バングラ居酒屋 : 大衆食堂シックダール 中野新井薬師店

「華麗なる食卓」という漫画をご存じだろうか。

世界初カレーだけをテーマにしたちょっとエッチでコミカルなグルメ漫画なのだ。
今度、間借りカレー屋4人がその漫画に出てくるレシピを再現するイベントをやる。
その打ち合わせと称した飲み会の場として、こちらをチョイス。

BBQ＆串盛り合わせセット…牛、鶏、シカ、マトン、ラム、あらゆる肉をタンドールで焼いたカーニバルなセット。スパイスで味付けされた肉はつまみに合う。

カレー巻き卵…キーマカレーを卵で巻いたもの。オーソドックスに美味い。

タンドリーポテト…タンドリーマサラで味付けたほくほくポテト。これも酒に合う。

ニハリセット…骨付きすね肉をホロホロになるまで煮込んだ豪華なスープ。さくさくパロタを浸して、食べる。うまい。

食べていると、神田の某ベンガル料理店のオーナーさんが入店し、ご挨拶。

久しぶりに来たけど、おいしいバングラ飯が食べられる貴重なお店だ。

　カレーマニアとしては知っておきたいビッグネーム、インド食器・調理器具屋さんであるAジアンハンター氏より名誉の招集を受け、旧正月を良いことに少しだけ仕事に余裕のできた僕は18時30分に会社でた。
　妙な開放感とそして、来たる料理への高揚感から鼻息荒く特別な食事会に参加させてもらうことにした。

御徒町時代に自ら主催の食事会を含め、数回来店したが移転後は初。　久しぶりに社長と再会。

お馴染みの奥さんが書いた萌え萌えのイラスト入りメニューも健在。
ディ〇ニーキャラぽいのがいなくなり、些か大人しくなっている印象なのはファンとしては残念。訴訟を恐れたか。

本日は某有名カレー店で働くシェフをはじめ、自分を含め、スパイスからカレーを自作するカレー好きばかりが集まっているわけだが、そんな中、主催者様がお店に特別オーダーしたラインナップが以下の通り。

Chinigura morog pulao…揚げ鶏onチニグラ米のプラオ。僕はインド、パキスタンのレストラン式なスパイスがっつりカラフルなビリヤニも好きだが、こっちのシンプルで滋味深いプラオが好みだ。各種スパイス、ギーとチニグラ米を大きな鍋で炊き込み、別で調理したチキンを最後に鍋にいれて蒸らし、チキンの脂、うま味、香りをごはんに移すのだ。美味いに決まっている。

Gorur Mangsho jhol…ビーフカレー 。中々攻撃的な辛さだったが爽やかな辛さ。バングラらしくしゃばしゃばオイリーな仕上がり。

Molka…バングラ式のドーサ／生米を発酵させて薄焼きにしたもの。作り方としてはドーサぽいが、層になっていないパロタ的な味わい。冬だし、発酵感も感じず。でも、これはこれで香ばしくて美味かった。ビーフカレーにつけて頂く。

bhetki macher paturi and Rice…バングラデシュで汽水魚バラマンディのバナナ葉包み蒸し焼き。これでもかとマスタードシードでマリネされた魚。
葉っぱを開くとムワッと魚とスパイスの香りが立ち込め、鼻腔をくすぐる。
バスマティライスと合わせて頂く。汽水魚ということだがどちらかいったら川魚ぽい香りがまたいいアクセント。

Chitoi Pitha(চিতই পিঠা) …バングラの米素材のパンケーキ。
見た目も味わいも南インドのイドゥリぽい。ふかふか。もっちり。

shutki vorta…干し魚のボルタ。魚の名前を聞いたがおぼられず。ちょっと発酵したような香りがして、どことなく酒盗を思わせる味だった。日本酒に絶対合う。僕は白ワインで頂いた。

Faluda (ফালুদা)…寒天ジェリー、アイスクリーム、麺、フルーツ入りのパフェのようなインド、パキスタン、バングラ、果ては1部、中東でも食べられているデザートなのだが、広く分布して愛されているが故に、ある所とある所では全く別物が出てくるという不思議な食べ物だ。このマニアックなデザート、社長が20年ぶりに作ったというが、通常、バングラの細いファルーダ向きの麺を使うらしいが日本では入手できず、何とスパゲティー二を使用。デザートなのにそこはかとない食時感。これは20年ぶりにつくっただけあって、正直それなりのクウォリティだった・・・。

上記が予めお願いしていたコース内容だが、サルビスでカロンジボッタ、コリアンダーチャトニも頂いたのだが、このカロンジのボッタはこのスパイスをご存知の方なら理解していただけると思うが、驚愕するくらいの量を使った料理で、単なるカロンジの塊だった。普通にカレー感覚でライスに混ぜたら。悶絶ものの苦さで目を白黒させた。社長曰く、好きな人は好きで、自身と奥さんは画像の量をぺろりといくそうだ。にわかに信じがたい。

まだまだ、バングラの「バ」の字の濁点にすら触れられていないくらい、何も知らない。
　
奥深き国かな。だから、面白い。