比内地鶏と大山鶏の華麗なる競演そして狂宴 : 比内地鶏本格焼酎 海舟

毎度お馴染みさる高貴なお方にお招きを受けまして、比内地鶏と大山鶏の食べ比べなどという贅の極みを尽くした宴に出席してまいりました。

会場は亀有の赤提灯系焼き鳥最高峰として名高い「海舟」さん。店主さんは銀座の高級焼鳥店で修行された過去もあるんだとか。亀有の下町価格で高水準の焼鳥をいただける素晴らしき名店だとは、全てさる高貴なお方からの受け売りであります。

しかも今宴ではさる高貴なお方セレクトで要予約の希少部位、比内地鶏の“ちょうちん”にもありつけたわけで。僥倖に次ぐ僥倖に心も身体も食べログ評点もすっかりガバガバになってしまいました。

ちなみにお店は店主さんと給仕の女性の二人体制。殊に店主さんは焼きもその他の一品料理も全てお一人でこなされる獅子奮迅の活躍ぶりです。流石に提供までにはある程度の時間を要しますが、そもそも我々が多人数で大量の注文をしてしまいましたからね。店主さん、ごめんなさい&ありがとうございます。
ただ赤提灯系とだけあって店内はなかなかにケムケムの実です。くれぐれもアフターケアをお忘れなく。

ドリンク
◇エビス樽生 中 400円
◇チューハイ 290円
◇山椒のお酒 ロック 590円
◇熱燗 通の辛口 一合290円

チューハイはドライな口当たりのいわゆるプレーンタイプ。一方で山椒のお酒は通常甲類焼酎で漬け込みがちな山椒を、芋焼酎をベースに作成。クセとクセが調和したなんともユニークなお酒に仕上がっていました。とはいえ脂の味の濃い部位との相性はけっこう◯であった印象です。

一品料理
◇お通し ホタルイカのポン酢和え
◇ポテトサラダ 350円
◇牛もつ煮込み 590円
◇本マグロ 二点刺(脳天、ホホ) 590円
◇比内地鶏お造り盛り合わせ(ムネ、ササミ) 価格失念
◇大山鶏レバタタキ 価格失念
◇比内地鶏レバタタキ 290円
◇レバパテ 680円
◇比内地鶏 もも肉 一枚焼き 1500円

お通しのホタルイカは程々の品質なれど、本マグロの脳天&ホホ刺しは赤提灯系焼き鳥店の魚介としてはおよそ申し分のないクオリティ。シルキーなポテサラやコクのある牛もつ煮込み等、居酒屋メニューも殊の外上質で、お店のレベルの高さがうかがえるというものです。レバパテも色味独特なれど臭み皆無でネットリ美味。バケットをカリカリに焼いて供されるのもグッド。

そして本日のメインディッシュの一つである比内地鶏のレバタタキ。まるでフォアグラを彷彿とさせるような濃厚さと旨味×甘味の爆弾が炸裂します。というかもはや実際これは本物のフォアグラだよと言われても信じかねないレベル。それに対して大山鶏のレバタタキは程良い鶏のレバレバしさが心地良く、これはこれで相当に高評価。どちらも頼んで食べ比べてみることを是非お勧めいたします。

焼き物 ※価格は串一本あたり
◇大山鶏 皮 100円
◇大山鶏 ボンジリ 100円
◇大山鶏 つくね 140円
◇大山鶏 つくね温玉 190円 ※この日は温玉でなく生の卵黄を使用
◇比内地鶏 皮 250円
◇比内地鶏 みさき 250円
◇比内地鶏 ハツ 250円
◇比内地鶏 ちょうちん 300円

鶏の種類・部位ごとに適確に下処理かつ備長炭で火入れされた焼鳥達。例えば大山鶏の皮はボイルしてから火を入れることで、サッパリ感も付与されているのに対して、比内地鶏の皮は生から焼き上げて、脂の旨味を最大限に活かしていた記憶。
また、ふわふわの仕上がりの大山鶏のつくねは、一本2〜300円を超える高級焼鳥と比べても遜色がない程の逸品。即ち当店の魅力は比内地鶏だけにあらず。大山鶏の費用対効果の高さも眼を見張るものがございますよ。

無論比内地鶏の突き抜けた肉質は言わずもがなです。みさき嬢(＝雌鶏のぼんじり)のブリブリな脂の官能美、最高だったなあ。
さらに一番のメインディッシュであったちょうちん。ビジュアルのインパクトもさることながら、きんかん(未成熟卵)の濃厚さに、ひも(卵管)の内臓肉ならではの複雑な旨味と食感の妙味が組み重なって筆舌に尽くしがたい至福。少なくとも当方のペラッペラなちょうちん歴では堂々のNo. 1であったと断言いたします。比内地鶏のパフォーマンスたるや、恐るべし…！

そんな具合に食えや飲みや食えやの狂宴を堪能したにもかかわらず、お会計がわずか5000円強な点にも失禁必至。これが普段のはしごのノリなら一体どれだけのお安さになるんでしょ。つくづく赤提系焼鳥最高峰(受け売り)の座は揺るがず！
最後になりましたが、ご一緒いただいた方々におかれましても、心よりの感謝を。