モテるやつ。
清々しくて…かっこよくないか。

あとは、ナンパする者。
ここは、ナンパするのに絶好の場所だ。
あちこちに、女子大生がうじゃうじゃいる、
可愛いコの隣に腰掛け、声をかけるのだ。
ほら、あのミス東大生も、
ナンパ術を伝授させ女子のハートを掴みとったのだから...

しかし残念ことに、
今日はイケメンがいなかった。

いや、まてよ、
学生にグルメバーガーは早いんじゃないか、
なんて気もする。
グルメバーガーの相場は1000～1500円。
これ1個で、マックの100円バーガーを10個食べられる。
彼らはさほど金を持っていないから、
マックで十分だろうに...

そういえば、妹もここに来ていたな。
大して働いてないくせに、
旅行行ったり飲み屋でオールしてたりして、
そんで美味しいもの喰いやがって、
何故あいつだけenjoyしてる？
一方の私は仕事に終われるばかり、
外食する時間は中々できない。

あいつ、
財布の中パーになっちまえ、と思った｡

妹は何を頼んだのだろう？
そう考えながら、メニューを見ると、
ショックだった。

オールドバーガー　500円（税込）
ハンバーガー/オールドチーズバーガー　600円（税込）
ゴルゴンゾーラ・バーガー/ホットメキシカンバーガー　800円（税込）

一般のグルメバーガーのおよそ半額。
奴は、食べログと無縁であるのに、
安くて美味しいものを食べるという、
高度なテクニックを身につけていた...

私は、悔しくてならなかった。
彼女が上げたインスタの写真のハンバーガー、
あれに目鼻口つけて
「this is NOT buger」って書いてやりたかった。
　
○ベーコンチーズバーガー　830円（税込）
ピクルス、ミニサラダ付き。
※11:00～15:00はフレンチフライまたはオニオンリングをサービス。+100円でドリンク追加。
15:00～17:00は無料でパティ増量(90g→120g)

厚切りベーコン/チェダーチーズ/パティ/レタス/トマト/タルタルソース/　

ドリンクはトロピカルティーで。
トロピカルといえど、無糖だった。

14:10 バーガー到着。

ハンドペーパーでくるみ、
顎を思いっきり広げて、噛みつく。
しかし、私は顎←顔が小さいから(ここ強調※4回目)
ベーコンしか噛みつけぬ。

今まで食べたベーコンバーガーの中で一番大きい。
強烈なパンチを繰り出し、
バンズから突き抜けたような勢い。
俺はパティに負けない！と、強く主張していて...
ここには主役が二人いるみたいだ。

存在感が強いあまり、チェダーチーズも打ち消されてしまう。

ピンク色に交わる乳白色は...

いやああああああ
私の苦手な
ア　ブ　ラ　ミ
だっ

いや、当然ベーコンには脂身があるって。
どうしてこれ頼んだのかい＼(^^)

しかしこれが不思議と、気にならない。
生肉のぷりっとした食感が、
脂身のぶにゅぶにゅ感を打ち消す。
そして、噛むたびに滲みだす塩気、スモーキーな香り。
脂身があったことを忘れてしまう。

バンズは2種類。
「食パンの生地を利用した具材を引き立てる素朴な味」のプレーンタイプと、
「バターと卵を使用した、ふわっもした食感と甘み」のブリオッシュタイプ。
私は甘いパンが好きだから、当然ブリオッシュ...
を選ぶ筈だった。
すると、小悪魔が私の耳元にやってきて、こう囁いたんだ。

卵。バター。
カロリー。

振り払いたくても、振り払えなかった。
無意識に、プレーンタイプと声に出していた。

そのバンズ、パティに負けずでっかい。
始めの一口はカリッ、すぐにその食感は消え、
とにかくふかふか、
まるでベットに飛び込んでいるような感覚。
塩・砂糖・バター・卵など一切感じられず、
小麦だけの素朴な味。
肉汁ではなく水分を吸収し、
パンそのものの味をしっかり残しながらもちもちしてゆく。

具材を食べ終わってもバンズが余ってる。
パン好きにとってこれ以上の幸せはない。

そしてパティ。
本当は…ステーキみたいなものが食べたかったけど…
ここは低価格だから…ひき肉だと思っていた…
ここにはないから…今日は諦めたんだ。

…と思って、かみつく。

驚いた。
ステーキより若干ジューシー感に欠けるが、
むっちりと、凄まじい弾力、
みっちりと繋ぎ止められ、断片は一切落ちない、
これは…ハンディチョップだ！

後からすうっと吹き抜ける炭火の香り…
私の大好きな焼き立てのホルモンを食べるときと同じ感覚。

パティは100％オージービーフの赤身肉に和牛の脂を塗り、炭火で焼く。

15：00以降であれば無料で120ｇに増量できる。
因みに、有名店のパティは一般に110g、値段は1000円前後といったところか。
つまりトッピングを考えなければ、
有名店の半額で、有名店と同じ量のパティを堪能できちゃうということだ、
凄くないか？

ケチャップやマスタードをつけるなど、
バーガー界ではご法度な行為だが、
ソースのないパティを噛み締めていると、
酸味や、甘味が欲しくなったんだ。
このバーガーには...ソースがないから...
バーガーマニアさんは...きっと許してくれるはず、

ケチャップの甘酸っぱさは、
パティやベーコンの味を殺さない、
寧ろ物足りなかった「何か」を満たしてくれるようで...
これは、何だろう。
こってり感というのだろうか。
とにかく、これもこれで、美味しいのだ。

オニオンリング。
穴が空いているからゼロカロリー。

―――――――

低価格にしてクオリティの高いバーガー。
こういうボリューミーなバーガーは、
バーガー激戦区の世田谷じゃ高くても儲かるが、
ここ国分寺ではそうじゃない、
だからこの価格が実現できるんだね...

ご馳走さまでした。