タンポポ : 中華そば 半ざわ

最初はまずラーメンをよく見ます。
ドンブリの全容を
ラーメンの湯気を吸い込みながら
しみじみ鑑賞して下さい。
スープの表面にキラキラと浮かぶ無数の油の玉。
油に濡れて光るシナチク。
早くも黒々と湿り始めた海苔。
浮きつ沈みつしている輪切りのネギたち。
そして何よりも
これらの具の主役でありながら
ひっそりと控えめにその身を沈めている
三枚のヤキブタ。

もう40年近く前の映画
タンポポの本編冒頭シーンのセリフ。
ラーメンウエスタンと言われた名作だ。
半ざわの中華そばを食べていたら
急にまた この映画が見たくなった。

個人店で。チェーン店以外で。
特製ではないスタンダードなラーメンに
チャーシューが3枚入っている店は
少ないんではないだろうか。
昭和の映画らしく「シナチク」「ヤキブタ」
と表現している。
その言い方が 半ざわの中華そばにしっくり来る。

ノスタルジックを感じるが それだけではない味。
パンチを求める人は他に行った方がいい。
卓上にコショウは2種類あるが
ニンニクは無いから。

新板橋方面から歩いてきて15分。
歩きながらいつものように
塩にするか。醤油にするか。
押し問答をする。
醤油ならメンマトッピング。
塩なら味玉トッピング。

財布の中には千円札が４枚入っているのも確認済み。
小銭は調べていない。
8:56到着。
開店前だが並びはなかった。
この時点で醤油にメンマと決めてある。

券売機の前で絶対に悩んではいけない。
ググれば券売機の画像なんか
いくらでも出てくるので
買いたい食券のボタンががどこにあるのか
事前に把握しておく。

後ろに人がいなくても
人気店はいつ並びだすかもわからない。
店に向かう前には、必ず千円札をチェックする。
無ければコンビニ寄って水でも買う。
券売機のラーメン店でPaypayを使える確率は
ほぼないと思っている。
両替をしてくれる店もあるが
本当は来てほしくない客だと思われている。
それほど店には迷惑なやつ。
さっと食券を買い、素早く移動。

鶏の旨味を引きだすように
キリっと立った醤油。
やや濃い目だがしょっぱくはない。
適度の固さに茹でられた中細縮れ麺。

スープを味わい、麺を味わい、
メンマ、チャーシューとすこしずつ食べていく。
丼の中にコショウはかけず
レンゲのスープにだけにかける。
そしてまたデフォのスープに戻る。
この店のように２種類のコショウがあれば
白、デフォ、黒、を交互に楽しむ。
個人的には白が好き。

十分堪能したら、両手で丼を持ち上げ
最後の一滴までスープを飲み干す。
レンゲでいつまでもカチャカチャ飲まない。

カウンターの上に丼を上げて
使ったエプロンやティッシュなどは
まとめて自分でごみ箱に捨てる。

店主に向かって軽く一礼をして
小声で「ごちそうさまでした。」
美味かっただの、また来るだの
余計な事は言わない。
これがラーメン店でのマイルール。

一礼はホントに美味いと思う
店だけしかしないけど。

まだ朝9時を過ぎたばかり。
美味いラーメンが食いたいなぁ
これは半ざわに行くしかない。
新板橋近辺から歩いても7分くらい。

券売機の左上「中華そば 醤油」をポチッと
覆面智メンバーズカードを出して
煮玉子をトッピングしていただく。
数分で提供される。

相変わらず美しい中華そばだ。
適度な脂で光ったスープ
チャーシュー3枚、メンマ、ねぎ、ほうれん草、海苔
トッピングの煮玉子。真ん中にナルト。
スープをひと口。
バランスよく調和されて、
何かが突出して来ることはない。
ガツンとくるのが好きな人には物足りないと
思うかも知れない。
ネオクラと言われるモノよりもっと
スタンダードな気がする。
固茹で過ぎない中細麺もとにかく美味い。
ご馳走様でした。

一昨日来たばかりだが、SNSで本日の限定が広東麺
なのを見つけてしまった。
見逃していなければ今年の1月以来かな。
町中華の食べ歩きをしていて、広東麺やサンマー麺などの餡かかった麺が大好物。
8ヶ月ぶりのこの機会を逃すわけには行かない。

店に着き、看板を確認すると1,100円。
町中華だと800円くらいだからちょっと割高感。
いつもの席に座り食券を渡して待つ。
ちょうど前に2人連れが入ったので調理はその後に。
それでも10分ちょっとで提供される。

見た目完璧な広東麺だ。
大きめなエビ、豚肉、イカ、キクラゲ、うずらの卵
白菜、たけのこ、その他野菜たち。
スープをひと口飲んでみる。熱々トロトロのスープ。
しかし自分にはかなり濃い味だ。
もっと塩味の強いラーメンも、他店ではいくらでも
出てくるので世間的にはさほど濃い味ではないんだろう。

