ホタテの豆豉蒸しがよかった : 中国茶寮 一華

台風大雨予想の前日ということで、この日はあまり仕入れをして
いなかった模様で売り切れ多し。
一番気になった「サザエのグラタン（マカオ風味）」は売り切れ。(T_T)
葡汁（澳門スタイルのちょっとカレー風味のクリーム）、食べたかったなぁ。

無いものはないので、代わりに「帆立の豆豉蒸し」を。
豆腐の上に乗せられた伝統的なスタイルで出てきた。
ホタテの鮮度がよく、豆豉風味もほどよくおいしい。

旦那が一緒だったので、魚ものは頼めず、旦那用に「酢豚」を。
非常にスタンダードにホテル中華的な酢豚で、これはこれでよし。

焼き餃子は切らしているが、水餃子ならあるというので水餃子も頼んだ。
手作りむっちり皮ではなく市販の皮で薄めなのと、胡麻と辣油のソースなのと
あいまって、「紅油抄手（四川風わんたん）」っぽい仕上がり。
北方の水餃子を期待していると違うと思うが、紅油抄手と思うとおいしい。

いつもは甜品（デザート）は食べないのだが、この日は週末で糖質制限解除なので
香芒凍布甸（マンゴープリン）を。
先日、行った香港の聰嫂甜品のにちょっと似ている感じのおだやかなタイプ。
上にカットされたマンゴーがのっているところが違うけど。

メニューには「蛋撻（エッグタルト）」があったのだが、これもこの日は売り切れ。(T_T)

今まで、ガラガラで心配になることが多かったのだが、この日は雨にも関わらず
結構お客さんが入っていた。
予約の電話があってから来られていたりして、もしかして「食べログ見たのかな？」と思ったり。
なにせ、本当に地の果て（失礼）、通りすがりでお客がくる可能性はゼロな立地。
そこでがんばって良質な料理を良心的な値段で提供している厨師を、少しでも応援できたらと
思ってレビューを書いている。
多少なりともお役に立てているならうれしいなと思う。

小台なんて行ったことないところにまで行き縁茶房（えんさぼう）、ひっさびさに大外れをひき、
帰ってくる途中にあるこちらで口直し。こういうときはおいしいのがわかっている店に助けを求めるに限る。
今時は冷凍食品もだいぶ出来がいいから、冷凍点心もまずまず食べられるとはいえ
お店で出されると凹む。

今日のおススメは築地で仕入れた活のコチです！って、こんな場末（失礼）の、
BGMには野球中継のラジオがかかるような店にそんなものがあるとは誰も思わないよなぁ。。。(^^;)

２軒目ということで、お腹は少々いっぱいなので、活サザエの湯引き四川ソースと
コチの清蒸を。
サザエはちょうどいい火の通り加減、四川ソースは花椒がほどよく効いておいしい。
清蒸は比較的薄味。鮮露使ってるかな？鮮露由来の化調の風味はちょっとあるけど許容範囲内。

おみやげで銀糸巻（中が糸状になっている台湾の蒸しパン）をいただいた。
これ、既製品の冷凍のやつはよく置いている店があるけど、お店でちゃんと手作りしている
ところは滅多にない。
ふわっというより、みっしりしてて、ほんのり甘い。

都心部でさえ、築地までお魚を仕入れに行く中華料理店は少ない。
このへんだったら、千住の市場のほうが近いけど、築地まで行くのは趣味なんだろうな。(^_^;)
料理人にとって、築地はワンダーランドだもんなぁ。

お客様においしいって言っていただけるのが本当にうれしい、というシェフが真摯にやっているお店。

お会計時に大地魚と鹹魚（広東料理で使う乾物のお魚）の話で盛り上がった。
シェフの師匠は香港系の広東料理の人らしい。
どうりで、メニューの漢字表記も香港でしか使わない表記だったわけだ。
次回は鹹魚持ってお邪魔する予定。

南千住の住宅＆工場街に埋まってる中華の新店。
店構えは街場の新しめ中華屋。イケてそうなオーラはないけど、
メニューをみると、「ん？？これは、もしかして？！」という感じ。

メイタガレイの四川風煮込みとか、鮎の甘露煮(五香粉風味)とか、
仕入れで変わる日替わりの魚料理がおいしい。
白菜と干しエビの煮込み（開洋白菜）もこのお値段なのでスープに
深みこそないものの、十分においしい。
おみやげにもらったクッキーは、龍天門より確実にいい。七福に迫ってる。
（ま、最近の龍天門がダメすぎるって話もあるけど）
鹵水牛腩も軽やかな出来。

叉焼を頼んだら、「冷やし中華の時期は煮豚になっているので、
お望みの品じゃないかもしれない」とちゃんと止めてくれたし、
食べきれないといけないからと、水餃子は数を減らしてくれたし、
シェフはよく気が付く方。
シェフおひとりでサービスまですべてやられているので、
お客がセルフでお茶を取りにいったりする方式だけど、
サービス面でも高評価を付けたくなる気遣いがある。

なんで、こんな周囲に全く店がない辺鄙なとこ(google先生によると、
町屋駅まで15分、都電の駅でも10分かかる模様)でやってるんだろう？！？！
予約すれば、當紅脆皮鶏なんてあるし！
都内じゃ高級系広東料理店にしかないのに。

厨師は日本人。
関西の店で働いていて、７年間保育士やって（驚）、
土地勘ないのに「白いお店で、料理教室なんかもできる箱を探してたら
ここになった」とこんなところでお店を始められたそうで。
土地勘ないからこそ、ここなんだろうなぁ。
なまじっか、東京に土地勘あったらここは選ばないもの。(^^;)

応援しなきゃいけないお店が増えたー。