sense and sensitivity : 一幸庵

かなり久しぶりの一幸庵。
栗菓子を食べ歩いていたら、以前いただいた当店の栗きんとんと栗蒸羊羹のおいしさを思い出して、
またいただいてみたくなった。

今回の購入品
・栗きんとん
・栗蒸羊羹
・月見だんご

栗きんとん。
見た目は中津川の栗きんとんに少し似ているが、
当店のものの方がより和菓子らしい手のこんだもの
上品で上質な甘さ、ざっくりとした栗の風合いと滑らかな栗の裏ごしを組み合わせ
表面に少しだけ焼き目をつけて香ばしさを出している。

栗蒸し羊羹
大粒の良質な国産栗に、上品な甘さとねっとり感の蒸し羊羹。
ほんのり味噌風味の松風との相性がとても良く、ちょっと他の店ではいただけない感じ。

月見だんご
中身はこしあん。当店のこしあんは瑞々しくて大変美味なので、
月見だんごのようなシンプルなお菓子もちょっとよそのものとは違う。

いろんなお店で和菓子を食べ歩いたけれど
やはり当店のお菓子は際立って美味しいなあ、すごいなあ、と思った。
センスと繊細さが際立っている。

栗きんとんは、当店と、嘯月のものが、私の中の二大栗きんとん、
栗蒸し羊羹は、当店と、ちもとのものが、私の中の二大栗蒸し羊羹。

本当に美味しいですよ、おすすめします。


＝＝＝2010/10＝＝＝

引っ越してから、大好きな一幸庵も、とても近くなりました。
徒歩15分くらいで行けてしまふ。
あなうれしや。

でも、夏の間、お店が3週間も長期休暇をとってらっしゃったり
閉店間際の時間に行くと閉まってたりで・・・
やっと此方の和菓子に再会することができました。

今回、いただいたのは
「栗蒸し羊羹」「栗きんとん」「里の秋」の3点。

「栗きんとん」は、ほっくり蒸しあがったばかりの和栗そのものの風味と香り。
甘さ控えめ、つぶつぶ、ほっくり、ねっとりの食感も素晴らしく、
栗そのものよりも栗らしく、栗そのものよりも美味しい。

「栗蒸し羊羹」は、ゆっくり蜜煮された和栗がたっぷり混ぜられた羊羹に松風を載せて
三時間かけて蒸し揚げられたもの。羊羹も栗も松風も、その組み合わせも、大変完成度が高い。

「里の秋」は瑞々しい粒餡が、もっちりとした皮に包まれ、柿の形も愛らしく。
櫻餅の秋バージョンといった味わい。

美しく、美味しく、季節を感じられる此方のおかしはやはり最高です。

=====2010年3月======

近くまで来る用事があったので
ちょっと久しぶりに寄ってみたら
夕方遅い時間だったので
生菓子はほとんど売り切れ・・・。
関東風の粒餡の櫻餅しかないといわれ
一個だけいただいて帰りました。

此方のお店では、関西風の道明寺の櫻餅と
関東風の長命寺の櫻餅が漉し餡と粒餡の二種類、
合計三種類の櫻餅（各330円）を出しておられます。

いただいた関東風の櫻餅ですが
桃色はきつくなく、ほんのりとベージュピンクの自然な色。
関東風の櫻餅は餡をクレープのような生地で包んだものですが
此方のお店のは生地がしっとりもっちり。
もちもちとした食感が大好きな私は、普段は櫻餅は道明寺の方が好みなのですが
当店のは関東風のも良いなぁと思える素敵な櫻餅でした。
一個しか買えませんでしたが、久しぶりに来てみてよかったです。

===2009年4月===

自宅からは不便なところにあるのだけれど、
なんだかんだと言い訳をつけて、ちょこちょこ再訪

最近のヒットは・・・
桜のかたちの、練りきり！
ルックス可愛すぎ～
中は瑞々しいこしあん・・
繊細な風味と舌触り。

桜餅が買いたくて、3月下旬～4月初旬にかけて3回も通ったのに、
なんと3回とも売り切れ（><)　来年こそ！です。

===2009年3月===

東京の和菓子やさんの中で、目下一番好きなお店。
何が好きかって・・・
瑞々しい餡がすばらしい。
繊細で柔肌な餅がすばらしい。
京都で生まれ育ったため、子供のころから有名どころの和菓子やさんの生菓子を
わりと食べなれていた私にとっても
此方の生菓子を初めて食べたときは、衝撃を受けました。

今回、お持ち帰りしたのは、有名な蕨餅2個、それから椿餅と鶯餅です。
袋にいつも小さな紙切れが入っていて、
「作るものから言えば お菓子は すぐに口にしてほしいのです ”すぐに”・・・・・が無理ならば せめてその日のうちに」
と書いてあります。
まあ「その日のうちにお召し上がりください」というシールは、洋菓子・和菓子にかかわらず
生菓子を購入すれば大抵箱に貼ってあるのですが、
この店に限っては、この注意書きを無視してはイケマセン。
できるだけ早くいただくか、食べきれずに翌朝いただくかでは、本当に味がまったく違うのです。

餅は、ものすごく柔らかく、淡雪のようにふんわりと口の中でとけてゆきます。
一般的な餅菓子の餅とは全然違います。
そして、餡。この餡の、洗練され上品な風味と甘さ、そして、なんと瑞々しいこと。
わたしはこしあんっていまいち苦手で、普段は粒あん派なのですが、
ここの餡は・・・こしあんがびっくりするほどおいしい。
普通の餡の概念とはまったく異なるものです。
和菓子とはかように繊細なものなのか・・・と。

今回の
蕨餅（蕨餅にこしあんを包み、黄な粉をまぶしたもの）、
椿餅（羽二重餅にこしあんを包み、椿の葉で挟んだもの）、
鶯餅（柔らかいお餅に粒あんを包み、青豆粉をまぶしたもの）
のなかでは、餅とこしあんという最もシンプルな餅菓子である、椿餅に最も感動しました。

なお、蕨餅のみ2個買ったので、2個目は翌朝にいただいたのですが、
翌朝だと買ったその日にいただくような感動はなく、普通に美味しい蕨餅になってしまっていました。

この店の生菓子では、じょうよ饅頭とねりきりも買ったことがありますが、
わたし的にはやはり餅菓子がイチオシです。
そして、一個でも快く包んでくれますので、その日のうちに食べ切れる分だけをお求めになられることをお勧めします。
（その日は一個も食べれないなら、買わないほうがよいです）

四季折々に訪れて、季節を感じたい和菓子屋さん。