麺は通常の中華そばと違い、軽いウェーブの
中平打ち麺だ。熱々のスープに伸びにくい配慮だろう。
具もたっぷりと入っている。
町中華のスープとは違った旨味の強いスープ。
しかし食べ進めて行くうちに、どんどんエン味が増して行く。残念ながら1/2ほどでギブとなってしまった。
だが待ち望んでいたこのメニューを食べられて
自分的には満足だ。
ご馳走様でした。

初めて伺って。
中華そばの醤油を食べて感動し、次は塩を食ってみようと思ってから1年近い。
何度来ても醤油のボタンを押してしまう。
前回限定の冷やしを食べて、大変美味かったので
他のメニューも行くべきだな。
次回は塩と改めて思う。

食券を買っていつものカウンター席に座る。
数分で提供される。
アレ？チャーシューが3枚も入ってる！
いつもより小さいわけでは無い。
メンマ、青菜、ネギ、ナルト、海苔。
ほとんどの店が小松菜なのに、こちらはほうれん草
だと思う。やはりこの1杯にはほうれん草の方が合う。
原価は高いが。

スープをひと口飲んでみると、ストレートに魚介や
鶏と豚のスープの旨味が広がる。
圧倒的な醤油派なんだが、こんなに美味い塩ラーメン
ならたまにはいいな。

中細麺は固すぎず柔らか過ぎず。
チャーシューも美味い。メンマはやはり醤油ラーメン
や醤油のつけ麺には必須だが、それ以外は合わないな。
何かしっくり来ない。と勝手に思う。

完食してご馳走様でした。
しかし。スープ飲み干せなくなったなぁ。
量も全然食えなくなったし。
最近ジジイが身に沁みる。

SNSをチェックしていると、本日の限定が
「焼きあご出汁 冷やしそば」と呟かれている。

この夏。冷たい麺しか食いたくならない。
冷やしラーメンは坂内と愛絆でしか食ってないな。
半ざわの冷やしそば。
想像しただけで食いたくなって来る。
まだ10時だが待ってられない。

西巣鴨駅徒歩1分。
朝から営業しているので、並ばずに入れる。
こんなに美味い店が並ばなくていいなんて。
神の店だ。

「限定C」の食券を買いカウンターの端に座る。
10分ほどで提供される。
なんて豪華な具沢山！

冷やしなので脂身のほぼないチャーシュー2枚。
鶏チャーシュー1枚と刻みも少し。
メンマ、ネギ、小ネギ、オクラ、ワカメ、岩海苔、
半玉子、水菜、カイワレ、糸唐辛子。
そこらの特製以上だな。多過ぎる気もするが。

スープをひと口飲んでみると、キリッと冷えたスープ
に凝縮された濃厚な旨味。
トビウオのエグミのない上品な旨味に、昆布の出汁を
合わせたスープ。
自分には少しだけエン味が強めだが、しっかり冷やして
締められた細麺とのバランスがすごくいい。

冷たいラーメンって。否定派も多いと思うが
このめちゃくちゃ暑い季節に。
これほど幸せな一杯はないな。

多分今まで、昆布水つけ麺やってないと思うんだが、
半ざわでメニューにしてくれたら絶対食いたいなぁ。

ご馳走様でした。
ありがとうございました。

自販機で「塩」が気になりつつも毎回醤油を押す。
このスープなら塩も美味いだろうなぁ。
次回は絶対！と思いつつも提供された丼を見ると
ホットすると言うか、嬉しくなる。

程よい油がキラキラと光り、チャーシュー2枚、メンマ、ほうれん草、海苔にナルト。
完璧なビジュアルだ。
いつも美味い。塩を押せないのは完成された一杯だからだと思う。

餡かけモヤシや広東麺の日にはまだ来れていない。
絶対に食ってみたいなぁ。
ご馳走様でした。

西巣鴨駅から徒歩1分。
帰りはバスに乗りJR王子駅へ。
まぁ歩いても12分程度かな。

何度も伺っているこちらのお店。
朝9時からの営業。これはありがたい。
メインのメニューは基本の中華そば。
あとはつけ麺だったり、限定だったり。

いつも中華そばをいただく。
醤油も立ち過ぎていない。
素晴らしいバランスの煮干しと動物系のスープ。

ずっと昔からここに店があって、ずっと通っていたような気がする。そんな味。
ノスタルジックなような。
でも昔のラーメンそのままではない。
チャーシューもメンマもすごく美味い。

卓上にはホワイトとブラックの胡椒が2つある。
個人的にこのスープには白胡椒が合うと思う。
でもそれはひとの好みだ。
美味いラーメンは胡椒が合う。
丼にはかけないが、レンゲの中で楽しむ。

最近、卓上に胡椒を置かない店によく出会う。
よほどスープに自信があるのか。
胡椒をかけられたくないんだろう。
そんな店は大概、見てくればっかりどこかの真似をした、味は本当に大したことが無い。
客がどう楽しむかはまるで考えずに、自己満足ラーメンを出したいだけ。

本当に美味いと思うラーメンを食べた日。
帰る時、店主に一礼をする。
余計な賛辞は言わない。
ここは数少ないそう言うお店。

ご馳走様でした。ありがとうございました。